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みなさんは普段、ビジネスシーンなどで「ご健勝」という言葉を使ったりしますか?

「ご健勝」という言葉を普段、見聞きすることはありますがどんな意味合いなのかいまいち理解していない人もいるかと思います。

そこで本日は「ご健勝」の意味と正しい使い方、そして類語と例文、目上の人に使う場合の注意点について詳しく解説したいと思います。

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「ご健勝」の意味と使い方は?

まず最初に「ご健勝」の意味と使い方について見ていきましょう。

「ご健勝」という言葉は、「健勝」という名詞に丁寧語をつくる接頭辞「ご」を冠した形の語です。

「健」という漢字は、にんべんと「建」から成り立っています。

にんべんは「人」のことを示し、「建」はこの字の音を表します。

「建」には「法律などをしっかり定めて立てる」という意味が元来あるとされます。

このため「健」は、「人がしっかりと強く生き、健康であること」を表す字です。

また「勝」は、「朕」という字の下に「力」が加わる形になっています。

「朕」はそもそも「船板の合わせ目」のことで、「水の圧力に耐えて水の侵入を防ぐ」といった意味合いを示しました。

これが転じて「力を加える」、「耐える」、「うち勝つ」、「上げる」といった意味になったとされます。

こうしたことから「健勝」は「健康であり力に勝れる」といった意味合いになり、「ご健勝」は、相手について「健やかで元気なこと」や「体調や心と体の健康が申し分ない状態」を丁寧に述べる言い方だといえます。

多くの場合は、あいさつや手紙文などで「相手の健康を喜ぶ」、あるいは「いつまでも健やかでいてほしい思いを伝える」という趣旨で使われます。

「ご健勝」は主には、文の冒頭や最後で定型的に表現する、日本語のあいさつにおける一種の「決まり文句」やマナーのような語句だともいえます。

このため、一般用語として日常会話などには使用されることは、あまりありません。

また自分について「最近は健勝だ」などとも使いません。

「ご健勝」の類語と例文を教えて?

次に「ご健勝」の類語と例文について見ていきましょう。

「ご健勝」の類語では、いわゆる「体や心が健やかである」という状態を示す言葉としては、次のようなものがあります。

 
◆類語

  • ご勇健
  • ご健康
  • お達者
  • ご剛建
  • ご壮健
  • ご剛健
  • ご健全
  • お健やか
  • ご健常

 

などがあります。

また「ご健勝」と同様に挨拶文などで定型的に使われる、相手が順調に日々を過ごしていることを祈り喜ぶ意味の類語としては、次のようなものが挙げられます。

 
◆類語

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などがあります。

 

「ご健勝」の例文としては次のようなものが挙げられます。

 
◆例文

  • 時下ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
  • 今後とも一層ご健勝でありますよう、希望いたします。
  • 末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
  • 皆様ご一同のご健勝を祈念いたしまして、乾杯!

 

「ご健勝」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

 

「ご清栄」の意味と使い方は?「ご健勝」との違いと使い分け方は?

目上の人に「ご健勝」を使う場合の注意点は?

最後に目上の人に「ご健勝」を使う場合の注意点をご紹介したいと思います。

「ご健勝」は前述のように、一般的に相手の健康や順調な暮らしを喜ぶ意思を、丁寧に述べる言い方です。

これは目上や立場が上の人に対して、あるいは目下の者や友人、部下などに対して、いずれの場合にも分け隔てなく使用できる便利な表現です。

ただし「ご健勝」は、相手の個人としての健康や暮らしぶりについて述べる言い方ですので、会社や組織、団体について表現する場合には注意が必要です。

目上の人に使う場合でもこの点は同様で、特定の相手、もしくは会合の席に参加しているそれぞれの人について、その健康や精神の安寧を祈るという趣旨であいさつなどで使うのが適切な用例です。

このため、取引先企業の式典などに出席して、あいさつする際に「御社のますますのご健勝をお祈りします」と述べるのは、誤用となります。

企業や団体に対しては「御社のご発展」「ますますのご繁栄」といった語句を用いるのが適切でしょう。

社員の健康と会社の成長に同時に言及したいときは「皆様のご健勝と、貴社の益々のご発展をお祈りします」といった言い方も可能です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ご健勝」意味と正しい使い方、そして類語と例文、目上の人に使う場合の注意点について詳しくご紹介しました。

主に手紙やビジネスシーンの挨拶で使う言葉となるので、私生活で使う言葉ではありません。

相手の健康を喜んだり、末永く健康でいて欲しいという意味合いを込めて定型文として活用する言葉と覚えておくと良いでしょう。

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