食料品

日々の生活の中で「食料」「食糧」「食品」という言葉を何気なく使っていると思います。

何気なく使っているからこそあまり考えることはありませんが、この3つの表現方法はどのような違いがあるのかふと疑問に思ったことはありませんか?

そんな本日は「食料」と「食糧」の意味、そして「食品」との違いや使い分け方、例文を詳しく解説したいと思います。

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「食料」と「食糧」の意味は?

まず最初に「食料」「食糧」の意味を見ていきましょう。

「食料」「食糧」は、いずれも同じ発音の「しょくりょう」と読む、漢語の名詞です。

「食」という字が共通して用いられていますが、「食」という漢字は象形文字です。

「食器に食べ物を盛り、それに蓋(ふた)をした形」から「たべる」を意味する字になったとされます。

一方「食料」の「料」は、会意文字で、こめへん「米」と「斗」から成り立っています。

こめへんは「穂と米」の形を表すとされます。

また「斗」は「柄のあるます」を示す字です。

つまり「米をますではかる」ということから、「料」とは「はかる」といった意味を示す漢字となりました。

 

次に「食糧」の「糧」という字は、会意、及び形声文字です。

やはりこめへん「米」と「量」という字で構成されています。

こめへんは前述と同じで「穂と実(コメ)」を表すものです。

「量」は「穀物を入れる袋の上に、漏斗をつけた形」とされます。

漏斗とは、口径の大きい容器から口径の小さい穴を通して、液状のものから固体の粒などを分離する器具です。

すなわち「糧」は、「はかった後で収納しておく米」を意味し、そこから「かて」を意味する「糧」という漢字が成り立ちました。

このように「食料」と「食糧」は、いずれも食べ物に関する名詞ではありますが、意味合いが若干異なります。

「食料」「食用にする物」「食べ物」を広く表します。

「食べ物になる材料」も示します。

また古い用法では「食べ物の代金」や「食費」という意味もあったようです。

しかし現代では前者の用例がほとんどでしょう。

一方「食糧」は「食料」と同様に「食用とする物」という意味とともに、「糧食」、特に、「米・麦などの主食物」のことを指すといえます。

字の意味合いからも「生きるためにたくわえておく主食」というニュアンスがあります。
 

「食料」「食糧」「食品」との違いや使い分け方は?

次に「食料」「食糧」「食品」との違いや使い分け方について見ていきましょう。

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「しょくりょう」という同じ音のため、「食料」と「食糧」の使い分けには悩むところです。

また食べ物に関しては「食品」という名詞もあり、どの場合にどの語を使うべきか、難しい判断となります。

これらの使い分けは、それぞれの言葉の意味合いを基に行うのが適切だといえます。

「食料」と「食糧」については前述のとおりで、「食料」は食べ物一般を指しますが、「食糧」は特に主食とする米や麦のことを示します。

「料」は「調理する食材」の意味もあるため、肉類、魚介類、野菜など主食以外も示します。

法律的にや、政治的にはかつては「食糧問題」などという用例が多かったのですが、現在は「食料自給率」など広い概念である「食料」を使うことが増えたようです。

これは、食生活の欧米化で、昔に比べて主食以外の食べ物の比率が増えたことも背景にあるとみられます。 

このように「食糧」を使う場合は、例えば山などで遭難して「このままでは三日と食糧が持たない」といった用例となり、「食料」は用いません。

一方「食品」「人が食用にする品物」の総称です。

「直接料理の材料としたり、そのまま食べたりすることができる食用の品」を示します。

そもそも「品」という字は「色々な器物」を表し、色とりどりの個性を示したからです。

このため「食品」は「飲食に関する製品」を指すイメージもあります。

「生鮮食品」、「食品売り場」といった用例となります。

文章では「バランスのいい食品をとることが大事」などと使い、この場合は「食料」などは用いません。

「食料」「食糧」「食品」を使った例文は?

AとB

最後に「食料」「食糧」「食品」を使った例文をご紹介します。

「食料」・「食糧」・「食品」を使った例文には次のようなものがあります。

 
◆例文

  • 国内の法律では、食料の安定供給の確保について規定している。
  • 世界的な食料事情の安定と改善が課題になっている。
  • 大災害の被害を支援するため、各国から食糧輸送が始まった。
  • 近く、この町でも食糧の配給が行われるという。
  • 現代では、都市部での多大な食品ロスが社会問題になっている。
  • 最近は栄養補助食品の売れ行きがよい。

 

「食料」「食糧」「食品」の例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「食料」と「食糧」の意味、そして「食品」との違いや使い分け方について詳しくご紹介しました。

おさらいをすると「食料」は全ての食べ物を指しますが「食糧」は主食である米や麦のことを指します。

「食品」は人が食べることが出来る状態にする品物のことを指しますね。

日本語には似たような言葉や表現方法がたくさんあるので違いや使い分け方がとても難しいと思いますが、頭に入れて正しく使いたいものですね。

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