感謝の気持ち

ビジネスシーンなどで「ご愛顧を賜ります。」という表現方法をよく見聞きすると思います。

メールやお客様に対して使う場合も多々あると思いますが、どのような意味合いがあり、どんな場面で使う言葉なのでしょうか。

そんな本日は「ご愛顧」の意味と正しい使い方、そして年賀状やビジネスの場で目上の人に使う場合の注意点について詳しく解説したいと思います。

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「ご愛顧」の意味と使い方は?

まず最初に「ご愛顧」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。

「ご愛顧」という言葉は、「愛顧」という名詞に、漢語の丁寧な形を示す接頭語「ご」を付けた形になっています。

「ご愛顧」の「愛」という字は、会意文字であり、形声文字です。

「頭を一生懸命巡らせる人」の形と「心臓」、「足」の形を並べた字になっており、「大事に、大切にする」、「好きな気持ちが相手に及ぶ」といった意味合いとなったようです。

「好きな人」ができれば、その相手の事をよりたくさん知ろうと思いを巡らせる、という姿は、漢字が成立した古代中国でも現代日本でも同じということのようです。

また「ご愛顧」の「顧」は、形声文字です。

「雇」と「頁」から成り立っています。

「雇」の「戸」は「片開きの戸」を示し、「入口」の意味とされます。

「隹」は「尾の短いずんぐりした小鳥」の形です。

このため「雇」は本来は「季節ごとに色が変わって、季節の入口を示す鳥」、具体的には「ふなしうずら」という鳥のことを示したようですが、「顧」の場合は「古(コ)」という音に通じるため、「ふるい」の意味を表すとされます。

「頁」は人の頭部を強調した形であり、このことから「顧」はそもそもは「頭で古い方をかえりみる」といった意味合いとされます。

これが転じて「振り返る」、「心にとどめる」、「かわいがる」といった字の意味となったようです。

このように「ご愛顧」は、「愛して顧みる」といったことから、「目をかけて引き立てること」「ひいきにすること」を丁寧に表す言葉だといえます。

ただし「ご愛顧」は、一般には引き立てられる側、目をかけられる側から言う表現だといえます。

「ご愛顧する」と自分の側からは用いるのではなく、「ご愛顧いただく」など、ひいきにされていることを感謝し、敬意を表す言い方だといえます。

「ご愛顧」は「ご贔屓」などと同じく、もともとは役者・芸人・目下の者などに目をかけることを表したようですが、現在では企業やお店などが、ビジネスや商売上の顧客・取引先から贔屓にしてもらうことを指すのが一般的です。

年賀状やビジネスの場で「ご愛顧」は使える?

感謝の気持ちを伝える

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次に年賀状やビジネスシーンで「ご愛顧」という表現方法は使えるのでしょうか。

前述したように「ご愛顧」は、お店などが顧客によく利用してもらっているような場面で、敬意を持って感謝を示す言葉だといえます。

同義語である「ご贔屓」や「お引き立て」よりも、やや平易で一般的な言い方であり、いわゆる「上得意」の長年親密な取引先などに対して、というよりも、広く末端の「お客さま」である消費者全般に対して表現する言葉というニュアンスがあります。

「ご愛顧」とは「気に入って支援すること」との意味合いも含みますので、自社商品に対しての意見や褒める言葉をもらったり、友人へ紹介してくれたりした際などに、「いつもご愛顧いただきありがとうございます」と用いることもあります。

このように「ご愛顧」は、ビジネスの場面では、広くエンドユーザーに向けて感謝を述べたり、年賀状で商品購入へのお礼を伝える際に用いることができます。

ただ、長年の深い関係のある取引先や、非常に立場が上位にある相手に対しては、「ご贔屓」や「お引き立て」を使うほうが適切な場合もあるといえます。

相手の立場や状況に応じて選択することが大事だといえるでしょう。

なお、「ご愛顧」は引き立てられる側から使用する表現ですので、逆に顧客の側から、ひいきにしていることや称賛の気持ちを伝えたい場合には、「いつも欠かさず利用しています」、「これからもずっと応援させていただきます」などと表現するのが自然だといえます。

「ご愛顧」の類語と例文を教えて?

最後に「ご愛顧」の類語と例文をご紹介したいと思います。

「ご愛顧」の類語としては、次のようなものがあります。

 

◆類語

 

などがありますね。

 

「ご愛顧」の例文としては、次のようなものが挙げられます。

 

◆例文

  • いつもご愛顧を賜りまして厚く御礼申し上げます。
  • 今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
  • 日頃のご愛顧に感謝して全品半額セールを開催いたします。
  • 日頃ご愛顧のお客様へ、素敵なプレゼントをご用意しました。

 

「ご愛顧」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「ご愛顧」意味と正しい使い方、そして年賀状やビジネスの場で使う場合の注意点について詳しくご紹介しました。

年賀状やビジネスの場、さらにメールやお客様に対してよく使う表現方法ではありますが、相手の立場や状況をしっかりと見極めて使う言葉を選ぶようにしましょう!

立場がかなり上の方たちには「ご贔屓」や「お引き立て」を使うようにしましょう!

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