ご静聴

みなさんは日々の生活で「ご清聴」という言葉を使ったりしますか?

テレビやビジネスシーンで【ごせいちょう】という表現方法を用いている人を多々見かけますがどのような意味合いがあるのでしょうか。

「ご清聴」と「ご静聴」って同じ意味なのかも気になってしまいます。

そんな本日は「ご清聴」の詳しい意味と正しい使い方、そして「ご清聴」と「ご静聴」の違いと使い分け方について詳しく解説していきます。

スポンサーリンク

「ご清聴」の意味と使い方は?

まず最初に「ご清聴」の意味と使い方について見ていきましょう。

「ご清聴」という言葉は、「清聴」という名詞に接頭語「ご」を付けて、丁寧な形にしたものです。

「清聴」の「清」という字は、本来は「水が澄んで清らかなこと」を表します。

さんずいは字の形を示し、「青」はそもそも「青く澄み切った」という意味を持つためです。

このことから、「清」は「けがれがない」、「くもりがない」といった意味合いを示します。

また「聴」という漢字は、元来は「音声をまっすぐ取り入れること」という行為を指し、これが転じて「はっきり聞く」という意味を表します。

「聴く」という語は、同じ音の「聞く」よりも、「自分の方から積極的に耳を傾ける」というニュアンスを強く含む言葉です。

このため「清聴」は、「音や声などを、雑音なく澄んだ状態で、心を落ち着けて安らかに、しっかり聞く」といった意味合いを示すといえます。

古い時代には、文字通りに「清らかに聞こえる」という意味も持ったようですが、現代では「他人が自分の話や演奏などを聞いてくれることを、敬って言う表現」としての用法が一般的です。

主として「ご清聴」は、講演会、講話、演説、自己紹介、プレゼンテーションなど、自分が言葉で話した行為について使われることが多いといえます。

演説などが終わった段階で、最後まで熱心に聞いてくれたことを、感謝の気持ちを込めて、相手方の聴衆に述べる丁寧な表現です。

「ご清聴」の類語と例文を教えて?

次に「ご清聴」の類語と例文について見ていきましょう。

「清聴」の類語には、次のようなものがあります。

 
◆類語

  • 聞き入る
  • 聞き惚れる
  • 耳を澄ます
  • 耳をそばだてる
  • 謦咳(けいがい)に接する

 

「謦咳に接する」はかなり文語的な古めかしい言い方ですが、「偉い人の講話を、近くで直に聞く」という意味の表現です。

スポンサーリンク

「ご清聴」に対応する丁寧な言い方としては、「ご傾聴」、「謹聴」、「拝聴」、「陪聴」などがあります。

このうち「謹聴」は、文字通り「謹んでお話を聞く」ということです。

「講話を謹聴する」などと使います。

また「陪聴」とは、「身分や地位が高い人と、同席して話などを聞く」という意味になります。

 

「ご清聴」の例文としては、次のようなものが挙げられます。

 
◆例文

  • 以上で、私の駄弁を終わらせていただきます。長時間のご清聴、まことにありがとうございました。
  • 当方からのご説明は以上となります。長々とご清聴いただき、心よりお礼申し上げます。

 

「ご清聴」の類語と例文をまとめておいたので是非、参考にしてみてくださいね。

「ご静聴」との違いと使い分け方は?

最後に「ご清聴」「ご静聴」の違いと使い分け方について見ていきましょう。

「ご清聴」とよく似た言い方に、「ご静聴」という言葉があります。

パソコンやスマートフォンでの「ごせいちょう」の変換候補でも、この二つが筆頭に出てきますから、使い分けには多少悩むことがあるかもしれません。

しかし、意味の違いは非常にシンプルです。

「ご静聴」とは、その字の通りですが、単純に「他人の話や演奏を静かに聞く」ことを示します。

前述のように「ご清聴」には、自分の話を聞いてくれたことに対する、聴衆への感謝や敬いの気持ちが込められています。

一方で「ご静聴」には、こうした意味合いは含みません。

むしろ、演説や説明などを始める前に、会場がざわついているような状態のとき、司会者が「ご静聴願います!」と注意を促したり、「ご静聴ください」と依頼するような用例が一般的です。

このためビジネスシーンなどで、会議の出席者や顧客などにお礼を述べる場合は「ご清聴」を使うのが適切だといえます。

逆に、話を始める前に「ご清聴ください」と使用するのは誤用ですので、注意が必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ご清聴」詳しい意味と正しい使い方、そして「ご静聴」との違いや使い分け方について詳しくご紹介しました。

読み方が一緒な「ご清聴」と「ご静聴」ですが、意味合いについてはまったく違うので使い分け方については注意が必要です。

ビジネスシーンで活用する場合は誤用しないように気をつけましょう!

あなたにオススメの関連記事