普段、「~だとしたら」「~だったら」という表現をよく使うと思います。
例えば「車だとしたら」や「車だったら」なんて使うことありますよね。私生活はもちろん、ビジネスシーンでも何気なく使っている言葉なのでそこまで深い意味を考えたことがありません。みなさんもきっと同じですよね?
そこで「~だとしたら」の意味と使い方、そして「~だったら」との違いや使い分け方を詳しくご紹介したいと思います。
「~だとしたら」の意味と使い方は?
まずはじめに「~だとしたら」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。
「~だとしたら」という語句は、「だ」という助動詞に、「としたら」という順接の仮定条件を表す表現を接続したものです。
助動詞「だ」は「である」が音変化したものとされます。
断定する意味、語調を強める意味などがあります。
「~としたら」は、接続詞「と」、動詞「する」の連用形の「し」、助動詞「たり」の未然形・仮定形「たら」から構成されています。
「~だとすれば」、「~ならば」も同じような用法になります。
いずれも口語的な使い方をされる表現です。
このようなことから、「~だとしたら」は、前段の文章について、「仮にそうであるとしたら」、「もし~であるとすると」といった仮定の意味合いを示します。
文例を示せば「週末が雨だとしたら、みんな外出しないかもしれないね」などとなります。
「~だとしたら」は「順接の仮定条件」ですので、この語句で一つの文や句を接続する際に、前段の文が後段の文の順当な理由や原因になっている必要があります。
例えば「材料が足りない。だから明日までには完成できない」の文中の「だから」という接続詞と似たような用法となるわけです。
通常予想されうる結果と異なる状態の文とを結びつける場合は、「逆接」といって「~ても」、「しかし」などで接続します。
「雨が降っても大会は決行する」といった用例です。
「~だとしたら」はそれ自体を接続詞的に用いる場合もあります。
文頭に置いて「だとしたら、彼の当選は確実だな」といったように用います。
この場合は、他者との会話などの中で、前の発言者の内容を順接に受け止めて、その場合は結果がこうなるだろう、という仮定を示すことが用いる際の条件となります。
「~だとしたら」「~だったら」の違いと使い分けは?
次に「~だとしたら」「~だったら」の違いと使い分けを見ていきましょう。
「~だったら」の意味と使い方!
「~だとしたら」の類似の表現に「~だったら」という言い方もあります。
「~だったら」も断定や強調の助動詞「だ」に完了の助動詞「た」の仮定形が接続されたものです。
「~たら」は「~といったら」が転じたものとの見方もあり、そこから「ったら」の形が一般化したとの説もあります。
「~だったら」は「~だとすれば」とほぼ同義であり、「もし~であるとしたら」、「仮に~ならば」という順接の仮定を示す言い方や、やはり文頭に置いて「だったら、君が行けばいいじゃないか」のような使い方もされます。
「~だとしたら・~だったら」はこのようにほぼ同じ意味合いとなりますが、語感的には「~だったら」の方がくだけた印象があり、「~だとしたら」がどちらかというと文章語的なのに比べ、「~だったら」は女性や子供などにも使われやすい言い方だといえるでしょう。
「~ったら」の使い方!
ちなみに「~ったら」という表現は名詞、動詞、形容詞などさまざまな品詞に接続し、軽い非難や軽蔑、親しみを込めて話題を提示したり、驚きの気持ちを示したり、あるいはじれったい気持ち、いらだちの心などを表現する際にも使われることがあります。
これらも主には女性的な口語表現とされています。
例えば「お父さんったら、なかなか起きないね」、「本当にうるさいったらないよ」、「あなたったら、本当に不器用ね」といった使い方です。
こうした用例からも、仮定表現の「~だったら」の方がやや日常的には平易に用いられる語句といえそうです。
「~だとしたら」「~だったら」の例文を教えて?
最後に「~だとしたら」「~だったら」の例文をご紹介しますね。
例文
「~だとしたら」、「~だったら」の例文としては、前述ご紹介のもの以外では次のようなものが挙げられます。
- 参加者が6人だとしたら、車が2台必要になるな
- あの驚き方が演技だとしたら、彼は相当な役者だ
- だとしたら、話は簡単だ
- 来週金曜日が休日だったら、7連休になるんだがね
- あなたが100億円の資産家だったら、お金を何に使いますか
- だったら今日は早く帰った方がいい
などがありますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「~だとしたら」の意味と使い方、そして「~だったら」との違いと使い分け方について詳しくご紹介しました。
おさらいをすると「~だとしたら」も「~だったら」も同じ意味合いを持つ言葉です。
ですが、使う相手や使われる相手によって言葉の印象が変わってくる表現方法ともいえます。
「~だとしたら」は丁寧に聞こえますし、相手への印象もよく伝わると思いますが「~だったら」という表現は少し幼さを感じさせてしまうかもしれません。
心を許している相手に使う分には問題ありませんが、職場などで使う場合は前者の「~だとしたら」を使いましょう!