お祝いごと

「同慶の至り」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?

「同慶の至り」という表現方法だけを見るとどんな意味が込められているのか、そしてどんな場面で使う言葉なのか気になってしまうと思います。

そんな本日は「同慶の至り」の意味と使い方、そして類語と例文について詳しくご紹介したいと思います。

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「同慶の至り」の意味は?

まず最初に「同慶の至り」の意味を見ていきましょう。

「同慶の至り」という語句は、「同慶」という名詞と、「至り」という名詞を、前の言葉の状態や状況を示す格助詞の「の」で接続した構成になっています。

読み方は「どうけいのいたり」です。

「至り」とは、「ある物事が最高の状態に達していること」、「極み」や「ある物事の成り行きや結果」を示す言い方です。

例えば「感激の至り」、「光栄の至り」、「若気の至り」といった語句があります。

さて「同慶」の「同」という漢字は、象形文字です。

「上下二つの同じ直径の筒」が重なり合った形から、「あう」や「おなじ」という意味を表すようになりました。

また「慶」は会意文字です。

「廌」と「心」と「夂(夊)」という字から成り立っています。

「廌」とは、「牛に似た一角獣」の形とされます。

これは古代中国で、被疑者に触れさせて、裁判の判決に用いた用具だといわれます。

「心」はこの場合、「勝訴した時の飾りの形」だとされます。

さらに「夂(夊)」は「下向きの足」の形で、「行く」ことを意味したとされます。

こうしたことから、「慶」は元来は「人の喜びを祝いに行く」という意味の字であり、転じて「喜ぶ」、「祝う」といった意味合いになりました。

このように「同慶」の意味は直接的には「同じ喜び、うれしさ」ということになります。

すなわち、「相手の慶事が、自分にとってもこの上ない喜びであること」を示し、それをともに祝う気持ちを表す言葉だといえます。

さらに「至り」として、それが最高の状態に達しているわけですから、「同慶の至り」とは「相手が喜んでいる物事が、その人と同じく、自分にとっても非常に喜ばしいことだ」、そして「相手のめでたい事を自分も同じように最高に祝いたい気持ちだ」といった意味合いを示す語句だといえます。

「同慶の至り」の使い方は?

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次に「同慶の至り」の正しい使い方を見ていきましょう。

「同慶の至り」はこのように、相手の慶事を我が事のように喜ぶ様子を示す言葉であり、一般的には、相手に対してうれしさを共有することを伝える際の、かしこまった表現だともいえます。

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「同慶」という名詞自体が、日常の会話ややり取りの中ではほとんど使われることはなく、ビジネスや儀礼といった公の場面で、お祝いを述べる際に用いられる「定型的な用語」といえるからです。

このため、相手に対して申し伝える際には、「ご同慶の至り」と、丁寧な接頭語「ご」を冠することが通例です。

「慶」という字は、とりわけめでたい出来事や行事などの際に、かしこまった文章の中で頻繁に用いられる字です。

年賀状でも「新春のお慶びを申し上げます」といった定型的な言い方が多くあります。

「同慶」と似た、こうした慶祝の言葉には「大慶(たいけい)」「御慶(ぎょけい)」といったものがあります。 

これらはいずれも堅い挨拶の言葉であり、多くは手紙や書面などで用いられる文章語です。

大慶(たいけい)の意味

「大慶」は、「大いによろこばしいこと」を意味し、「御慶」は特に新年のよろこび、または新年を祝う挨拶の言葉として使われることが多いようです。

御慶(ぎょけい)の意味

これに対し「同慶」は、「あなたの身の上のよろこばしいことが、私にとってもあなたと同じようによろこばしく感じられる」という意味であり、まず最初に、相手や相手の属する組織にとっての慶事を認識することが前提となります。

このため「新年」や「豊作」などのように、あまねく、あらゆる人々にとって「お祝い」である事柄については基本的に用いません。

また、相手の慶事であっても、結婚、就職のような個人の一身上のできごとに関しては「ご同慶」とはいわないことにも注意が必要です。 

「同慶の至り」の類語と例文を教えて?

最後に「同慶の至り」の類語と例文をご紹介します。

「同慶の至り」の類語には次のようなものがあります。

 

  • 大慶至極に存ずる
  • ご祝福
  • ご慶祥
  • 祝着に存ずる
  • 寿ぎ
  • お祝い申し上げる
  • ご慶賀
  • ご慶祝

 

などがあります。

 

「同慶の至り」の例文としては次のようなものが挙げられます。

 

  • みなさんが無事に卒業を迎えられ、ご同慶の至りです。
  • このたび、御社が創立○○周年を迎えることを、ご同慶の至りに存じます。

 

「同慶の至り」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「同慶の至り」意味と正しい使い方、そして類語や例文を詳しくご紹介しました。

おさらいをすると「同慶」の意味は「同じ喜び、うれしさ」であり、結婚や就職など個人的におめでたいことにはあまり利用する言葉ではないということが分かりました。

使う場面と場所、相手をしっかりと見極めて活用したいですね。

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