手紙を書く

みなさん、日々の生活で「ご多用のところ」という言葉を使ったり聞いたりしますか?

主にビジネスシーンで使う機会が多い言葉ですが、どのような場面で利用する言葉なのでしょうか。

そんな本日は「ご多用のところ」の意味と正しい使い方、そして「ご多忙」との違いや使い分け方について詳しく解説したいと思います。

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「ご多用のところ」の意味と使い方は?

まず、最初に「ご多用のところ」の意味と使い方について見ていきましょう。

「多用」はその漢字の通り、用事が多いこと、そのために大変忙しいこと、という熟語です。

主として、あいさつ文など手紙や書状などで使う「書き言葉」です。

相手に文書で物事を頼んだり申し込んだりする際に、一般的には、ぶしつけな申し出をおわびする前置き文として、本題の前に「お忙しいところ誠に恐れ入りますが~」、「お忙しい中、大変お手数をお掛けしますが~」などと書き出します。

これを、もう少しあらたまった形にした言い方が「ご多用のところ」だと言えます。

「ご多用のところ、非常に勝手なお願いで恐れ入りますが~」、「ご多用のところ申し訳ございませんが、なにとぞお誘い合わせの上お越し願います」などのように使いますね。

ビジネス上の会合やパーティーの案内、大会の開会式や新店舗のオープン、講演会などの催し、冠婚葬祭の招待状など、比較的かしこまった形式の文書で使用されることが多い表現だと言えます。

「ご多用のところ」のほか、「ご多用のみぎり」、「ご多用の折」、「ご多用とは存じますが」などという表現もよく使われます。

いずれもあらたまった文章の中で、先方の忙しい日常を慮りながら、自分側の失礼をわびつつ都合をうかがう、定型の前文として使用されることが多い言い方です。

相手を気遣ってへりくだりながら願い出る、非常に日本語的な表現の一つといえるでしょう。

定型表現ですから、実際に相手が忙しいかどうかにかかわらず、どのようなあいさつ文や招待状でも必ず盛り込むのが一種のマナーです。

「ご多用」は結婚式やビジネスシーンで使える?

次に「ご多用」という言葉は結婚式やビジネスシーンで使って不自然ではないか見ていきましょう。

「ご多用」は平易な漢字で構成され、発音も柔らかい語感のため、どういった場面でも使用しやすい言葉です。

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冠婚葬祭のあいさつ状などでは、いわゆる「忌み言葉」を使わないよう気を配ります。

結婚式での「切る」、「去る」やお葬式での「重ね重ね」などがよく知られています。

「ご多用」と似た「ご多忙」を考えた場合、「忙」の字は、りっしんべんに「亡」というつくりから「心を亡くす」と読むことができます。

このため冠婚葬祭の場では、縁起上好ましくないとして使用を避けるのが一般的です。

結婚式の招待状やスピーチなどでは、「ご多忙のところ」より「ご多用のところ」の方をむしろ優先して使用するほうが無難だと言えるでしょう。

一方、ビジネスシーンでは、そこまで過度に縁起を担いだり、忌み言葉に気を使ったりする必要はありません。

もちろん工場や店舗などの棟上げ式やオープン記念の式典など、おめでたい席では「ご多用」の方が好まれるでしょう。

しかし一般的なビジネス文書やメールでは「ご多忙」を使っても全く問題ありません。

「ご多忙」との違いや使い分け方は?

最後に「ご多用」「ご多忙」の違いと使い分け方について見ていきましょう。

「ご多忙」は「ご多用」と同じ意味で、「大変忙しいこと」という熟語の丁寧な言い方です。

違いは二文字目の漢字です。

前述した通り、「多忙」の「忙」は、りっしんべんに「亡」というつくりで成り立っています。

りっしんべんは「心」が元の字で、この漢字全体の形を示し、つくりは「ぼう」という発音を示します。

「亡」は失うという意味がありますから、「忙」は心を失うほど忙しいという表現ととらえられます。

また「亡」には落ち着かないという意味も含まれていることから、「忙」は心が落ち着かない、つまりあわただしいという意味合いも持ちます。

このように「多忙」は、直接的な形で非常に忙しいさまを表します。

[aside type=”normal”]あいさつや招待などの文書では、縁起を担ぎ、語感の強い言葉は避ける傾向がありますから、最近は「ご多用」の方が好まれて使われることが多いようです。

しかし意味としては「多忙」も「多用」も同じですから、使用する場面や文脈、あるいは書き手の好みに応じて選択すればよいでしょう。[/aside]

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ご多用のところ」意味と正しい使い方、そして「ご多忙」との違いや使い分け方について詳しくご紹介しました。

ビジネス文書やメールで挨拶をする場合は「ご多忙」を使ってもOKですが、縁起を担ぐおめでたい席の場合は「ご多用」を使うのがベストということが分かったと思います。

似た言葉でも使う場所をしっかり選ばないと相手に失礼に当たる場合もあるので注意が必要ですね。

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