ビジネスシーンなどでよく活用する「了解しました」という言葉。
特に上司や目上の方から仕事を頼まれたときなどに「了解しました」と返事をする方が多いんじゃないかと思います。
普段、何気なく活用している「了解しました」ですが、その使い方は本当に正しいものなのでしょうか。
そんな本日は「了解しました」は敬語なのか、そして上司や目上の人にメールで使うのは失礼にあたるのかについて詳しく解説したいと思います。
「了解しました」は敬語なの?気になる使い方は?
まず最初に「了解しました」という表現方法は敬語なのか、正しい使い方について見ていきましょう。
「了解しました」という言葉は、「了解」という承諾を表す熟語を丁寧に述べた表現です。
「了解」の「了」は、子供の「子」の字のうち横棒が取れた形になっています。
これはそもそもは、「動物の足がもつれて伸びないさま」を表現したとされます。
あるいは「糸がもつれること」を示すともいわれます。
「あるものがもつれるようにまとまる、一体になる」ということから、「会得する」、「悟る」といった意味合いを示すようになったようです。
一方「了解」の「解」は、比較的分かりやすい会意文字になっています。
すなわち「角」、「刀」、「牛」という三つの字が組み合わさっている形だからです。
これらの字の通り、「解」は「牛の角を刀で解き放つ」、あるいは「刀でばらばらに放つ」といった意味を表します。
こうしたことから「了解」は、「事情を思いやって理解すること、納得すること」、「承諾し、いきさつを飲み込むこと」といった意味となります。
つまり「相手の考えや事情を分かった上で、申し出などを認める」というニュアンスがある言葉です。
この意味が転じて、現代では無線での通信や電話、あるいは緊急時などのやり取りで、メッセージを受け取ったことを確認する合図や表現として使われる場合も多くなりました。
短くて発音しやすく、聞き取りも容易であることから、「ただちに出動せよ!」「了解!」といった掛け合いで用いやすいためです。
「了解しました」は一見丁寧語の形ではありますが、こうした軍隊などでの「命令口調」のやり取りのイメージが強いためか、さほど「敬語表現」という印象がありません。
ビジネスや日常生活では、一般的には、同僚同士の事務連絡などで、簡略な承諾を確認する用法が多いといえるでしょう。
外部の顧客や、目上の人からの依頼を受けた際に行う返答としては、あまり適切ではありません。
「了解しました」の類語と例文を教えて?
次に「了解しました」の類語と例文について見ていきましょう。
「了解しました」の類語にとしては次のようなものが挙げられます。
◆類語
- 承知しました(以下、同じ)
- 承諾
- 了承
- 納得
- 理解
- 同意
- 諒解
- 会得
などがありますね。
あるいは「分かりました」や、くだけた言い方では「はい」、「OKです」、「合点だ」、「任せといてください」などもあります。
「了解しました」の例文には次のようなものがあります。
◆例文
- お申し出の件は、確かに了解しました。
- そうした事情があることは、一応了解しました。
- 災害緊急連絡をすぐ始める件、了解しました。
「了解しました」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
目上の人や上司に「了解しました」という言葉をメールで使うのは失礼?
最後に目上の人や上司に対して「了解しました」という言葉をメールで使うのは失礼にあたるのかを調べてみました。
「了解しました」はビジネスシーンでは、主に社内での事務連絡などの際に、端的に用件を伝え合い、確認する場面などで使用する言葉だといえるでしょう。
電話やメールでも同様です。
このため、社外の人、取引先や顧客などに対して、あるいは目上の方や立場が上の人に向けては、「失礼に当たる」とまでは言えないまでも、あまり使用するのは適切ではありません。
そうした方へメールや電話で承諾したことを伝える際には、「承知しました」、「うけたまわりました」、「よく分かりました」などに言い換えることがふさわしいでしょう。
また相手に承諾を求める場合でも「ご了解ください」より「ご了承ください」、「ご理解ください」などの方が丁寧な印象となります。
なお「了解です」は敬語としては適切ではありません。
語尾を「~いたしました」にするとやや丁寧にはなりますが、やはり目上の方などに対しては「承知いたしました」などに言い換えることが無難です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「了解しました」という表現方法は敬語にあたるのか、そして目上の方や上司にメールで使うのは失礼にあたるのかについて詳しくご紹介しました。
一見すると「了解しました」は敬語として正しい表現方法ではないのかと錯覚しがちですが、社外の人に使う場合は少し気をつけた方がいいですね。
使う場面や使う相手をしっかりと見極めて、正しい表現方法で相手に誤解のないように伝えたいものです。