自分のことを「小職は〜」と言っているのを聞いたことがありますか?
「小職」という言葉は自分自身のことを指します。
ドラマや小説などで見かけたことがある人もいれば、まったくの初耳という人も少なくないのではないでしょうか。実際のビジネスシーンにおいてどのように使われる言葉なのか、気になる人も多いかと思います。
そんな本日は「小職」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や女性が使う場合の注意点について見ていきたいと思います。
「小職」の意味と使い方は?
まずは、「小職」の意味と使い方について解説していきましょう!
その前に「小職」の読み方は大丈夫でしょうか?
「小職」は両文字とも音読みで「しょうしょく」と読みます。
低い官職のことや、その官職についている人が自分をへりくだって言う言葉です。
もともとは官吏の職=国家公務員が使う言葉でしたが、次第に民間でも使われるようになりました。
「小」という字からも推測できるように、「取るに足らない職の私ですが」と、役職を持っている人が自分を謙遜して表現した語ということになりますね。
場合によっては少しおおげさな、嫌味のように聞こえてしまうおそれもあるかもしれません。
へりくだる一人称のため、新入社員や若手社員が使うにはふさわしくない言葉です。
友人同士など、ビジネス以外の場でも使わない表現といえます。
また、「小職」は個人を表す一人称のため、会社としての一人称は「弊社」などを使います。
ちなみに「小職」を「こじょく」と読むと、見習い弟子の意味やわずかな様子という、まったく別の言葉になってしまうので気をつけましょう。
「小職」の類語と例文は?
それでは小職に似た意味を持つ言葉は、どのようなものがあるのでしょうか?
小職の類語をいくつかまとめておきますね。
■類語
- 当職
- 本職
- 本官
- 当方
これらはいずれも、仕事において自分を示す一人称です。
特にへりくだった姿勢は含んでいません。
日常ではあまり使いませんが、「拙者」「不肖」「愚生」なども広く関連語として挙げられます。
次に「小職」を使った例文をご紹介しましょう。
■例文
- この企画について、小職はこのように思いますがいかがでしょうか?
- ご不明な点は小職までお問い合わせください。
- 小職がご案内しますので、窓口までお越しいただけますでしょうか。
- このたび小職は東京本社に異動になりました。
- まだ未熟な小職ですが、ご指導のほど宜しくお願いいたします。
ここでひとつ注意したい言葉があります。
それは「小生(しょうせい)」という言葉です。
小職と混同して使われてしまうことが多いのですが、このふたつの言葉には違いがあります。
「小職」がへりくだった一人称であるのに対して、「小生」は自分と同等または目下の人に対して使う一人称です。
目上の人やお客様には失礼にあたるため使いません。
主に手紙などで、男性のみが使う一人称です。
「小職」を女性が使う場合の注意点は?
最後に「小職」という言葉を女性が使う場合に注意しないといけない点はあるのでしょうか。
「小職」の言葉を使うのに男女の区別はなく、女性も使うことができます。
しかし少しかたい印象になってしまいますね。
あえて「小職」と言わなくても、シンプルに「私(わたし・わたくし)」と表現するほうがおすすめです。
相手が目上の人であっても、同等の立場や部下に対しても自然に使うことができます。
使いこなせると便利なビジネス用語ですが、無理に難しい言葉を使うと違和感を感じてしまうこともあるかもしれません。
コミュニケーションは状況によく気を配り、相手がどう感じるかをいちばんに考えて、快適な言葉選びをしたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「小職」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や女性が使う場合の注意点などについて詳しくご紹介しました。
普段、気軽に使う言葉としては少々、お堅い言葉という印象がありますし、女性が使う場合には少し違和感を感じてしまう人もいるかもしれません。
なのでビジネスシーンで女性が使う場合は「小職」ではなく「わたし」や「わたくし」を使うことがベストだと思いますね。
普段、使い慣れない言葉なだけにいきなり使われるとびっくりしてしまうと思いますが、言葉の意味や使い方だけでも知識として頭に入れておくと良いでしょう!