パソコンを打つのが早い

日々の生活の中で「拙速(せっそく)」という言葉を見聞きしたり使ったりしますでしょうか?

「拙速」の使い方として「拙速を尊ぶ」「拙速は巧遅に勝る」という言葉があります。

なにやら難しそうな言葉ですが「拙速」という言葉にはどのような意味合いがあり、そしてどんな場面で利用する言葉なのでしょうか。

そんな本日は「拙速」の意味と正しい使い方、そして類語や反対語、例文について詳しく解説したいと思います。

スポンサーリンク

「拙速」の意味と使い方は?

まず最初に「拙速」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。

「拙速」という言葉は「せっそく」と読みます。

これは名詞ですが、一般には「拙速だ」、「拙速な」のように形容動詞的に使われます。

「拙速」の「拙」という漢字は形声文字で、てへんがこの字の形を、「出」が音を表します。

「出」は「屈」と同じ意味であり、「ひっこむ」という意味を示します。

「手の技が他人より下手なこと」を表し、これが転じて「拙」は「つたない」や「まずい」といった意味合いを指すようになりました。

また「速」は形声文字で、しんにょうが字の形を、「束」が音を示します。

しんにょうはそもそも「人が行くこと」を表します。「束」には「縮まる」という意味があるとされます。

これらのことから「速」は「せかせか歩くこと」を示す字です。

こうした字の成り立ちから、「拙速」「やり方は粗雑で、出来上がりは悪いが、素早く仕上げること」を意味する言葉だといえます。

「見た目や中身はともかく、完成するスピードだけは速い」というニュアンスです。

「拙速」は古代中国の兵法書「孫子」の一説からとられたもので、そこでの用例が現代にも援用されているといえるでしょう。

本来の字の意味からすると「拙速」は「粗雑でも速い」ということであり、そこにネガティブな意味合いは含まれていません。

ただ現代では「拙速に進めるべきではない」など、「議論も吟味も中途半端なまま、ひたすら結果や結論を急ぐ」といったマイナスのイメージでの用例が多いようです。

「拙速」の類語と反対語・例文は?

ノートにペンにコーヒー

次に「拙速」の類語と反対語、例文を見ていきましょう。

「拙速」の類語としては、「性急」や「短兵急」といった言葉が挙げられます。

ただいずれの語も「拙速」とは違って、「中身のよしあし」には触れていません。

スポンサーリンク

「性急」は「気が短くせっかちなこと」や「物事の進みかたが急であること」を示します。

また「短兵急」も「ひどく急ぐこと」と、ものごとの進め方の度合いについての表現です。

「刀剣などをもって急激に攻めるさま」という意味もあるそうです。

その意味では「拙速」は「下手だが速い」と、いわば中立の評価を示す言葉だといえるかもしれません。

その「拙速」の反対語としては「巧遅」(こうち)という言葉になります。

これは「拙速」と全く逆で「仕上がりはきれいで巧みだが、出来上がるのが遅い」という意味合いです。

まさに「拙速」と「巧遅」は相対する言葉だといえます。

いずれも本来は、そこに善悪の意義づけはなく、中立的に物事を評価する言い方だといえます。

 

「拙速」の例文としては次のようなものが挙げられます。

 
◆例文

  • 拙速な原発再稼働には反対だ。
  • 野党側は、TPPへの参加表明は拙速だと批判しており、与党に再審議を求めています。
  • いつもお前のやり方は拙速なのが玉にキズだ。もう少しじっくり構えたらどうか。

 

「拙速」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

「拙速は巧遅に勝る」の意味や使い方は?

最後に「拙速は巧遅に勝る」の意味や使い方について見ていきましょう。

前述したように「拙速」と「巧遅」は、お互いが対照し対置する言葉だといえます。

ここから慣用句の「拙速は巧遅に勝る(まさる)」、あるいは「巧遅は拙速に如かず(しかず)」という言い方が生まれました。

「拙速は巧遅に勝る」とは、「下手でも出来上がりが速いほうが、遅くてうまいことよりもよい」という意味です。

「巧遅は拙速に如かず」も言葉を反対にしただけで意味は同じです。

これは「場合によっては、ぐずぐずしているより、上手でなくとも迅速に物事を進めるべきだ」という趣旨を示す言い方です。

前述した孫子の兵法の中に、「兵は拙速を聞くも、未だ巧の久しきを賭ざるなり(部隊を動かすのは、戦術がよくなくても迅速であるほうがよい。巧妙な戦術で長い間戦い続けているのを見たことがない)」とのくだりがあり、ここから派生した慣用句です。

中国・春秋時代の兵法家であった孫子が「戦は戦術がよくないものであったとしても、迅速に行動し早く終結させるのがよい。戦が長期化して国の利益になったためしはない」と心得を説いたのが、この一節です。

注意すべきなのは、この語句は出来の悪さを正当化する言い方ではないことです。

「拙速は巧遅に勝るから、多少誤字脱字があっても大丈夫だろう」などと言うのは誤用となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「拙速(せっそく)」意味と正しい使い方、そして類語、反対語、例文について詳しくご紹介しました。

ビジネスシーンなどでもよく使う言葉なので意味や正しい使い方は頭に入れておいた方が良いでしょう。

スポンサーリンク

関連記事