新聞やニュースなどで「懸念」という言葉を見聞きしたことがあるかと思います。
心配や気がかりなことを表す言葉ですが、日常会話よりビジネスシーンで主に使われますね。
そんな本日は「ご懸念」の意味と正しい使い方、そして類語や例文について詳しく解説していきたいと思います。
「ご懸念」の意味は?
まずは、「ご懸念」の詳しい意味について見ていきましょう。
一応、大丈夫だと思いますが、「ご懸念」と書いて【ごけねん】と読みます。
「懸念(けねん)」とは、気がかりや不安、心配を意味します。
「懸」は心にかける、心にとめるという意味があり、「念」は心の中を行き来する思い、心にとどめることを表します。
これらの組み合わせから、気になって心を離れないことが「懸念」です。
「台風の影響に懸念がある」「安全性に懸念を抱く」「懸念が高まる」などのように使いますね。
「懸念」に丁寧語の「ご」をつけた「ご懸念」は、「どうぞご懸念なく」「ご懸念には及びません」など、相手に対して敬意をこめて述べる表現です。
「ご懸念」の正しい使い方は?
次に「ご懸念」の正しい使い方について見ていきましょう。
「懸念」とは気にかかることを表しますが、ポジティブな内容には用いません。
何らかの問題点や心配事がある場合に使う言葉です。
また、心配や不安を表現する言葉は他にもたくさんあり、それぞれ意味や使い方が少しずつ異なります。
主にビジネスの場でよく使われる言葉をご紹介します。
「懸念」は、先行きや、起こる可能性のあることに対して心配することです。
実際に悪いかどうかは定まっていません。
これに対して「憂慮(ゆうりょ)」は、具体的な悪い事柄に対して、さらに大きな問題や危険性の生じる恐れがあるときに使われます。
「恐れ」は、危険性や可能性があることを表します。
「危惧(きぐ)」とは、悪い結果になることを怖がる気持ちを表します。
「杞憂(きゆう)」は必要のない心配のことです。
「ご懸念」の類語や例文を教えて?
最後に「ご懸念」の類語と例文を見ていきましょう。
まずは「ご懸念」の類語を見ていきましょう。
◆類語
- 恐れ
- 憂慮(ゆうりょ)
- 危惧(きぐ)
- 不安
- 心配
- 気がかり
- 悩みの種
心配や不安、思いわずらうことを表す言葉ですね。
「杞憂(きゆう)」「とりこし苦労」は、未確定のことや心配する必要のないことを、あれこれと心配することです。
では「ご懸念」を使った例文をご紹介します。
◆例文
- その件についてはご懸念に及びません。ご安心ください。
- どうぞ、ご懸念なく、あなたの考えをおっしゃってください。
- 何のご懸念もなくご参加ください。
- なぜ、ご懸念をお持ちになったのか、教えていただけますか?
- 〇〇市の人口減少を強く懸念しています。
類語の例文も確認しておきましょう。
◆類語の例文
- 価格を下げれば、品質も下がる恐れがある。
- 日本の学生の学力の低下を深く憂慮しています。
- 先輩からの手紙に返信しなかったことが、今でも気がかりだ。
- 都市部では競合店舗がたいへん多いのが悩みの種です。
- 転勤先で新しい環境になじめるか心配したが、杞憂に終わった。
- 結局、君のとりこし苦労だったね。
「ご懸念」と類する言葉を調べてみると、思いのほかさまざまな表現があることがわかります。
微妙なニュアンスの違いを知っているととても便利ですよ。
かしこまった言い方と、わかりやすい言い換え方の両方ができれば、なお理想的と言えるでしょう。
特にビジネスシーンでは、相手や状況に合わせて、上手に言葉を使い分けていきたいものですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご懸念」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文を詳しくご紹介しました。
「ご懸念」という言葉は主にビジネスシーンなどで使う場合が多く、ポジティブな言葉というよりはネガティブな言葉の印象が強いですね。
ビジネスシーンで利用する場合は正しい認識と使い方で相手にしっかり伝えるようにしましょう!