みなさんは普段、「ご容赦ください」という言葉を使ったりしますか?
「ご容赦ください」という表現は、その漢字からもお詫びをしている様子が目に浮かぶ言葉だと思いますが、親しい間柄ではあまり使われることがないでしょう。
ではどのような場面にふさわしい言葉なのか、気になってしまいますよね。
そんな本日は「ご容赦ください」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文について解説していきたいと思います。
「ご容赦ください」の意味と使い方は?
まずは、「ご容赦ください」の意味と使い方について見てみましょう!
さすがに読み方は大丈夫だと思いますが一応、念のために「ご容赦ください」と書いて「ごようしゃください」と読みます。
「ご容赦ください」とは、間違いや失敗について相手に許しをもらいたいときの丁寧な表現です。
「容」も「容」も許すという意味を持つ漢字です。
「容赦」とは相手の過ちや失敗を許すこと、事情を考慮して手加減をするという意味になります。
正しい使い方としましては、相手に許して欲しい場合に使う言葉なので「ご容赦ください」と使うよりも「申し訳ございませんでした」と表現した方が伝わりやすいかもしれません。
ちなみに「申し訳ございませんでした」と「申し訳ありませんでした」は前者の方が相手に対してより丁寧で敬意を示していると言えます。
上司や目上の人に使う場合は「ご容赦ください」と表現するよりは「申し訳ございませんでした」と表現した方が伝わりやすいかもしれませんね。
もちろん上司や目上の人の年代にもよると思いますので、その都度見極めて使うと、語彙力のある人間と評価してもらえるかもしれません。
「ご了承ください」と「ご容赦ください」は意味合い的に似ていますが、「ご了承ください」と表現する場合にはこちらに非礼がない言葉になるので適切ではないと言えます。
この2つの違いや使い分け方についてはのちほど詳しくご紹介しますね。
「ご容赦ください」の類語と例文は?
それでは「ご容赦ください」の類語を見ていきましょう。
下記に3つの類語を紹介しておきます。
■類語
- お許しください
- ご勘弁ください
- お許しのほど
他には「ご海容ください」など、海のように広く大きな心で許してください、という表現もあります。
シンプルで誰にでも分かりやすい「お許しください」や少し堅い場での「ご勘弁ください」など、相手やシーンに応じて使い分けるといいですね。
先ほど、ご紹介した「申し訳ありませんでした」「申し訳ございませんでした」もシーンによって使い分けると良いでしょう。
「容赦」自体の同義語としては「勘弁」のほかに「堪忍」「恩赦」「酌量」「大目」「目こぼし」などが挙げられます。
次に具体的な例文をご紹介します。
■例文
- 本状と行き違いでご連絡をいただいた場合には、なにとぞご容赦ください。
- 突然ご連絡を差し上げた失礼をご容赦いただけますようお願い申し上げます。
- 今後このようなことがないように十分注意いたします。どうかご容赦のほどよろしくお願いいたします。
目上の人には「ご容赦くださいますようお願いいたします」「ご容赦のほどよろしくお願いいたします」などと言う方が、より敬意が伝わる表現になります。
「ご容赦ください」は「ご」が丁寧語の敬語ですが、「〜ください」は命令形のため、お願いごとをするにもかかわらず少し強い印象を与えてしまうからです。
では類語を使った例文もあわせてご紹介しましょう。
■類語を使った例文
- 長い間ごぶさたして恐れ入ります。ご勘弁ください。
- 乱筆乱文をお許しください。
- なにぶん配慮が行き届かず、ご不便をおかけしましたことをどうかお許しください。
「ご了承ください」との違いや使い分け方は?
先ほども少しご紹介しましたが「ご容赦ください」と「ご了承ください」の違いや使い分け方について詳しく見ていきましょう。
「ご容赦ください」と混同しやすい言葉に「ご了承ください」があります。
「ご了承ください」は、事情を理解して承諾してほしいという表現です。
間違いや失敗を前提にしていないのが「ご容赦ください」との違いです。
ちなみに「ご理解ください」もお詫びの意味を含まない、相手に事情を察してわかってほしいという表現です。
相手に認めてほしい気持ちを伝える場合は、対象となる内容や状況によって言葉を使い分けましょう。
相手が不快に感じない気配りをして、信頼関係を築くことが大切といえます。
「ご了承ください」の例文もご紹介します。
■例文
- 会場は混雑が予想されます。あらかじめご了承ください。
- 日程は変更になる場合があります。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
- 定員に達した場合は、受付を終了いたします。ご了承のほどよろしくお願いいたします。
似たような意味を持つ言葉でも、実にさまざまな表現があるのが日本語の豊かさといえるでしょう。
正しい言葉の使い方を知って、その場にふさわしい表現を身につけていきたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご容赦ください」の意味と使い方、そして類語や例文などについて詳しくご紹介しました。
「ご容赦ください」と「ご了承ください」の違いや使い分け方についても分かったと思いますので、日々の生活で使うシーンが訪れたら参考にしてみてください。