みなさんは普段、生活しているときに「お相伴」という言葉を聞いたり使ったりしますか?
なかなか聞きなれない言葉だと思いますが、使う機会がある人は詳しい意味や使い方などは理解していますか?間違った解釈で言葉を使っていると相手にもしっかり伝わらないのでこの機会に是非、勉強しておきましょう。
そんな本日は「お相伴」の読み方と意味、使い方や類語、例文について詳しく解説していきます。
「お相伴」の読み方と意味は?
まずは「お相伴」の読み方と詳しい意味について見ていきましょう。
読み方については「お相伴」と書いて「おしょうばん」と読みます。
「相伴」は、「相(あい)伴(ともな)う」という熟語から成り立っています。
「相」は木へんに目で、地上で目立つ木を見るさまから、互いに向き合っていることを示す字です。
「伴」はにんべんに半。
人が半分ずつというさまを表し、人々が連れ合う状態を指す漢字です。
この意味から「相伴」とは、本来は、対象となる人のそばに寄り添っている状態や、「あるものを一緒に持っている」状況を指します。
これが転じて「連れて行く、連れ立って歩く」という行動も表すようになりました。
また相伴するその人自身を示す場合にも使われます。
室町時代に、足利幕府の将軍の側近として仕えた、京都近くに領地を持つ有力大名は「相伴衆(しょうばんしゅう)」と呼ばれました。
これも前述のような意味合いから付けられた呼称であり、またかなり古い時代から使われている言葉でもあることが分かります。
しかし現代では、ほとんどの場合「相伴」とは、「客をもてなすために出す料理を、客の相手をするために、もてなす側も一緒に飲んだり食べたりする」という意味で使われることが多くなりました。
さらに、「連れ立って」という部分を強めた用法として、「他人が利益を得るついでに、行きがかりで自分も一緒にうまみをもらう。おこぼれにあずかる」という意味合いを持つ場合も増えました。
もちろん、成り立ち当初と同じく、単純に「他の人の行動につきあう、同行する」といった使われ方は、今でもなされます。
「お相伴」は「相伴」に接頭辞を付けた丁寧な言い方です。
前述のような、現代になって転じた意味合いを複合させて、「もてなしを受ける本来の客の宴席に連なって、ついでに自分もごちそうになる」といった趣旨を、謙遜して言うときに使われることが一般的です。
「お相伴」の正しい使い方は?
次に「お相伴」の正しい使い方について見ていきましょう。
「お相伴」はお客をもてなしたり、もてなす宴に同席したり、あるいは行きがかりのついでで、自分も楽しい思いをさせてもらう際に使う言葉です。
このため、やや恐縮した形で、へりくだった言い方の中で使用します。
基本的には「お相伴にあずかる」、あるいは「お相伴させていただく」といった、自分の側を一段下げた表現が多いといえます。
なお接頭辞に「お」の代わりに「御」をつけて、「御相伴(ごしょうばん)」という言い方もあります。
しかし、言葉としては「お相伴」のほうが一般的だといわれています。
「お相伴」の類語と例文を教えて?
最後に「お相伴」の類語と例文について見ていきましょう。
「お相伴」の類語には次のようなものがあります。
◆類語
- ごちそうになる
- (食事などを)呼ばれる・お呼ばれする
- 頂戴する
- 会食する
- 相席する
- 同席する
- 随伴する
- 付き添う
以上が「お相伴」の類語になります。
やや古めの硬い表現では「陪食を仰せつかる」や、「伴食の栄誉を賜る」などもありますね。
ただ「伴食」は、「伴食大臣」など「宴会に出るだけで仕事をしない」、つまり肩書だけで能力がない政治家などをそしる表現でも使われるようです。
「お相伴にあずかる」のくだけた、やや卑下したような言い方では「おこぼれにあずかる」、「おあまりを頂戴する」といった表現もあります。
「お相伴」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- 昨日は部長のお相伴で宴会に出たよ。
- この前、先生にお相伴して歌舞伎を見に行った。
- このたびは、私がお相伴を務めさせていただきます。
- 今夜は、すっかりごちそうのお相伴にあずかってしまいました。
- (他人をもてなす席に同行を誘われて)ありがとうございます。遠慮なくお相伴にあずかります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「お相伴」の読み方と詳しい意味、そして使い方や類語、例文などを詳しくご紹介しました。
日本語というのは本当に奥が深く、間違った認識で使ってしまうと相手に伝わるどころか不快に思わせてしまう場合もあるので正しい知識を勉強しておきたいものです。
「お相伴」に関しては今回の説明でばっちりだと思いますよ。