いろいろなきらめき

普段、久しぶりに会った人に対して「しばらくぶり」「しばらくぶりです」と言いますよね。

「しばらくぶり」という挨拶の仕方は目上の人や上司の人などに使っても大丈夫な言葉なのかも気になりませんか?

敬語として成立する言葉なのか気になってしまいます。

そんな本日は「しばらくぶり」の意味と使い方、そして敬語や類語、例文について詳しく解説したいと思います。

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「しばらくぶり」の意味と使い方は?

まず最初に「しばらくぶり」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。

「しばらくぶり」という表現は、「しばらく」という副詞に「~ぶり」という接尾辞が付いた形になっている名詞です。

形容動詞的に「しばらくぶりに」、「しばらくぶりの」などのように使われることもあります。

漢字では「暫く振り」と書きます。

「しばらく」という副詞は、古語の「しまらく」が音変化をしたものと考えられます。

「しまらく」は上代に使われた古い言葉で、万葉集にも「しまらくは寝つつもあらむを」(少しの間は寝続けていたいのに)と用例が見えます。

「しばらく」は平安時代に、主として漢文訓読に用いられた語で、和文では「しばし」のほうが一般に用いられたようです。

しかし現代では「すぐではないが、あまり時間がかからないさま」「少しの間」を示す言い方として「しばらく」が多く使用されます。

また「時間的にある程度長く続くさま」や「当分」という意味合いでも使われます。

これらの用例としては「しばらくお待ちください」、「好天はしばらく続くだろう」などが挙げられます。

また「~ぶり」とは、時間を表す語の後に付いて「再び同じ状態が現れるまでに、それだけの時間が経過した」ことを表す言い方です。

「十年振りに日本の土を踏む」といった使い方です。

このように「しばらくぶり」とは、「再び同じことになるまでに、かなりの時間を経ていること」を意味する語句だと言えます。

「しばらくぶり」を使う場合には、前述の由来から、まず対象の人に「長い時間会っていないこと」が前提となります。

さらにその「再び同じ状況になるまでの長い時間」自体を指し示すこともあります。

このため二、三日前に会ったような人には通常使用しません。

「しばらくぶり」は会うだけではなく、手紙や電話などで連絡を取っていない時にも使われる表現でもあります。

ただし、ややくだけた印象がありますので、一般には友人や同輩、目下の関係の相手について使用し、目上の人や、立場などが上にある敬うべき相手には用いない方が無難だといえるでしょう。

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「しばらくぶり」を敬語で表現すると?

不躾なお願いをする男性

次に「しばらくぶり」を敬語で表現するとどうなるのでしょうか。

「しばらくぶり」を直接的に敬語表現にすると「しばらくぶりです」「しばらくぶりでございます」などとなるでしょう。

ただし、前述のように「しばらくぶり」は親しい関係における表現の一つですので、このままでは丁寧語ではあるものの、尊敬語とはいえません。

目上の人などへ向け、敬意を表する言い方にする場合には「ご無沙汰しております」が適切でしょう。

その上で、続けて「お変わりございませんか?」や「お元気ですか?」など、相手の体調や生活を気遣う言葉を付与するのも、マナーとして大切です。

ビジネスシーンなどで、数年ぶりにかつての顧客や仕事相手と再会したような場合には、「大変ご無沙汰いたしております。その節はまことにお世話になりました」などとあいさつするのが一般的だといえるでしょう。

「しばらくぶり」の類語と例文を教えて?

最後に「しばらくぶり」の類語と例文をご紹介したいと思います。

「しばらくぶり」の類語には次のようなものがあります。

 
◆類語

  • 久し振り
  • 久久(ひさびさ)
  • 久方振り(ひさかたぶり)
  • しばらく見ないうちに
  • 娑婆(しゃば)以来

 

などがありますね。

「娑婆以来」とはあまり聞き馴染みがありませんが、久しぶりに会ったときに使う古いあいさつの言葉です。

主として江戸時代に、遊び人仲間同士や、遊郭内で知人に出会ったときに用いられたようです。

 
「しばらくぶり」の例文には、次のようなものが挙げられます。

 
◆例文

  • 先日、しばらくぶりに学生時代の友人と会ったよ。
  • やれやれ、しばらくぶりの休日が台無しになった。
  • やっぱり、しばらくぶりの我が家の味はいいなぁ。
  • やあ、しばらくぶり。おととし以来だっけ?

 

「しばらくぶり」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「しばらくぶり」意味と正しい使い方、そして敬語や類語、例文について詳しくご紹介しました。

ご紹介したとおり「しばらくぶり」は親しい間柄で使う表現方法なので目上の人や立場が上の人に対しては「ご無沙汰しております」と丁寧に伝えましょう。

ビジネスシーンなどでは相手に誤解を招くような表現方法はなるべく使わず、正しい敬語で接するようにしましょうね。

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