平謝りをする男性

平成から令和に元号が代わり4月から新社会人として新しい環境に身を置くことになっている方も多いですよね。

社会に出ると上司や同僚を始めとするさまざまな人間関係が形成されていきます。何かミスをした際に謝ることも多々あると思いますが、そんな時によく聞く「平謝り」という表現があります。あまりポジティブな表現という印象を受けませんがどんな意味合いがあるのでしょうか。

そんな本日は「平謝り」の意味と正しい使い方、そして対義語や類語、例文を詳しく解説したいと思います。

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「平謝り」の意味と使い方は?

まず始めに「平謝り」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。

「平謝り」という言葉は名詞で、「ひらあやまり」と読みます。

動詞として用いる場合は「平謝りする」「平謝りに謝る」という形になります。

「平謝る」と動詞としては使いません。

この語の「平(ひら)」とは接頭語で、動作性のある名詞の前について「ただひらすらに~する」という意味を示します。

ほかには例えば「平押し」、「平攻め」といった言葉があります。

「平」という字は、「水面に浮く水草」の象形から成り立っているとされ、そこから「ひらたい」、「凹凸のない」、「水平な」といった様子を示しました。

さらにこれが転じて「何事もなく平和な」、「正しい」、「騒動が治まる」、「平凡な、普通の」とった意味合いにも広がったようです。

接頭語の「平」は「ひらに」という副詞から派生していると考えられます。

これは古語にもみえる言い方で、漢字の原意から「無事に、平穏に」や「やすやすと」といった意味を持ちます。

さらに現代と同じように「ひたすら、いちずに」、「ぜひとも」といった意味でも用いられました。

例えば平家物語には「新大納言成親の卿もひらに申されけり」(ひたすらご所望申し上げなさった)という一文があります。

「何とか平穏に収めたい」、「事を荒立てずにしてほしい」といった趣旨から、何度も懇願するさまを表す言葉になったとも考えられます。

一方「謝」という漢字は「慎んで言う」という意味を示すごんべんと、「射」、すなわち「弓矢を射る」という字の構成から、「言葉を放つ」、さらには「あやまる」や「お礼を言う」という意味合いを示します。

つまり「平謝り」とは「ひたすら何度も謝ること」という意味となります。

しかし中には、「平」という字が「平社員」、「平に甘んじる」などと「普通の、並みの」といったニュアンスを持つことから、「平謝り」「適当に、軽く謝罪する」といった意味に受け止める場合があるようですが、これは誤用です。

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「平謝り」は前述のように「かなり恐縮し、何とか許しを得ようと、重ねて何度も謝る」といった様子を示すものです。

このため「エレベーターで肩が触れそうになり、平謝りした」、「とりあえず電話で平謝りしておけばいいんじゃないか」といった使い方は、誤解を招きますので注意が必要です。
 

「平謝り」の対義語を教えて?

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次に「平謝り」の対義語を見ていきましょう。

「平謝り」の反対の意味としては、「恐縮して謝らず、ふてぶてしいさま」という状態を示すといえます。

このことから対義語としては、次のような言葉が挙げられます。

例えば「ふてくされ(不貞腐れ)」です。

これは「不平不満から反抗的になったり、投げやりになったりするさま」を示します。

「やさぐれ」も「投げやりな様子」ですが、これは元来は不良仲間を指す隠語(「やさ」は家、「ぐれ」は外れの意味)だったものが、彼らの態度を表す言い方に転じた表現といわれます。

このほか「すねる」、「いじけ」、「へそ曲がり」、「不機嫌」、「開き直り」、「居直り」(急に態度を荒々しくしたり、逃れられないと悟りかえって強い態度に出るさま)などが挙げられます。

「平謝り」の類語と例文を教えて?

「平謝り」の類語と例文をご紹介します。

類語

「平謝り」の類語としては次のようなものが挙げられます。

  • 土下座
  • 深いおわび
  • 心よりの謝罪
  • 弁明
  • 陳謝
  • 恐れ入り
  • かしこまり
  • 恐懼(きょうく)
  • わび入る
  • 申し訳なさ

などがあります。

例文

「平謝り」の例文には次のようなものがあります。

  • 当初は『できることはやったし、仕方なかった』と強気だった彼らも、こちらの抗議の剣幕に押されてか、翌日平謝りしてきた。
  • まさか財布が空だとは思わず、平謝りに謝って、逃げるように店を後にした。
  • うちのミスでこれほどの損害を与えたのだから、とにかくまずは先方に平謝りに謝るしかない。

「平謝り」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「平謝り」意味と正しい使い方、そして対義語や類語、例文を詳しくご紹介しました。

意味や使い方を調べていく中で筆者自身も「平謝り」について間違った解釈をしていたので、改めて言葉の意味を勉強することの重要さを教えられた気がします。

ずっと平謝りとは誠意のこもっていない適当な謝りを繰り返すことだと思っていましたが、そうではありませんでした。

恐らく世の中の人はほとんど筆者と同じ捉え方をしていたのではないでしょうか。

「平謝り」の誤用には注意したいものです。