「ご愁傷様です」という表現方法はできることならあまり使いたくない言葉ですが、親しい人や知人などが亡くなってしまった時に使う表現方法だと思います。
普段から多用する言葉ではありませんが、どんな意味がある言葉なのかも気になりますよね。
そして「ご愁傷様です」といわれた時の返事や返し方、メールでの対応方法も困りませんか?特にビジネスの場において返事はどうしたらいいのか悩むと思います。
そんな本日は「ご愁傷様です」の意味と正しい使い方、そして返事や返し方、メールでの対応方法を詳しく解説したいと思います。
「ご愁傷様です」の意味と使い方は?
まず最初に「ご愁傷様です」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。
「ご愁傷様です」という語句は、「愁傷(しゅうしょう)」という名詞に、漢語を修飾する丁寧の接頭語「ご」を冠し、さらに名詞や形容詞の語幹に接続して、「~なこと」という意味を丁寧に示す接尾辞「様」、及び丁寧の終助詞「です」を語尾に付けた構成になっています。
「愁傷」の「愁」は会意文字、及び形声文字です。
「秋」と「心」で構成されています。
「秋」とは、「稲穂の先が茎の先端に垂れかかる」様子と、「燃え立つ炎」、そして「亀」からできています。
これは、古代の占いが亀の甲羅に火を近づけて行われたことを示します。
その亀は秋に捕獲され、秋は穀物の収穫シーズンでもあることから、この字は季節の秋を意味するようになったとされます。
ただし「愁」の場合の「秋」は「か細い鳴き声」を表すとされ、そこに「心=気持ち」が付いていることから「心が悲しくなる」、「泣きたくなる」といった意味合いを示すようです。
そして「傷」も会意文字、形声文字です。
にんべんは人を示し、つくりは「矢」と「太陽が地上に上がる」形を表すとされます。
ここから「傷」は矢を受けた人の「きず」や「いたみ」という意味合いを示し、「愁傷」の場合では、「心に受けたいたみ」といった含意となります。
このように「愁傷」は「嘆き悲しむことや、その悲しみ」を表す言葉です。
それを丁寧に、相手に対して述べる言い方が「ご愁傷様です」だといえます。
すなわち、「相手を気の毒に思うさま」を示す言い方であり、一般的には、知人や身内を失った人に対するお悔やみや、弔問のあいさつとしての定型的な語句でもあります。
ただ近年は「相手を気の毒に思う」という部分をもじって、相手に対して、失敗や境遇を軽くからかったり、皮肉ったりする意味を込めて用いる場合もあります。
例えば「休日出勤とはご愁傷様ですな」、「ご愁傷様、そんな嘘には引っかかりませんよ」といった言い方です。
しかし基本的には「ご愁傷様です」は葬儀などの場で、遺族に対して口上で述べるお悔やみのあいさつ、というのが一般的な用法です。
より丁寧に「このたびは、誠にご愁傷様でございます」と表現することもあります。
「ご愁傷様です」と言われた場合の返事の返し方は?
次に「ご愁傷様です」といわれた時の返事の返し方を見ていきましょう。
では遺族の側として、弔問客から「ご愁傷様です」とあいさつを受けた場合の返事は、どのようにすればいいのでしょうか。
弔問の相手から、遺族の心労や身を案じてかけられる言葉が「ご愁傷様です」ですので、それに対しては「恐れ入ります」、「ご丁寧にありがとうございます」、「痛み入ります」などの語句が返事としては適切でしょう。
特にビジネス関係の顧客や上司、恩師といった目上の方、あるいは遠方からわざわざ訪れてくれた方などに対しては、「故人の生前にはひとかたならぬお世話になりました」といった感謝の気持ちを言い添えて、丁重に言葉を返すのがマナーだといえます。
「ご愁傷様です」のメールでの対応方法も教えて?
最後に「ご愁傷様です」をメールで使う場合の注意点や対応方法をご紹介します。
知人の訃報、そしてお通夜や告別式といった葬儀の連絡を受けた際には、遠方であることや日程の都合などから弔問できない場合も少なくありません。
そうしたケースでは、故人との関係にもよりますが、一般には弔電を打ったり、香典を同封して手紙を送ることが多いといえます。
ただ、最近はメールでお悔やみを伝える例も増えているようです。
その場合は「ご愁傷様です」は使用してもかまわないのでしょうか。
原則として、「ご愁傷様です」は葬儀の場に弔問した場合に、直接口上で伝える言い方です。
このためあまりメールでは書かない方が無難といえます。
メールや書面でお悔やみを伝える場合は、時候のあいさつなどは省き、最初から「お悔やみ申し上げます」と始めます。
件名でお悔やみを表す形式でもよいでしょう。
そして本文では「御尊父様のご逝去の報に接し、急なことで大変驚いております」などと哀悼の言葉を連ねます。
ビジネスメールでも「御社○○様のご逝去の報に接し、驚きと悲しみに堪えません。ご生前は格別のご厚情を賜り、今日の弊社がありますのもひとえに○○様のお陰だと感謝いたしております」などと、丁重に書きます。
文面では、弔問に行けないことのお詫びや、社内や遺族へのいたわりの言葉も添えることも大切です。
なお、お悔やみのメールではくだけた表現や絵文字などは不適切です。
また、いたずらに死因や故人の事情を尋ねたり、遺族をやたら励ましたりする表現も失礼に当たります。
「重ね言葉」などの禁句にも注意しながら、不謹慎ではない内容を心がけることが重要でしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ご愁傷様です」の意味と正しい使い方、そして返事や返し方、メールでの対応方法や注意点について詳しくご紹介しました。
「ご愁傷様です」といわれた場合の返し方は「恐れ入ります」や「ご丁寧にありがとうございます」と返答するのがベストだと思います。
ビジネスの場で「ご愁傷様です」とメールのやり取りをする場合は相手に誤解や失礼がないように注意しましょう。