普段、生活している中で「お伺いします」と「参ります」は、どちらも良く使うフレーズだと思います。
では、「お伺いします」と「参ります」の違いや使い分け方は明確にされていらっしゃるでしょうか。どちらも似たような意味で使われますので、曖昧に使われているかもしれませんね。
そこで今回は「お伺いします」の意味と正しい使い方、そして「参ります」との違いや使い分け方について解説したいと思います。
「お伺いします」の意味は?
まずは、「お伺いします」の詳しい意味から説明していきますね。
「お伺いします」は「行く」「質問する」「聞く」の敬語になります。
また「お伺いします」は「伺う」に「お」と「~します」をつけて「伺う」を丁寧にした言葉です。
そして「伺う」とは「行く」「質問する」「聞く」の謙譲語です。
つまり「お伺いします」は二重敬語であるといえますね。
そのため「行く」を敬語にしたいときは「伺います」と言えば本来は充分です。
しかし「お伺いします」は一般的にも広く使われており、言葉づかいには非常にきびしい職業であるアナウンサーも使います。
むしろ、たとえば「順番に伺います」と「順番にお伺いします」という文を比べますと「伺います」だけでは少々乱暴にきこえます。
「お伺いします」は二重敬語であるといえるものの、問題視されることなく使えます。
ただ「お伺い致します」となりますと丁寧になりすぎてしまうので注意です。
「お伺い致します」は向かう先に特別な御恩があるといった場合に使いましょう。
そして基本的には「お伺いします」を使用するのが無難です。
「お伺いします」の正しい使い方は?
次に「お伺いします」の正しい使い方について説明していきます。
「お伺いします」とは向かう先をたてるためにつかう謙譲語です。
たとえば、上司に連休中は何するのかを問われて「実家に伺います」とは言いませんね。
上司に対して自分の実家をたてて話す人はいないでしょう。
「お伺いします」という敬語は、お客様のもとへ出向く場合など「お伺い」に向かう場所をうやまうときに使います。
わかりやすいように例文を3つ紹介しますね。
■例文
- 25日に先生の事務所へ「お伺いします」。
- 明日、先方へ「お伺いします」。
- では16日に御社へ「お伺いします」のでよろしくお願いします。
「お伺いします」の例文をご紹介しましたが、言葉だけで見るより文章で見た方がより正しい使い方が明確になると思います。
例文を参考にして日々の生活で活用してみてくださいね。
「お伺いします」と「参ります」の違いと使い分け方は?
さて、いよいよ「お伺いします」と「参ります」の違いと使い分けについてお話します。
まず「参ります」の意味ですが「参ります」は「行く」「来る」の謙譲語、あるいは「負ける」の丁寧語です。
「伺う」も「参る」も「行く」以外の意味もありますが、この記事では「行く」の敬語としての使い分けをとりあげます。
「お伺いします」の正しい使い方は前述しました通り、向かう先をたてるためにつかう謙譲語です。
そして「参ります」は、聞き手をたてるために使う謙譲語です。
たとえば前述のように、上司に連休中は何するのかを問われたときは「実家に参ります」と言うことができます。
「実家に向かう」という話の聞き手は上司ですので「参ります」を使って聞き手を、つまり上司をたてることができます。
話の聞き手のもとへ向かう場合はどちらも使えそうですが「お伺いします」を使う方が自然でしょう。
また「ではこちらから伺う」というのは「ではこちらから行く」の敬語で、来る目的ははっきりしません。
それに対し「ではこちらから参る」と言われたら勝負を挑まれたようにきこえないでしょうか。
言葉ひとつひとつの選び方で相手に伝わる意味や相手の受け取り方も異なってしまうので、上司や目上の方に使う場合はしっかりと言葉を選ばないといけませんね。
まとめ
今回は「お伺いします」の意味と正しい使い方、そして「参ります」との違いや使い分け方についてお伝えしましたが、いかがでしたか。
「お伺いします」や「参ります」を正しく使うことができるようになっていただけたことでしょう。
「お伺いします」は向かう先を「参ります」は話の聞き手をたてるときに使うことがポイントです。
お客様のもとへ向かわれる時など「お伺いします」というフレーズを使う機会がありましたら、ぜひ今回の記事を参考にしてください。