テレビや新聞などで「先般」という言葉を目にしたことはありませんか。
ビジネスの場で使われるこの言葉は、少し堅い印象がありますよね。ではこの「先般」という言葉はどのような意味で使われるのでしょうか。
そんな本日は「先般」の意味と使い方、そして「先日」との違いやいつまで使えるのかについて具体的に見ていきたいと思います。
「先般」の意味と使い方は?
まずは、「先般」の詳しい意味と使い方について解説していきます。
読み方について大丈夫だと思いますが、「先般」と書いて「せんぱん」と読みます。
「このあいだ」「先日」という意味になります。
現在からそう遠くない過去、以前を表す「先」と、ある局面を意味する「般」の組み合わせから、そう遠くない過去の出来事に用いられます。
ビジネスレターや、官僚や政治家の国会答弁など政治の場で使われることが多い言葉ですね。
「先般の件」など名詞で用いるほかに、副詞のようにも表現します。
たとえば「先般行われた会議」「先般申し上げた〜」といった表現です。
「先般」の表す過去に、はっきりとした期間の定めはありません。
限定した過去を示したいときは「先週の日曜は」などと伝えるほうが具体的になるでしょう。
「先般」の反対の意味にあたる言葉は「今般(こんぱん)」です。
今回、この度という意味合いで、こちらも主にビジネスの場で使われる言葉になっています。
「先般」の類語と例文も教えて?
次に「先般」の類語と例文について詳しく見ていきましょう!
まず、「先般」と同じような意味を持つ言葉には、、
- 先日
- この間
- 過日
- 先頃
- 先だって
などがあります。
いずれも過去を示す言葉で類語となっていますね。
日常の会話や、さほど堅くない場では「先日」や「先頃」が使われることが多いでしょう。
続いては「先般」の例文をご紹介します。
■例文
- 先般はお忙しいなか弊社に足を運んでいただき、ありがとうございました。
- 先般の議論により、企画の見直しを図る所存です。
- 先般の選挙ではご声援をたまわり、厚く御礼申し上げます。
- 先般は過分なるお祝いの品を頂戴し、心より感謝申し上げます。
「先般」がビジネスで使われる言葉のため、文章全体もかしこまった印象を受けますね。
例文を読んでみると分かると思いますが、受け取り手に対してお堅い印象を与えてしまうかもしれません。
会話する相手によって使う言葉を選んだり、シーンに合わせて使い分けてみてください。
類語の例文も見ていきましょう。
■類語の例文
- 先日はたいへんお世話になり、ありがとうございました。
- 先だってお話しした件は、ご検討いただけましたでしょうか。
- 過日お目にかかれたことは、たいへん嬉しく思いました。
類語の例文をご紹介しましたが、「先般」という言葉で表現するよりもだいぶ馴染みのある言葉で表現されているのでどちらかというと類語の方が分かりやすいかもしれません。
いずれもシーンに合わせて使い分ければいいと思いますよ。
「先般」と「先日」の違いといつまで使えるのか?
「先般」と「先日」は似た言葉ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
まず「先般」がビジネスや政治など、かしこまった言い方であるのに対して「先日」は親しい間柄でも日常的に使う言葉です。
また「先般」では出来事に重きが置かれるのに対して、「先日」は日にちがメインになります。
過去のある日に焦点があたっているといえます。
ちなみに「過日」も過去を示しますが、少しあらたまった書き言葉であり、「先日」よりさらに以前の過去を表します。
では「先般」はいつまで使える表現なのでしょうか。
厳密な決まりはありませんが、一年も二年も前のことを「先般」とはあまり言いませんね。
数日前や数週間前、数ヶ月までが目安になるでしょう。
「先日」も同様です。
ただ、人によって感覚が異なるため、あいまいな基準といえます。
「過日」は直前の過去には使わず、さかのぼって広く過去を表すことができます。
頭に入れておくと良いでしょう。
まとめ
どうでしたでしょうか?
「先般」の意味や使い方、そして類語や例文、「先日」との違いや使い分けについて詳しく解説しました。
「先般」をはじめ、時点や期間が限定されていない日本語は少なくないですね。
自分の思う範囲と相手の思う範囲が同じとは限りませんし、人によって幅があったり、予想外にイメージにずれがあったりもするでしょう。
相手と正確な情報を共有できるよう、言葉選びを工夫したいものですね!