みなさんは「幸いです」という表現方法をどんな場面で使ったり聞いたりしますか?
主にビジネスシーンなどでよく使っている人がいるな~となんとなく思っている人も多いかと思います。
「幸いです」にはどんな意味合いが込められている言葉なのか、そしてどんな場面で使うのが適切なのでしょうか。
そんな本日は「幸いです」の意味と正しい使い方、そして言い換え方やビジネスで活用できる例文を詳しく解説したいと思います。
「幸いです」の意味と使い方は?
まず最初に「幸いです」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「幸いです」という語句は、「幸い」という名詞・形容動詞と丁寧の接頭辞「です」が複合した形です。
「幸い」は「さいわい」と読み、古くは「さきはい」という言葉から由来しており、これが音変化を起こしたとされます。
「さきはい」は「咲く」という言葉と「這う」という言葉の融合との説があり、「花が地を這うように咲き乱れ、広がっていく」といったさまを示したとされます。
そこから「豊かな実り」、「収穫の喜び」といった意味合いにつながったようです。
「幸」という漢字は会意文字で、「土」と羊に似た字を合わせたものとされます。
「土」は「夭」のことを示し、いわゆる「夭折」、つまり若死にすることを表します。
下の部分の字は「逆らう」という意味を持ち、全体として「幸」は、若死にするような不幸とは逆のこと、すなわち「よいこと」や「しあわせ」を示します。
また一説には「罪人の手に上下から手かせをはめる姿」を示すともいわれます。
ここから「危ういところをやっと逃れる」といった意味に転じたともされます。
こうした「幸」と「さいわい」の意味合いの近さから「幸い」との字が当てられたとみられます。
このように「幸い」は「よいこと、しあわせ」という趣旨の言葉ですが、現代では「具合がちょうどよい」、「良い結果になる」といったニュアンスでの用法が多いようです。
つまり「心配していたが、そうならなくてよかった」、また「そうでないといいが」といった気持ちがこもる言葉です。
そして「幸いです」は、相手に対し、何らかの言動を期待して、「そうしてくれればうれしく、ありがたい」という意思を示す謙譲的な表現だといえます。
特にビジネスシーンでは「幸いです」はいろいろな場面で広く使用することができ、便利な表現だといえるでしょう。
相手に何かを依頼して快諾してもらいたい場合、贈り物や依頼品の贈与、便宜の供与などで言葉を添える場合などで、相手と自分側の立場の上下にかかわらず、口頭でも文面上でも使うことができます。
相手がお得意様などの重要な顧客であったり、招待状や挨拶状などを差し出す場合などで、「幸いです」では平板すぎる印象になるときには、「幸いに存じます」、「幸いでございます」などとより丁寧な表現に換えるのが適切といえます。
「幸いです」の言い換え方を教えて?
次に「幸いです」の言い換え方について見ていきましょう。
ビジネスシーンや儀礼の場などで、より格式ばった文章の中で、「幸いです」と同じような、こちら側の期待や希望を示す表現を使いたい場合には、言い換えも検討が必要でしょう。
「幸いです」は前述のように、「~となればうれしい」、「~であればよいことだ」と、比較的定番的に文末に付ける言葉でもあるからです。
例えば、新社長就任のあいさつや会社の重要な式典、立場が高い人に対する依頼文などでは、さらに丁寧な表現である「幸甚(こうじん)に存じます」や、「望外の喜びです」、「僥倖(ぎょうこう)に存じます」といった、あらたまった表現への言い換えも選択すべきでしょう。
ビジネスシーンで「幸いです」を使う場合の例文は?
最後にビジネスシーンで「幸いです」を使う場合の例文をご紹介したいと思います。
ビジネスの場で「幸いです」を使う場合の例文では、次のようなものが挙げられます。
◆例文
- ご面倒なことをお願いして恐縮ですが、ご参加いただければ幸いです。
- 日頃のご愛顧のお礼として、お口汚しではございますが旬の味覚をお贈りします。気に入っていただければ幸いです。
- お問い合わせの件につきまして関連資料をお送りします。多少ともお役に立ちましたら幸いです。
- ご来館の皆様に気軽に作品をご覧いただけるよう、出入り口やロビーにも多数展示いたしました。より多くの方に作品の魅力を感じていただけたら幸いです。
日常会話で「幸いです」を使う場合は是非、上記例文を参考にして貰えたらと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「幸いです」の意味と正しい使い方、そして言い換え方とビジネスで活用できる例文をご紹介しました。
ビジネスの場でよく活用する言葉なので、意味や使い方をしっかりと覚えておきましょう。
例文を交えて覚えることでより一層、理解が深まりますので参考にしてくださいね。