勉強している生徒

私生活の中でよく「もちろん」という言葉を使う機会があると思います。

無意識に使っている場合などもあるので、詳しい意味や正しい使い方をしているのかとても気になってしまいますよね。

ビジネスシーンなどで上司や目上の人に対して「もちろんです。」と受け答えしても失礼に当たらないのかも気になります。

そんな本日は「もちろん」の意味と目上や上司に対して使う場合の注意点や言い換え方について詳しく解説したいと思います。

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「もちろん」の意味と使い方は?

まず最初に「もちろん」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。

「もちろん」という言葉は、後に続く文を修飾し、強調する副詞です。

「もちろん」は漢字で書くと「勿論」となり、この「勿論」は漢語から由来していると考えられる表現です。

漢語の「勿論」を訓読みで読み下すと、「論ずる勿れ」となります。

「勿れ」はこの場合「なかれ」と読みます。

「勿」という字は、そもそもは「禁止」や「否定」を表す意味を持っています。

熟語では下に続く字を否定する形となります。

「論ずる勿れ」とは、すなわち「議論をすることはない」という意味になります。

このことから、「もちろん」「理由にするまでもなく」、「問題なく」、あるいは「当然」「むろん」という意味合いを示す副詞だといえます。

言い換えれば、ある場面で話題や議論になっている題材について、「すでに結論は決まっている、話すまでもないことだ」と、やや決然とした気持ちを相手に示す言い方だといえるでしょう。

あるいは「ものごとの状態や性質が、あえて言及するまでもないほどに明らかであり、自明のことである」という状況を指す語でもあります。

例文を挙げれば「原因はもちろん分かっている」、「彼は英語はもちろん中国語も得意だ」などです。

「勿論」の読み方についても触れておきましょう。

「論」は音読みの「ろん」ですが、「勿」はこの場合は「もち」と発音します。

これは日本語の「呉音」という読み方によるものです。

呉音とは漢字の音読みの一種です。

呉音は、漢音以前に中国から伝わった漢字の読み方で、奈良時代以前からあるとされています。

日本では古くから、仏教経典の読み方に多く用いられた音で、例示すれば「人」は「にん」と、「生」は「しょう」などと読みます。

ちなみに「人」を「じん」、「生」を「せい」と読むのは漢音になります。

「もちろん」の類義語と敬語を教えて?

次に「もちろん」の類義語と敬語について見ていきましょう。

「もちろん」の類義語には次のようなものがあります。

 
◆類義語

  • 当然ながら
  • もとより
  • ましてや
  • 無論
  • 至極当たり前
  • 論を俟たない
  • 言をまたない
  • 言わずもがな
  • 言わずと知れた
  • 自明の理
  • 決まっている
  • アタボウよ

 

などがありますね。

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ちなみに「もちろん」の漢字表記「勿論」と「無論」は似ていますが、前者は会話から文章まで幅広く使われるのに対して、「無論」はややあらたまった言い方で、主には公の場の議論や文章上で見られる表現です。

「もちろん」は副詞ですので、それ自体に敬語としての機能や表現は持ち合わせません。

「もちろんです」、「もちろんでございます」などと、語尾に丁寧語をつくる接頭辞を付加することもありますが、これは、相手が受ける語感からして敬語表現とは言いがたいといえます。

そもそも、他者との会話や議論の中で、「そんなことは話すまでもなく、当たり前だ」という趣旨を述べること自体が、相手の考えを尊重していない言い方と受け取られ、失礼に当たります。

あえて「もちろん」と類似の表現を敬語で述べるとすれば、「おっしゃるとおりかと存じます」などになるでしょう。

 

「なるほど」の意味と使い方は?お客様や上司に使うと失礼な理由を調査!

目上の人に「もちろん」を使う場合の注意点と言い換え方は?

ビジネスシーンの画像

最後にビジネスの場で目上の人や上司に「もちろん」という言葉を使う場合の注意点や言い換え方について見ていきましょう。

前述したように、「もちろん」は相手の話やその場の話題について「当然のことだ」と、やや突き放したような語感を与える言葉です。

このため目上の人や、顧客、先生など、敬うべき立場の人に対しては、使い方には注意が必要です。

場合によっては「あなたに言われなくても分かっている」などと、上から目線であったり、横柄な印象に受け取られかねないためです。

目上の人に対してのみならず、一般的な会話の中でも、相手の意見は基本的に尊重するのが円滑な人間関係に資する態度だといえます。

言い換えるとすれば、相手の言い分を肯定する場合は「おっしゃる通りです」、「よく承知しております」、「遺漏なく準備しております」、「十分わきまえております」などが適切でしょう。

また、宴会などへの出欠を尋ねられたような際に「もちろん行きます」と答えるよりも、できれば「喜んでうかがいます」、「ぜひ出席させてください」などの方が望ましいといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「もちろん」意味や使い方、そしてビジネスの場で目上の人や上司に使う場合の注意点と言い換え方について詳しくご紹介しました。

相手に対して「当たり前だ」という意味合いをもっている表現方法なのでビジネスの場で上司や目上の人に使う場合には少し注意した方がいいですね。

上司や目上の人に対しては「おっしゃる通りです。」「よく承知しております。」などと受け答えしておく方がギクシャクしないで済みます。

使う言葉ひとつ間違えるだけで相手に対して不快な気分にさせてしまう場合もあるので、言葉のチョイスは慎重にならないといけません。

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