日々の生活の中で「ご隆昌(ごりゅうしょう)」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?
「ご隆昌の段とは」や「ご隆昌のことと」などと使っている人をたまに見かけますがどんな意味合いがあり、どのような場面で使う表現方法なのでしょうか。
そんな本日は「ご隆昌」の読み方と意味、そして使い方と類語、例文について詳しく解説したいと思います。
「ご隆昌」の読み方と意味は?
「ご隆昌」の読み方と意味について見ていきましょう。
「ご隆昌」という言葉は、「隆昌」という名詞に漢語の丁寧表現の接頭語「ご」を付した構成になっています。
読み方は「ごりゅうしょう」です。
「ご隆昌」の「隆」という漢字は、会意文字であり形声文字です。
「降」と「生」という字が複合した構成になっています。
「降」とは、元来は、左側が「段のついた土山」の形を示し、右側は「下向きの足」が二つ並んだ様子を表すとされます。
つまり「段を下る」という意味であり、通常は「降りる」ことを意味しますが、「隆」の字の場合は「何かがもりあがるさまを表す擬態語」と考えられます。
すなわち「隆」は「草・木が地上に生じてきた」という「はえる」の意味から、「豊かに大きくなる」や、「盛り上がる」といった意味を示す字となりました。
また「昌」という字は、象形文字です。
日が上下に二つ並び「光をはなつ日」といったイメージを表すことから、「盛ん」、「栄える」、「明らか」、「明るい」、「良い」、「美しい」、あるいは「日の光」そのものを示すようになったとされます。
このように「隆昌」は、「勢いの盛んなこと」や「(家や組織などが)非常に栄えること」を意味する言葉だといえます。
これを丁寧な形にしたのが「ご隆昌」です。
「ご隆昌」は、一般には聞き慣れない言葉かもしれません。
確かに家庭などでの日常の会話やメール等で使用されることは少ないでしょう。
このため、主としてはビジネスシーンや公的な会合、式典などにおいて、挨拶状などの文書や口上で、相手が属する家庭や組織について、運気が上昇することや拡大、発展することを「社交辞令」的に言い表す際に用いる言葉だといえるでしょう。
「ご隆昌」の正しい使い方は?
「ご隆昌」の正しい使い方を見ていきましょう。
このように「ご隆昌」は、「盛んで勢いがある」ということを丁寧に言い表す表現です。
基本的には、ビジネスや公的な場面で、相手をほめたたえる際に用います。
やや堅い文章語的な言い方だといえるでしょう。
例えば、取引先や顧客などに対して、何かの手紙や招待状などを送る際に、文頭などに定番のフレーズとして使うことが多いと言えます。
「ご隆昌」は運気や勢いが高まることを指すわけですが、とりわけビジネスでは、相手の会社が経営的にますます発展し、業績好調であることを喜ぶ意味がこもります。
注意すべき点としては、「ご隆昌」は家や企業、団体向けに使われる言葉であり、原則として個人あての手紙やメールでは使わないということです。
また「経済的に調子がいい」ことを表す言葉ですので、経営難に陥っている取引先や、苦境から脱したばかりの組織など、相手の状況によっては使用がそぐわない場合もありますので、むやみに「定型表現」として使うことには注意も必要です。
「ご隆昌」の類語と例文が気になる!
最後に「ご隆昌」の類語と例文をご紹介したいと思います。
「ご隆昌」の類語としては、次のようなものがあります。
◆類語
などがあります。
「ご隆昌」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- ご家運の一層のご隆昌を願い上げ奉ります。
- 貴国がますますご隆昌の気運にあると伺い、喜ばしいことと存じます。
- 貴会、ますますご隆昌のこととお聞きし、心より祝福申し上げます。
- 御社ますますご隆昌の段、何よりでございます。
「ご隆昌」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご隆昌(ごりゅうしょう)」の読み方と意味、そして使い方と類語、例文について詳しくご紹介しました。
私生活で頻繁に使う言葉ではないのであまり聞き慣れない人も多いかと思います。
ですが、知識のひとつとして覚えておくといざという時に役に立つ言葉かもしれませんね。