建物を眺める男性

建物を建てる時などによく見聞きする言葉に「落成」「施工」という表現方法があります。

漢字の読み書きに詳しい人ならすぐに分かると思いますが、あまり得意でない人には少し難しい言葉かもしれません。どんな場面で使う言葉なのか、どんな意味合いがある言葉なのか調べてみました。

そこで「落成」「施工」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しく解説したいと思います。

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「落成」「施工」の意味と使い方は?

まず始めに「落成」「施工」の意味と使い方を見ていきましょう。

「落成」の成り立ち

「落成」という名詞は「らくせい」と読みます。

これは「建築や土木工事が完成する」ことを意味します。

「落成」の「落」という字はくさかんむりと「洛」という字で成り立っています。

くさかんむりは「並び生えた草」を表し、「洛」は「流れる水」と「上から下へ向かう足と口」を示しているとされます。

また「洛」は元来「神霊が降りてくるのを祈る」という意味であり、それが転じて「おちる」といった趣旨になったとされます。

つまり「落」は「草や木の葉が下に落ちる」という意味となります。

「落成」の「成」は「釘を上から見た形」と「大きな斧」を示しており、「大きなまさかりで敵を平定する」ことを表したようです。

ここから「成」は「物事が出来上がる、達成される」という意味となりました。

このように「落成」は文字通りには「落ちて完成する」といった意味になります。

日本では古来「こけら落とし」という言葉があり、これは劇場を新築した際に、最後に木くずを落として「完成」としたことにちなみ、劇場完成後の最初の興行のことを呼んだものです。

この「こけら落とし」を援用して「木くずを落として完成する」という意味合いで「落成」という言葉が成り立ったとの説があります。

ただ「落」は「まつる」といった意味もあることから「完成を祝う」という趣旨だとの見方もあります。

「施工」の成り立ち

一方「施工」という名詞は「しこう」または「せこう」と読みます。

これは「工事を行うこと」という意味です。

「施工」の「施」は「旗」と「水を入れる器」という字で構成されています。

これは「旗がうねり、揺らぐ」といった意味合いもあり、ここから「次第に進む」、「ほどこす」といった意味に転じたようです。

そして「工」は「握りのあるノミや差し金」を示しており、「物をつくる人やその仕事」を意味する字です。

このように「施工」「工事をほどこす」という意味であり、すなわち「工事の作業を行う」ことを指すといえます。

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「落成」、「施工」とも単独で名詞として用いられるほか、後ろに「する」と助動詞を補って動詞として使うこともあります。
  

「落成」「施工」の違いと使い分けは?

どちらを選ぶ

次に「落成」「施工」の違いと使い分けを見ていきましょう。

「落成」、「施工」は私たちの日常生活でも建築関係やリフォームなどの分野でよく耳目にする言葉です。

ただ通常一般の方が家の新築や改築などのことを話題にする際は「家を建てた」、「リフォームした」といった平易な言い方を用いるのが通例で、「住宅を施工する」、「外壁塗装が落成した」などとはあまり使いません。

このためこの二語ともいわば、工事や建築分野の「業界用語」といったニュアンスがあります。

「落成」、「施工」には前述のように大きな意味の違いがあります。

「落成」「工事が完了すること」「施工」「これから工事を始めること、作業中であること」だからです。

建物の工事が終わることの類語には「完工」、「竣工(しゅんこう)」といった言葉もありますが、これらはより「業界用語」的であり、これに対し「落成」は、工事の作業者にも発注者にとっても「完成してめでたい、ついに出来てよかった」といったニュアンスがあるのが特徴だといえます。

また「施工」は建築関係者の間では通常「せこう」と発音されます。

本来の国語上の読み方は「しこう」ですが、「しこう」の同音異義語には「試行」、「施行」など使い分けが紛らわしいものが多いため、特に区別するためにこう呼ばれるようです。

音声での聞き分けの必要もあることから、テレビ、ラジオの放送でも現在は一般に「せこう」と発音されています。

「落成」「施工」の例文を教えて?

最後に「落成」「施工」の例文をご紹介します。

「落成」の例文

「落成」の例文としては次のようなものが挙げられます。

  • 新社屋の落成式は来月4日に決まったよ。
  • 待望のデパート新館は7月ごろ落成予定だそうだ。
  • トンネル貫通は大変な難工事で足かけ十年にわたったが、ついに落成の日を迎えた。

「施工」の例文

「施工」の例文には次のようなものがあります。

  • 施工業者の入札がこのほど行われた。
  • 我が社が地下鉄工事の施工を請け負うことになった。
  • あの業者は家の床下防湿施工では定評がある。

「落成」「施工」の例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「落成」「施工」の違いと使い分け、そして意味と例文を詳しくご紹介しました。

おさらいをするとどちらも建設、工事関係の業界用語として使う機会が多い表現方法です。

建築関係に携わっている方なら業界用語としてよく使う言葉なので、違いや使い分けには問題がないと思いますが、あまり関わりがない人はしっかりと頭に入れておきましょう。