日常会話の中で「以外」「意外」という表現方法をよく使うと思います。
当サイトでご紹介している記事の文中にもよく登場する言葉なので、日常会話の中では無意識に使っている人もたくさんいると思います。読み方が同じなので違いや使い分け方が気になるところです。
そこで「以外」「意外」の違いと使い分け方、そして意味や例文を詳しくご紹介したいと思います。
「以外」「意外」の意味と使い方は?
まず始めに「以外」「意外」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。
「以外」と「意外」という言葉は、いずれも「いがい」と読みます。
「以外」の意味と使い方
「以外」は名詞で、「以外に」と助詞を伴って連用修飾語として使う場合もあります。
「以外」の「以」という漢字は、農具の「すき」を示しており、元来は「すきを用いて耕す」ことを意味しました。
これが転じて「用いる」、また「~を使って」や「~によって、~をもって」といった意味になったようです。
「以東」、「以上」など「~より、~から」という区切りを示す用例もあり、「以外」もこの一つといえます。
「外」という漢字は、元来は古代中国で占いに使う亀の甲羅や牛の骨を用意するために「甲羅の中の肉を取る」ことを示したとされます。
ここから「はずす」や「そとに出す」という意味になったようです。
このように「以外」は「ある範囲の外側」、「それを除く他の物事」を意味します。
「意外」の意味と使い方
一方「意外」の「意」は「音」と「心」から構成されており、「音や言葉では表せない心の内」、すなわち「こころ」や「思い」を意味する字です。
このため「意外」は「考えていた状態と大きく異なること、またはそのさま」を示す名詞や形容動詞です。
このように同じ読み方である「以外」と「意外」ですが、意味合いは全く違いますので、使う場合は慎重に選択(変換)することが重要です。
言葉の選び方を間違うと、文章の意味が通じなくなってしまう恐れもあります。
友人や家族などに宛てたメールやSNSであれば、仮に間違ってもおおむね正しい意味を推測してもらえるでしょうが、ビジネスシーンや公の場の文章では「書いた後にきちんと見直していない」、「いい加減に書いている」などと相手に不快感、不信感を与えかねないため、注意が必要です。
「以外」「意外」の違いと使い分け方は?
次に「以外」「意外」の違いと使い分け方を見ていきましょう。
「以外」と「意外」という言葉は、とくに文章をパソコンやスマートフォンで打ち込むことがほとんどの現在では、文字通り「意外に」間違いやすい日本語の筆頭格といえます。
「~のほかの」という「以外」は「想定と違う」という「意外」より使用頻度が高い言葉のようです。
例えばGoogle検索すると「以外」は15億4000万件ですが、「意外」は6億8000万件と倍以上の差があります。
このためパソコンなどでの変換候補には「以外」が先頭に来ることが多く、「今日は以外に時間がかかったね」などと変換ミスを招きやすい要因ともいえるようです。
「以外」と「意外」の使い方の顕著な違いは、「以外」は文頭に来ることはないという点です。
「以外」はその前に置く名詞や動詞を指して「それのほかに」という意味合いを示すためです。
一方「意外」は後の言葉を修飾する用法が多いため、文頭にも置く場合があります。
「意外」は形容動詞として「意外に」、「意外な」と活用するほか、最近は「意外と」という用例もみられます。
また「意外さ」という名詞の派生形もあります。
かたや「以外」にはこうした活用や派生はありません。
このように文章上では使い分けに注意すべき二つの言葉ですが、口頭では大きく異なります。
日本語のアクセントでは「以外」は「い」に強アクセントが、「意外」は「がい」に強アクセントがあり、発音上は全く反対になります。
「以外」「意外」の例文を教えて?
最後に「以外」「意外」の例文をご紹介します。
「以外」の例文
「以外」の例文には次のようなものがあります。
- あの部屋は今、関係者以外立ち入り禁止になっている。
- もうそれ以外に方法が思いつかない。
- 今回のテストは教科書の1~10ページ以外から出題します。
「意外」の例文
「意外」の例文は次のようものが挙げられます。
- 意外な結果に驚いた。
- 彼は見かけによらず、意外に足が速いんだな。
- 何より驚きや意外性がこの作品の醍醐味だね。
「以外」「意外」の例文をまとめてご紹介しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「以外」「意外」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しくご紹介しました。
同じ読み方でもここまで意味が違うので、間違って使ってしまうと相手に誤解を与えてしまうかもしれません。
正しい知識で相手に誤解を与えないようにしっかりと頭に入れておきましょう!