普段、生活している中でみなさんは「お含みおき」という言葉を使ったり聞いたりしますか?
「お含みおき」と聞いてどんな場面で活用する言葉なのかあまり理解できてない人もいるかと思います。
そんな本日は「お含みおき」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文について詳しく解説していきたいと思います。
「お含みおき」の意味と使い方は?
まず、最初に「お含みおき」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「お含みおき」は「含みおく」の丁寧語です。
「含みおく」は「含む」という動詞と「おく」という助動詞が連なった成り立ちになっています。
「含む」は「あるものの中に別のものが入っている」という意味のほか、「内側に包み込むようにして持つ」という意味合いがあります。
前者は外から見て分かる場合の表現で、例えば「憂いを含んだまなざし」などと使います。
後者は外からは見えないか、徐々に見えてくるもの、という状況に当てはまります。
「彼にはなにか、含むところがあるようだ」といった用法です。
「おく」は漢字で「置く」と書き、補助動詞としてはその状態を継続させる、という働きをします。
例えば「据え置く」、「捨て置く」といった用法です。
「含みおく」は含んだ状態を続ける、ということになります。
こうしたことから「お含みおき」は、ある見えない、知られていない事情などについて、実は背景にそれがあることを内々に察して理解する際の丁寧な表現だといえます。
丁寧とはいえ、実際に使われる場合は、「お含みおきください」と相手に念を押したり、物事を頼んだりする言い方がほとんどです。
あることを行う条件として、今は知らないかもしれないが、背景には事情があることを理解しておいてほしい、と依頼する表現だともいえます。
ビジネスシーンで「お含みおき」を使用する場合では、「今後の状況によっては、計画などの前提や環境が変わりうる」と、相手に予告する、といったニュアンスがあります。
ただし、このケースでは、顧客や取引先などに対して「警告」、あるいは「条件追加」といったネガティブな印象を与えかねませんので、文書などでは気を付けて使う必要があります。
「お含みおき」の類語と例文は?
次に「お含みおき」の類語と例文を見ていきましょう。
「お含みおき」の類語には次のようなものがあります。
◆類語
- ご承知おきください
- お察しください
- ご了解ください
- ご了承ください
「お含みおき」の類語は以上となります。
続いては「お含みおき」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- いろいろと込み入った事情があることも、一応お含みおきください。
- 途中解約されても、お支払い後はご返金できませんので、あらかじめお含みおきください。
- 今後の経済状況によっては、利率が変更される場合があることをお含みおきください。
「お含みおき」の例文は以上となります。
もし、「お含みおき」という言葉を活用するときは例文を参考に使ってみてください。
「お含みおき」の言い換え方を教えて!
最後に「お含みおき」の言い換え方について見ていきましょう!
「お含みおき」は表面上は丁寧語ではありますが、日本語に数多くある丁寧表現の中でも、言い換えが難しい言葉の一つといえるでしょう。
言い換える言葉としては、、
- ご承知おきください
- ご了承ください
- ご理解ください
- ご納得いただきたい
などがあります。
真っ先に頭に浮かぶのは「ご承知おき」ですが、「お含みおき」とは微妙にニュアンスが異なるので注意が必要です。
「お含みおき」は比較的柔らかい語感が感じられる言い方です。
これに対し、「ご承知おき」はやや硬いイメージがあります。
それは「承知」という言葉が、「もろもろの事情を理解した上で引き受ける」という意味合いを持つからです。
ビジネス文書などで「ご承知おきください」と言うと、依頼するというよりも、ライバル関係にある企業や立場が弱い相手に対し、注意事項を事前に申し渡すといった意味合いが強くなります。
「法的措置を検討する可能性があることも、ご承知おきください」というような表現です。
「お含みおき」ですとこれよりソフトではありますが、前述のように使い方によっては、やはり警告のような印象も与えます。
「一応念押ししたので、仮に現実になっても後で文句は言わないように」といった感覚です。
このため、何か相手にマイナスな情報を伝える場合は、例えば「まことに恐縮ですが悪天候の場合は中止となりますことを、何卒ご理解くださいますようお願いいたします」のような表現のほうが望ましいといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「お含みおき」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文について詳しくご紹介しました。
ビジネスシーンなどで活用する場合は是非、当サイトを参考にして正しい認識で相手に伝えるようにしてくださいね。