「邁進する」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?
よく「邁進する所存」という言葉を聞く機会がありますが、これにはどのような意味合いがあるのでしょうか。
ビジネスシーンなどでもよく活用される言葉なので理解を深めておきたいところですね。
そんな本日は「邁進する」の意味と使い方、そして上司に言い換えする場合の類語や同義語、例文について詳しく解説していきましょう。
「邁進する」の意味と使い方は?
まず最初に「邁進する」の意味と使い方について見ていきましょう。
「邁進する」という言葉は、「邁進」という名詞を動詞化した用法です。
「邁進」の読み方は「まいしん」ですね。
「邁」のつくりが「萬」のため、「まんしん」と読みそうになりますが、誤読しないよう注意が必要です。
「邁」は、「行く」、「過ぎゆく」や「努める」という意味を持つ字です。
また「進」は形声文字で、しんにょうと「隹」という部首から成り立っています。
しんにょうは元来「人が行くこと」を示すものです。
また「隹」は元の字では鳥の一種を示すとされます。
「隹」はまた「踏む」という意味を示すともいわれます。
こうしたことから、「進」は「跡を踏みながら前に行くこと」や、「鳥のように速く進むこと」を意味する漢字です。
よって「邁進」は「元気よく、ひたすら目的に向かって進むこと」、あるいは「どんなことにぶつかっても、恐れないで進むこと」を意味する言葉となります。
そして「邁進する」は、「このままどんどん、脇目も振らずまっしぐらに進んでいく」といった表現となるといえます。
「邁進する」は、あまり普段の友人や家族らとの会話などでは使われず、主にビジネスシーンや政治家の演説、スポーツなどでの決意表明といった場面で、「一生懸命にがんばります」という趣旨で述べられることが多い言い方です。
この意味で「邁進する」は、「精進する」という表現とも似ています。
「精進」とは本来は仏教用語で、「仏道修行に専心すること」や、「肉食を絶って菜食すること」を意味します。
「精進料理」とはこの後者の意味を示す言葉です。
「精進」はそもそもはサンスクリット語の「戦う」や「勇敢さ」の訳語とされ、転じて「苦しみに立ち向かう」といった用法で使われるようになりました。
前述のように「邁進する」は「猪突猛進に突き進む」という印象ですが、「精進する」は「自分の姿勢として、目の前の問題に一生懸命ひたむきに取り組む」といったニュアンスがこもります。
場面や状況に応じて、両方の言葉を使い分けるとよいでしょう。
「邁進する」の類語と例文は?
次に「邁進する」の類語と例文を見ていきましょう。
「邁進する」の類語には次のようなものがあります。
◆類語
- 前に進む
- 努力する
- 努める
- 頑張る
- 励む
- 精進する
- 精励する
- 懸命に取り組む
などがありますね。
「邁進する」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- 今後もご期待に添えるよう一路邁進いたします。
- 好業績にあぐらをかくことなく、これからも一層業務に邁進して参ります。
- 記録達成に邁進する所存ですので、ご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。
「邁進する」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
上司や目上の人に「邁進する」をいう表現を使う場合の注意点は?
最後に上司や目上の人に対して「邁進する」という言葉を使う場合の注意点についてご紹介したいと思います。
「邁進する」は、ビジネスシーンなどでは主に決意表明のあいさつとして、文章や口上で使われる表現です。
上司などを含めた会議など公の場でのあいさつや、目上の人、顧客などに対して使うことが多い言い方ですから、基本的には「邁進して参ります」や「邁進する所存です」といった、へりくだった表現にするのが適切といえます。
また相手に対して激励の意味で、「今後も邁進してください」と使う場合もあります。
ただし「邁進してください」や「邁進してほしい」では、立場が上の人から、部下や後輩などを励ます言葉というイメージになります。
目上の人に対して使う場合は「邁進なさるようお祈りします」や「ご健闘をお祈りします」といった敬語表現がふさわしいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「邁進する」の意味と正しい使い方、そして目上の人や上司に使う場合の注意点と類語、例文について詳しくご紹介しました。
主にビジネスシーンで使う表現方法なので、意味と使い方に関してはしっかりと頭に入れておきましょう。
上司に対して使う場合は”仕事に対して一生懸命、前進していきます”という意味合いがあり、決意表明でもある言葉なので正しく使いたいですね。