ビジネスシーンで使う言葉

みなさんは普段、「ご猶予」という言葉を聞いたり使ったりしますでしょうか?

「猶予」と聞くと真っ先に「執行猶予」などの言葉が思い付いてしまいますが、本当の意味や使い方が気になってしまいますよね。

そんな本日は「ご猶予」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文について詳しく解説していきたいと思います。

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「ご猶予」の意味は?

まず、最初に「ご猶予」の詳しい意味について見ていきましょう。

読み方については大丈夫だと思いますが念のために「ご猶予」と書いて【ごゆうよ】と読みます。

「ご猶予」は「猶予」に接頭辞「ご」を付けた丁寧な言い方ですね。

「猶予」は「猶」と「予」という二つの漢字から成り立っています。

「猶」はもともとは猿の一種で、疑い深い動物だったともいわれてますが、それが転じて「ためらう、ぐずぐずする」といった意味になりました。

「予」は「豫」という字の略字体です。

「豫」とはもともとは大きな象のことを指したそうです。

他の生き物に危害を加えない、のんびりした動物ということから「のびのびした、ゆっくりした」といった意味を示しますね。

このように「猶」も「予」も「疑い深い、鈍重な動物のこと」とする説もあります。

半面これを否定する学説もあり、熟語としての語源ははっきりとしません。

一方日本語には、上代から「いさよう」、また平安時代以降は「いざよう」という言葉があります。

「前に進もうとするが、なかなか進めない」、「進むことを躊躇する、ためらう」、「進まずに停滞する」といった意味合いを持つ語です。

芥川龍之介の小説に「傾きかかった月の光が、いざよいながら残っている」という一節があります。

情景が目に浮かぶ、趣のある表現です。

この古い言葉が「猶予」と意味合いが近いことから、「いざよう」を「猶予う」と表記することもありますが、本来はこれは当て字だと考えられます。

いずれにせよ、「猶予」は、現代では「どうしたらいいか、迷ってためらうこと」、「ぐずぐずして、なかなかものごとを決めないこと」という意味を持つ語です。

あるいは「実施の期日を延ばすこと。延期を認めること」という意味合いもあります。

ビジネスシーンなどでは、相手に丁寧に延長をお願いする際の言葉として、こちらの用法の方が多くみられるといえるでしょう。

「ご猶予」の正しい使い方は?

次に「ご猶予」の正しい使い方について見ていきましょう。

主にビジネスシーンで「ご猶予」を使う具体的なケースとしては、取引先などから要望や依頼を受けた際に、返答に当たって、まず自社内で調整や相談をしたり事前調査が必要なため、「すこしお時間をいただきたい」と申し出る場面などが挙げられます。

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もちろん、相手が昵懇の間柄であれば「ちょっと時間をくれる?」、「少し待ってほしいんだが」などと、くだけて直接的に言うこともできます。

しかし、大切な顧客などの要請に対して、会社を代表して正式な回答を準備する場合では、やはり「しばらくご猶予いただけますでしょうか」と、丁寧にお願いする必要があるでしょう。

ビジネス文書でも、納期の延長や作業の遅れなどをおわびする際には、「心ならずもご猶予をいただく形となり、まことに申し訳ございません」と丁重に表記するのがマナーだといえます。

ただし「ご猶予」は、何度も使ってよい言葉とはいえません。

前段で述べたとおり、この語は元来「ぐずぐずと決められない」という意味を持ちます。

相手との信頼関係を保つためにも、返答待ちや繰り延べをお願いする際はできれば一度だけの使用とし、そのときにも併せて、返答期日や延期の日数を可能な限り明示すべきなのは言うまでもありません。

 

「心ならずも」の意味と使い方は?類語や例文を教えて?

「ご猶予」の類語や例文は?

最後に「ご猶予」の類語や例文を見ていきましょう。

「ご猶予」の類語としては次のようなものが挙げられます。

 
◆類語

  • お繰り延べ
  • 見合わせる
  • お時間を頂戴する
  • 日延べさせて(いただく=以下同)
  • 保留にさせて~
  • 持ち越させて~
  • 持ち帰らせて~
  • 先送りにさせて~

 

「ご猶予」や「猶予」の例文には次のようなものがあります。

 
◆例文

  • 一度持ち帰って検討させていただきますので、ご返事までには少しご猶予をいただけますと幸いです。
  • 資金の用立てに時間がかかっております。恐縮ですがお支払いは、あと数日ご猶予いただけないでしょうか。
  • 被告に執行猶予が言い渡された。
  • 一刻の猶予も許されない状況だ。

 

「ご猶予」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

類語や例文を知ることでより一層、その言葉の理解が深まると思うので是非、参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ご猶予」詳しい意味や正しい使い方、そして類語や例文について詳しくご紹介しました。

主にビジネスシーンで活用する場合が多いので、仕事で使う場合は是非、参考にしてみてくださいね。

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