謝罪する

「遺憾に思う」「遺憾の意を表する」という言葉をよく聞く機会があると思います。

よく聞く表現方法だけど、詳しい意味や使い方をそこまで理解していない人も多いかと思います。

謝罪する場面で使う言葉のようにも思いますし、相手を非難する場合にも使う気がしますが、一体どのようなシーンで使うのが適切なのでしょうか。

そんな本日は「遺憾に思う」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語と例文、言い換え方を詳しく解説したいと思います。

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「遺憾に思う」の意味と使い方は?

まず最初に「遺憾に思う」の意味と使い方について見ていきましょう。

「遺憾に思う」は、「遺憾という状態を感じる」という、自分の気持ちを示す表現です。

では「遺憾」とはどういう意味の言葉でしょうか。

「遺憾」の「遺」は、しんにょうが形を表し、「貴」が音を示します。

しんにょうとは「ある所へ行くこと」を元来示します。

「貴」には、そもそも「丸い塊が積もったもの」といった意味合いがあるそうです。

ここから「遺」は「塊が行く」、即ち「手放す」、「なくす」といった意味となります。

また「歩いているうちに、物を落とす」という意味があるとの説から、「捨てる」という行為も表すようになりました。

一方の「憾」ですが、りっしんべんは「心」のことで、字の形を示し、また「感」は音を表しますね。

つまり「心の動き」、「心の中に残念なことがある」という意味合いを持つ字です。

このため「遺憾」は、「何かを失って、心残りに、残念に思う」ことを表します。

特には「ものごとが期待した通りにならなかった」、あるいは「希望の状況にならなかった」ことを残念で気の毒に感じる、そうしたさまを示す言葉だといえます。

こうしたことから「遺憾に思う」は、「当初自分が思った通りの状態に至らず、残念に思う」という意味になります。

「遺憾に思う」は、かなり堅い、あらたまった表現ですので、一般にはビジネスや政治家の会議、外交交渉など、公の場で使うことが多い言葉です。

そして自分側が相手に謝罪や釈明する場合でも、あるいは相手のことを非難する場合でも、どちらにも使えるという特徴があります。

主として、自分側の行動について「遺憾に思う」と言えば、謝罪する意味となります。

一方相手の行動に対して使えば、それは批判したり抗議したりする形となります。

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「遺憾に思う」の類語と例文を教えて?

次に「遺憾に思う」の類語と例文を見ていきましょう。

「遺憾に思う」の類語には次のようなものがあります。

 
◆類語

  • 残念だ
  • 心残りだ
  • 痛恨事だ
  • 気の毒に思う
  • 申し訳なく思う

 

「遺憾に思う」の例文としては、次のようなものが挙げられます。

 
※自分に関して謝罪する場合

  • 今回の事故処理の不手際につきまして、まことに遺憾に思います。
  • 秘書が起こしたこととはいえ、私の監督不行届きであり、とても遺憾に思います。

 
などとなります。

 
※相手を非難する場合

  • いまだご回答をいただけてないことについては、非常に遺憾に思います。
  • 事前の取り決めに違反する行為であり、極めて遺憾に思う。

 

などがありますね。

「遺憾に思う」の言い換え方を教えて?

最後に「遺憾に思う」の言い換え方について見ていきましょう。

「遺憾に思う」は、前述のように、主に公の場で、重々しく謝罪したり批判したりする意図を表明する際の言葉ですので、単純に「心残りだ」、「残念だ」といった類語では言い換えにくい側面があります。

それは、語感の重厚さの違いに加え、「心残り」や「残念」は、主として自分自身の感情だけを表すのに対して、「遺憾に思う」は相手に対する思いやりや申し訳なさ、あるいは「なぜそんなことをするのか」と抗議する意味を含むからです。

このため、謝罪などで使用する言い換え方では、例えば「慚愧の念に堪えない」、「悔恨の思いでいっぱいだ」、「一代の痛恨時だ」などが適切でしょう。

あるいは相手との関係性によっては、率直に「おわびします」、「申し訳ない」と述べることも選択肢です。

いずれにせよ「遺憾に思う」は、謝罪・非難のいずれのケースでもやや感情を押し殺した理性的なニュアンスがこもり、よく使われる表現だといえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「遺憾に思う」詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文、言い換え方について詳しくご紹介しました。

ビジネスシーンなどで使う場合は少しお堅い表現方法になってしまうので、進んで活用するのは控えた方がいいかもしれませんね。

そして自分自身が謝罪をする時にも使えますし、相手を非難する場合にも使える表現方法なので場面に合わせて活用するといいでしょう。

正しい認識で活用するようにしてくださいね。

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