皆さんも「つまらないものですが」と言いながら、手土産を手渡す様子を見たことがあるかと思います。
私も子供の頃に自分の親が第三者に「つまらないものですが」と言って手土産を渡している様子を見て、子供心に何を言っているんだろうと不思議に思った記憶がありますね(笑)ですが、大人になって分かったことは、真心をこめて選んだ品物を「つまらないもの」として扱うのは、日本人の謙虚さのあらわれということでした。
さらに「つまらないものをわざわざ渡すなんて」と言う冗談をきいたことはありませんか。その冗談のせいか「つまらないものですが」と言って手土産を渡すのは好ましくないとも言われます。
そこで今回は「つまらないものですが」の意味や使い方、言い換え方や別の言い方、そして例文を紹介します。
「つまらないものですが」の意味や使い方は?
まず最初に、「つまらないものですが」の意味と使い方について見ていきましょう。
「つまらないものですが」にこめられた気持ちについては、新渡戸稲造さんが彼の著書「武士道」で解説しています。
「つまらないものですが」の前には前置きがあるのです。
それは「良い品物なのですが、素晴らしいあなたからすると」という前置きです。
つまり日本で使われる「つまらないものですが」というフレーズは、つまらないものを渡しているつもりなど全くないということですね。
むしろ「これは良い品物である」ということが前提となっています。
ただ、日本人は「これは本当に良いものですよ」と言うと「素晴らしいものを贈れる自分の目は肥えている」と受け取られてしまう不安があったようです。
そこで「つまらないものですが」を使い、相手を敬う言い方にしたというわけです。
昔からの日本人の謙虚さと相手を敬う気持ちがとてもよく言葉に現れている表現だと思いますね。
「つまらないものですが」の言い換え方や別の言い方は?
次に「つまらないものですが」の言い換え方や別の言い方について詳しく見ていきましょう。
ではまず「つまらないものですが」の言い換え方を5つ紹介します。
■言い換え
- ほんの気持ちの品ですが
- 気持ちばかりのものですが
- 粗品ですが
- ささやかなものですが
- 大したものではありませんが
上記のフレーズは、文中の「つまらないものですが」とそっくりそのまま入れ換えることができますね。
そのまま入れ替えることはできませんが「ご笑納ください」も「立派なものではないけれど、笑って受けとってください」といった意味合いです。
次に「つまらないものですが」という類以外で、贈り物をするときにそえられる言葉を5つ紹介します。
■別の言い方
- お気に召していただけると嬉しいのですが
- お近づきのしるしです
- お祝いの気持ちです
- お礼の気持ちです
- お好きだと伺いましたので
上記のフレーズは贈るものや贈る理由に合わせて選ばなければいけませんね。
いろんなシーンで活用できるのでその都度、しっかりと見極めて使うようにしましょう。
「つまらないものですが」の例文をチェック!
続いては「つまらないものですが」を使った例文を5つ紹介します。
■例文
- つまらないものですがご笑納ください。
- お近づきのしるしにつまらないものですがお受け取りください。
- 隣に越してきたものです。つまらないものですがこちらをどうぞ。
- 旅行から帰ってきました。つまらないものですがお土産です。
- 手伝ってくれてありがとう。つまらないものだけどこれ、お礼だよ。
「つまらないものですが」の例文をご紹介しましたが、いろんな場面で使えるということが分かったと思います。
目上の人や上司、さらに仲が良い友達、初対面の人などに使える言葉なのでしっかり頭に入れておきましょう!
ただ、毎度毎度「つまらないものですが~」と口癖のように言ってしまうと相手によっては不快な気持ちになる人もいるかもしれないのでそういう場合は言い換えたり、別の言い方で表現するようにしてください。
まとめ
「つまらないものですが」の意味や使い方、言い換え方や別の言い方、そして例文を紹介しましたが、いかがでしたか。
「つまらないものですが」は謙虚な言葉で、失礼にはあたらない言葉であることがおわかりいただけたことでしょう。
ただし、あまり好ましくないと思われていることも多いので、別の言い方をした方が無難かもしれませんね。
贈り物をするときは是非、この記事を参考にしてください。