普段、生活しているときに「放念」という言葉を聞いたり使ったりしたことはありますか?
「放念」という言葉はあまり聞き慣れない表現かもしれませんね。
そんな本日は「放念」という言葉の意味とビジネスシーンでの使い方、そして類語や例文を詳しく解説したいと思います。
「放念」の詳しい意味とは?
まず最初に「放念」の詳しい意味について見ていきましょう。
大丈夫だとは思いますが「放念」と書いて【ほうねん】と読みます。
「放念」の意味としましては、気にしないことや心配しないこと、忘れることです。
ほうっておく、自由にするという意味の「放」と、思いや考えを表す「念」の組み合わせから、思いを解放する、すなわち気にかけないという意味になります。
「ご放念ください」と言うと、気にしないでくださいと相手の気遣いをやんわり遠慮したり、忘れてほしい気持ちを丁寧に伝える表現になりますね。
ビジネスシーンで「放念」を正しく使うには?
次にビジネスシーンにおいて「放念」を正しく使うにはどうしたらいいのかご紹介したいと思います。
ビジネスシーンにおいて「気にしないでください」「忘れてください」を失礼にあたらないように表現したのが「ご放念ください」です。
主に電話やメールなどで使いますね。
目上の人やかしこまった場では「ご放念ください」だけでは、ややぶしつけに聞こえる可能性もあります。
「ご放念いただけますでしょうか」「ご放念くださいますようお願い申し上げます」などと言うと、より丁寧な敬語表現になります。
逆に「ご放念ください」という表現が少し堅い印象になってしまう状況なら、「どうかお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。」「先日の件はどうぞお忘れになってください」などと分かりやすい言葉で言い換えましょう。
相手に対する敬意は十分伝わりますし、相手との関係性や状況をふまえて、適切な言い方をしたいですね。
「放念」の類語と例文を教えて?
次に「放念」の類語をご紹介します。
◆類語
- 休心
- 放心
- 安心
- 安堵
- 胸をなでおろす
「放念」の類語をご紹介しましたが、気にかけないことや心配しないこと、不安が解消されることを表しますね。
「忘れる」「忘却」「洗い流す」「失念」「遺忘(いぼう)」「廃忘(もう)」忘れることを表す言葉も「放念」の仲間と言えます。
ちなみに「放念」は、「ご放念ください」のように相手に対して使う言葉なので、自分を主語にして「放念しておりました」とは言いません。
自分が忘れていた場合は「失念しておりました」を使います。
同様に「失念」は相手を主語にして「ご失念ください」などとは言いません。
似た意味を持つ言葉でも使い方が異なるので気をつけたいですね。
続いて「放念」を使った例文を見ていきましょう。
◆例文
- 本件については、どうぞご放念くださいますようお願い申し上げます。
- 皆元気に暮らしております。どうかご放念ください。
- 先日お送りした資料は変更が生じました。何とぞご放念ください。
類語の例文も確認しておきましょう。
◆例文
- 会合の日時を失念いたしました。おそれ入りますが再度教えていただけますか。
- プロジェクトは新しい担当にてしっかりと引き継ぎますので、ご安心ください。
- おかげさまですっかり快復いたしました。どうかご休心ください。
「放念」を使った例文と類語を使った例文をご紹介しました。
日常生活ではほとんど使われない、ビジネスシーン特有の言葉が日本語には数多くあります。
相手の気を損ねずに自分の思いを伝えることはとても大切ですよね。
ストレートな表現だけでなく、やわらかく、丁寧に気持ちを伝える言葉を身につけて、ビジネスを円滑に進めていきたいものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「放念」という言葉の意味とビジネスシーンにおいての正しい使い方、そして類語や例文について詳しくご紹介しました。
普段、あまり使ったり、聞きなれない言葉なのでしっかり頭に入れておきたいものです。
そして、自分で使う機会や使っている人がいたら正しい認識で理解するようにしましょう!