みなさんは普段、「周知」という言葉を見聞きしたり、使ったりしますか?
「周知」を使った言葉に「周知徹底」という言葉もありますが、どんな意味合いがある言葉なのか気になってしまいます。
その他、「周知する」「周知の通り」「周知の事実」なんて使い方もありますね。
そんな本日は「周知」の意味と正しい使い方、そして類義語や言い換え方、例文について詳しく解説したいと思います。
「周知」の意味と使い方は?
まず最初に「周知」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「周知」という言葉は、名詞ですが、通常は「周知する」と補助動詞をつけて、動詞として使う形が多い言い方です。
「周知」の「周」という漢字は、会意文字で、「用」と「口」を合わせた形になっています。
すなわち「口をよく用いて言葉を尽くす」といった意味を元来表すとされます。
あるいは別の説では、「田」と「口」を合わせたものであり、「田んぼの中に苗をいっぱいに行き渡らせた状況」を示すともいわれます。
こうした成り立ちですので、「周」は「細かく、広く行き渡る」や「あまねく」といった意味を示す字だといえます。
一方「知」は「矢」と「口」という字でできている会意文字です。
「矢のように早く口を言葉が出て行く」さまを表すとされます。
そこから転じて「心が明らかである」や「ものごとへの理解が素早く、言葉がすぐさま発せられる」という状態を表す漢字となりました。
「知」には「ズバリと真相に突き当たる」、「さとる」、「わきまえる」、「理解する、認める」といった意味合いもあります。
こうしたことから、「周知」は「広く知れ渡っていること」や「あまねく知らせること」を意味する言葉だといえます。
これを「周知する」と動詞化すると「幅広く知らせる」という行動を表すことになります。
「周知」の類義語と例文を知りたい!
次に「周知」の類義語と例文をご紹介したいと思います。
「周知」のうち、「あまねく知らせる」という意味の類義語には、次のようなものがあります。
◆類語
- 啓蒙
- 報知
- 通知
- 伝達
- アナウンス
- 告知
- 報告
- 案内
- 広報
- 報告
などがありますね。
また「広く行き渡る」という意味では「おなじみ」、「おおやけ」、「明るみ」なども挙げられます。
「周知」の例文としては次のようなものが列挙できるでしょう。
◆例文
- インフルエンザの予防のため、手洗いやうがいを励行するよう社内に周知した。
- ミスの再発防止策をただちに作成し、周知徹底を図らねばならない。
- 周知の通り、来月新会社が発足します。
- 喫煙が健康に悪いのは周知の事実だ。
「周知」の類語と例文をまとめてご紹介しました。
「周知」の言い換え方を教えて?
最後に「周知」の言い換え方をご紹介したいと思います。
「周知」を言い換える際に、その意味合いの上で、「知らせる」という点に主眼を置くならば、「お知らせ」、「連絡」、「告知」、「案内」、「アナウンス」といった言葉が対象となります。
「周知」という語は「周知徹底」、「周知の事実」などといった用法からも感じられる通り、やや堅いイメージもありますので、場合によっては言い換えたほうが適切といえるでしょう。
「送別会の日程を出席者に知らせる」、「祝賀行事の案内を送る」といったようなケースでは、「周知」よりも「お知らせ」、「ご案内」のような柔らかい表現のほうがなじむといえます。
また「周知」と誤用しやすい言葉としては、「衆知」という言い方があります。
パソコンなどでの変換候補でも上位にあるようですので、使用の際は注意が必要です。
「衆知」は「多くの人の知恵や知識」という意味の言葉で、例文としては「人々の衆知を結集する」などと使います。
「衆知の事実」といったように誤用しないことが大切です。
なお「周知」に関しては、「周知する」と「周知させる」の選択に迷うという声も聞きます。
「あまねく知らせる」という名詞の語義からすると、「~する」ではなく「~させる」という使役の表現のほうが適切ではないか、という見方によるものです。
しかし元来の言葉の意味からすると「周知」それ自体に使役の意味合いが含まれているわけですから、「周知する」で「広く知らせる」ということになると考えて差し支えありません。
「他人に依頼や指示をして、ものごとを広く知らしめる」、という用法であれば「周知させる」を使っても問題はないといえるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「周知」の意味と正しい使い方、そして類義語や例文、言い換え方について詳しくご紹介しました。
おさらいをすると「ものごとを広く知らしめる」「あまねく知らせること」といった意味合いがあります。
「周知」という言葉を使う機会がありましたら是非、参考にして頂けたらと思います。