みなさん、私生活の中で「目端が利く」という言葉を見聞きしたりしますか?
あまり聞き慣れない言葉なので意味や使い方などをまったく理解していない人も多いかと思います。
そんな本日は「目端が利く」の意味や正しい使い方、そして類語や例文を詳しく解説したいと思います。
「目端が利く」の読み方や意味は?
まず最初に「目端が利く」の意味や読み方について見ていきましょう。
一応、大丈夫だとは思いますが「目端が利く」と書いて【めはしがきく】と読みます。
読み方については大丈夫ですよね。
「目端が利く」の「目端」とは、文字通りには「目の端」、つまり瞳のはしっこの部分を指します。
「目で見える範囲の端から端まで」ということで、視界自体を示すこともあります。
この二番目の意味が転じて、「目端」は「眼力(がんりき)」、すなわち「物事の真偽や善悪などを見分ける力」という意味を持つようになりました。
さらには「その場の様子を見計らう機転」や、「時機をよく察することができる、頭のすばやい働き」といった意味合いも帯びるように転化していきました。
こうしたことから、「目端が利く」は、「機転がきく」、あるいは「その場その場の状況に応じて、よく才知が働く。適切な対応ができる」、また「事前の準備が整っていて、臨機応変な考え方や行動ができる」といった意味を持つ慣用句だといえます。
「目端が利く」の正しい使い方は?
次に「目端が利く」の正しい使い方について見ていきましょう!
人体の部位の中でも、「目」にまつわる慣用句は、大変数多くあります。
また頭の「回転」や「才知」にまつわる類語も非常に種類が多いので、これらの混用や誤用には注意を払う必要があります。
例えば、「目端」と間違いやすいものに「目鼻」という言葉があります。
これは「顔の目と鼻」という意味のほかに、慣用語的には「ものごとの概要、だいたいの輪郭、枠組み」を示します。
ですから「目鼻が付く」といえば「ものごとのおおよその見通しが定まる、判明する」という意味となります。
またこれに似て「目が利く」、「鼻が利く」、あるいは「目から鼻に抜ける」といった言い方もあります。
これはそれぞれ次のような意味を持ちます。
「目が利く」は「物事の善しあしを見分ける力に優れている」ということです。
「鼻が利く」は「嗅覚が優れている」ことで、転じて「いい物や自分の利益になる事を、雑多な状況の中から見つけ出すのがうまい」という意味を示します。
また「目から鼻に抜ける」は「状況判断がすばやく、頭が切れる」という意味の表現です。
いずれの語句も、同じ体の部位を表現しながらも、おのおのに意味合いが異なっています。
これらを混同すると「目鼻が利く」「目端が付く」などと使ってしまいそうになりますが、いずれも誤用ですので、注意しなければなりません。
また漢字の用法も迷いやすい部分の一つです。
「目端が利く」の「きく」は、通常は「利」の字を用います。
「効く」という字も変換候補にありますが、これは主に薬などが効力を発揮する際に使う字です。
「効」には元来、互いに交わるという意味があるためです。
これに対し「利」は、日本語に特有の意味付けではありますが、「きく」と読んで「得意である、技量がある」といった意味合いを持ちます。
このため、あることの機能に優れている状況を説明する場合、今回のような「目端」「鼻」などを受けた際は「利く」とするのが一般的です。
「目端が利く」の類語や例文が気になる!
最後に「目端が利く」の類語や例文を見ていきましょう。
「目端が利く」の類語には次のようなものがあります。
◆類語
- 機転が利く
- 目先が利く
- 気が利く
- 才気走る
- 機を見るに敏な
- 当意即妙な
- 要領がよい
- 抜け目がない
- 融通がきく
次に「目端が利く」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- 今度の仕事は、彼のような目端が利く人が適任だ。
- 彼女は何かにつけて目端が利くから、任せておいて大丈夫だろう。
- 目端が利いた運転で、渋滞を回避できて助かった。
- あの人はもともと目端が利くたちだから、この商売には向いている。
「目端が利く」の類語と例文をご紹介しました。
例文を交えてみると言葉の意味がより一層、理解しやすいと思うので参考にしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「目端が利く」の意味と正しい使い方、そして類語と例文を詳しくご紹介しました。
普段、あまり見聞きしない言葉だからこそ正しい認識で頭に入れておきたいものですね。
もし、使う機会がありましたら当サイトを参考にしてみてくださいね。