普段、生活しているときにみなさんは「お見知りおき」という言葉を見聞きしたりしますか?
「お見知りおき」という表現をよく聞いたことがあるけどどんな意味で正しい使い方などはあまり理解していないという人もきっと多いはずです。
そんな本日は「お見知りおき」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や敬語、例文をご紹介したいと思います。
「お見知りおき」の意味と使い方は?
まずは「お見知りおき」の詳しい意味と正しい使い方を見ていきましょう。
「お見知りおき」は、「お」という敬語をつくる接頭辞に「見知る」「おく」という動詞が連なった構成の語です。
「見知る」とはすでに見て知っている、面識や見覚えがあるなどの意味で「おく」は漢字で書くと「置く」で、人や物をある位置や場所にとどめることです。
これが動詞に連なり補助動詞として使われる場合は、「その状態のままを保つ」、あるいは「準備のためあらかじめ行う」といった語感をつくります。
例えば「留め置く」「聞き置く」、もしくは助詞の「て」を間に入れて「空けておく」「やめておく」などというように使われます。
以上のことから「お見知りおき」の原形は、動詞の「見知りおく」となります。
これは後々まで長い期間、ある人や物事のことを覚えておく、記憶にとどめるという意味ですね。
「お見知りおき」は自分が相手のことを見知りおくことについて、相手を敬って表現する言い方です。
この言葉は、主に相手と初対面の場合に使われます。
また尊敬表現として、自分より地位や立場が上の人や、取引先や商売の顧客といった尊重すべき相手に対して使用します。
例えば、初めて会った人に自己紹介する際に「はじめまして。どうかお見知りおきください」と使います。
また、新たなプロジェクトを開始する際に、初めてチームの相手方とあいさつするようなビジネスのシーンなどでは、「以後お見知りおきください」と述べながら名刺交換をするのが一般的です。
目下の者を目上の人に紹介するときに、「彼はこのほど入社した新人の○○です。以後お見知りおきのほどをお願いします」などと言うこともあります。
ただし「お見知りおき」は相手に対する尊敬の表現ですから、自分がへりくだって言う場合には使いません。
相手のことをいつまでも大切に覚えておきます、という意味を伝えようとして「今後もお見知りおき申し上げます」と言うのは誤用となるので注意してください。
「お見知りおき」の類語や敬語は?
次に「お見知りおき」の類語や敬語を見ていきましょう。
「見知りおく」の類語を下記にまとめておきますね。
◆類語
- 見覚える
- 胸に刻む
- 肝に銘じる
- 心に留める
- 記憶する
- 銘記する
- 服膺(ふくよう)する(=「忘れない」の文語的表現)
などがあります。
一方で、目上の人と初対面の場合に使う敬語の類似表現としては、「お初にお目にかかります」、「お会いできてこの上なくうれしいです」、「お目もじがかないとても光栄です」などが挙げられます。
「お見知りおきください」の言い換えとしては「今後、なにとぞよろしくお引き回しのほどをお願い申し上げます」などがありますが、一般的には「どうぞ、よろしくお願いいたします」が適切でしょう。
「お見知りおき」を使った例文は?
最後に「お見知りおき」を使った例文をご紹介しておきましょう。
「お見知りおき」の例文には次のようなものがあります。
◆例文
- お噂はかねがねうかがっております。どうぞお見知りおきください
- 以後、末永くお見知りおきくださると幸いです
- まだ○○様にはお見知りおきいただいていませんが、私はそのご高名をかねてよく存じ上げております
- 今度、私どもの部署に異動してきた○○をご紹介します。以後お見知りおきのほどを願います
なお「見知る」は、冒頭でご紹介した「面識がある」の意味のとおり、例えば「ここに来た当初は、周囲に見知った人もいなくて心細かった」のような使い方もあります。
しかし、現在はほとんどの場合、初対面の際などの丁寧なあいさつとして「見知りおく」の形で使われているので覚えておきましょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
「お見知りおき」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や敬語、例文について詳しくご紹介しました。
普段、なかなか使う機会が少ない表現方法かもしれませんが、いざというときの為に覚えておくと便利だと思いますよ。
正しい認識と表現で相手に誤解のないようにしっかりと言葉を伝えたいものですね。