ビジネスの場で「当該〇〇」という言葉を見聞きしたことはありませんか?
「該当」とあまり区別せず使っていることも多いかもしれません。パッと見た感じ「当該」と「該当」は似ているしあまり区別が付いていない人もいるかと思います。
そんな本日は、「当該」の詳しい意味と正しい使い方、「該当」との違いや使い分けについてご紹介したいと思います。
「当該」の意味と使い方は?
まずは、「当該」の意味と使い方について見ていきましょう。
一応、念のために読み方もお伝えしておくと【当該】と書いて【とうがい】と読みます。
これは大丈夫ですよね。
次に意味を説明すると「当該」とは、それにあたる、話題になっている事柄を指し示す言葉になります。
「当」も「該」もあたる、あてはまるという意味を持ちます。
「当該」は、あの、その、この、などのように連体詞として使います。
連体詞とは、体言(名詞)を修飾する言葉で、活用しないでそのままの形で使う表現ですね。
「当該する」「当該した」などとは言わないのです。
例えば「当該月」「当該事件」「当該商品」のように使い、いずれも、条件にあてはまる〇〇、話題になっている〇〇という意味になります。
ちなみに「当該」を「その」で置き換えると、意味の通じる言葉ができます。
例えば「当該月には」=「その月には」、「当該事件の報告書」=「その事件の報告書」などです。
[aside type=”normal”]「当該」は日常会話ではあまり使われず、ビジネス文書など、かしこまった場で用いられることが多い表現です。
ビジネスシーンでよく活用する言葉と覚えておきましょう。[/aside]
「当該」の類語と例文は?
次に「当該」の類語と例文を見ていきましょう。
「当該」と似たような意味を持つ言葉には、どのようなものがあるのでしょうか。
下記にまとめておくのでチェックしてみましょう!
- あてはまる
- 件(くだん)の
- その
- 彼(か)の
- 例の
- 対象の
- 該当する
など、いずれも一定の条件や話題にあてはまることを意味する表現です。
「マッチする」「渦中の」なども「当該」の仲間の言葉と言えます。
「当該」の示すものが人物であれば「当人」「当事者」「対象者」、物であれば「当商品」「対象商品」などと言い換えることもできますね。
では「当該」の例文を見ていきましょう。
■例文
- 当該商品は予想を超えるご注文をいただき、おかげさまで完売となりました。
- 当該列車は急行のため、〇〇駅と△△駅には停車せず通過します。
- 当該地域の住民は、以下に述べる施設を主に利用している。
- 当該月には定例の会議にご出席をお願いいたします。
類語の例文もあわせてご紹介します。
■類語の例文
- 例の件はその後どうなりましたか?
- 彼の(かの)有名な音楽家をご存知ですか?
- これらの項目にあてはまる受験者は、係までご連絡をお願いいたします。
- 当人が自分の言葉で説明するのが一番良いと思います。
- 対象の商品をお買い上げの皆様は、抽選に参加していただけます。
「当該」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
「当該」に関しては「当該○○」として使うと頭に入れておくと覚えやすいかもしれませんね。
とは言っても普段、生活している中で「当該○○」と表現することはあまりないのでそういう場合は類語に言い換えて使うといいでしょう。
「当該」と「該当」の違いや使い分けは?
単語の順番を入れ替えた「当該」と「該当」は、いずれも似たような意味で使われる単語ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
「該当」とは、その件や事例などにあてはまることです。
「する」「しない」を付けて、動詞として用いることがほとんどです。
具体的な例を使ってご紹介しますね。
■例文
- 該当する箇所にご捺印の上、ご郵送をお願いいたします。
- 該当する点を修正して、再度ご提出ください。
- 次の条件に該当しないお客様は、窓口までお申し出ください。
一方、「当該」は名詞の前に置いて活用しない言葉です。
「該当」のように「する」を付けて使うことはできません。
一見、似たようなふたつの言葉ですが、このように使い方が異なります。
「当該」と「該当」のように、日本語には順序を逆にして使える熟語が数多くありますね。
「対応」と「応対」、「議論」と「論議」なども其のひとつです。
ふたつの言葉の意味や使い方を詳しく調べてみると、意外な違いやルールがあったりします。
日本語は多様でおもしろい言語なので、いろいろな言葉を知り、楽しくコミュニケーションをしていきたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「当該」の意味と正しい使い方、そして類語や例文、さらに「該当」との違いや使い分け方について詳しくご紹介しました。
一見、同じ漢字を使っているし、言葉の意味も同じだろうと思って間違って使ってしまうと恥をかいてしまうかもしれませんよ。
でも、こちらの記事を読んでいれば間違うことはないと思うので安心ですね!
「当該」と「該当」の使い方は既にバッチリだと思います。