ビジネスシーンの文書などで「ご清栄のこととお慶び申し上げます」という表現を目にしたことがあるかと思います。
「ご清栄」と「ご健勝」など似たような言葉もよく使われますが、どのような意味があるのかも気になってしまうと思います。
そんな本日は「ご清栄」の詳しい意味と正しい使い方、そして「ご健勝」との違いと使い分け方について詳しく解説していきたいと思います。
「ご清栄」の意味と使い方は?
まずは、「ご清栄」の意味と使い方について見ていきましょう。
「ご清栄(せいえい)」は手紙などで用いるあいさつで、相手の健康や幸せ、発展と繁栄を祝ったり願ったりする表現です。
個人宛でなく、企業や組織などの団体に対して使う言葉であり、ビジネス文書においては、冒頭のあいさつでよく目にする表現方法だと思います。
きよらかで澄んでいることを意味する「清」と、さかえて名声が高いことを表す「栄」の組み合わせです。
「ご清栄」は、ビジネスレターなど企業間で使える定番のあいさつのひとつと言えますね。
「ご清栄」の類語と例文を教えて?
次に「ご清栄」の類語をご紹介します。
いずれも相手の健康や繁栄を願うあいさつで用いる言葉ですが、少しずつ意味が異なります。
◆類語
- ご健勝(けんしょう)
- ご多幸
- ご清祥(せいしょう)
これらは相手の健康や幸せを願う言葉で個人に対して使います。
◆類語
- ご盛栄(せいえい)
- ご繁栄
- ご発展
- ご隆昌(りゅうしょう)
これらは会社や組織の繁栄、商売繁盛を表す言葉で企業間や組織、団体に対して使います。
他に「ご活躍」なども仲間の言葉と言えますね。
「ご活躍」は個人に対して使いますが、目上の人には失礼にあたるため控えましょう。
では「ご清栄」を使った例文を見ていきましょう。
◆例文
- 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
- 拝啓 師走の候、貴社におかれましては、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
類語の例文も確認しておきましょう。
◆例文
- 〇〇様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
- ご家族皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
- 盛夏の候、貴社ますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
- 貴店のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
- 末筆ながら、〇〇グループ様の一層のご隆昌をお祈りいたします。
- 〇〇さんのますますのご活躍を期待しております。
ちなみに「お慶び」は「お喜び」をさらに丁寧にした表現です。
特別にかしこまった場面でなければ「お喜び」を使ってもさしつかえありません。
「ご健勝」との違いと使い分け方は?
最後に「ご清栄」と「ご健勝」の違いや使い分け方について見ていきましょう。
「健勝」とはすこやかで元気であることを意味します。
「ご健勝をお祈りいたします」と言うと、相手の健康を気遣い、願う表現になり個人に対して使う言葉で、目上の人にも使えますね。
「ご清栄」は健康だけでなく組織の繁栄も喜び、願う言葉で、個人でなく企業間や組織、団体に対して使う言葉です。
ちなみに「ご健勝」と似た言葉に「ご清祥」があります。
こちらは、相手の健康に加えて幸せも願う表現で、文書において個人に対して使います。
相手の幸せや発展を願う時、ビジネスシーン特有の表現がたくさんあります。
一見、似たような言葉でも、いつどれを使っても良いというわけではありません。
言葉の意味や使い方のバリエーションを知って、個人でも会社でも、適切な対応をしたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご清栄」の詳しい意味と正しい使い方、そして「ご健勝」との違いや使い分け方について詳しくご紹介しました。
日本語には同じような意味合いを持つ表現方法がたくさんあるのでその都度、使う場面や場所、使う相手をしっかりと見極めて正しい表現方法で伝えたいものですね。
使う言葉ひとつで相手に不快な気分にさせてしまうこともあるので普段から表現方法に関しては理解を深めておきたいものです。
あとは言葉を使う相手の年代も関係してくるので細かいことですが、そういう場合も正しい敬語を使いたいですよね。