みなさんは日々の生活の中で「心得違い」という言葉をよく活用しますでしょうか?
あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、正しい認識でしっかりと相手に伝わるようにしたいものです。
そんな本日は「心得違い」の詳しい意味と正しい使い方、そしてビジネスメールでの書き方や例文を詳しく解説していきたいと思います。
「心得違い」の意味と使い方は?
まず最初に「心得違い」の詳しい意味と正しい使い方について見ていきましょう!
「心得違い(こころえちがい)」は、「心得」という名詞を「違い」という否定の言葉で受けた形の語句です。
「けた違い」、「場違い」、「計算違い」など、同様の成り立ちの言葉は日本語に多くみられます。
さて「心得」は「心」と「得」という字に分けられます。
「心」は人に本来備わっている、知性、感情、意思のすべてのはたらきや精神のことです。
人体が容器だとすればその中身だともいえます。
「得」は「自分に役立てたり、自由に使ったりするものとして手に入れる。理解できる」といった意味を示す字です。
このことから「心得」は、ひとつには「あるものに関しての技術や知識を、一定程度身につけていること。たしなみ」を示します。
例えば「茶道の心得」といった言い方です。
二つ目には「何かをする際の心の準備、ものの道理」といった意味があり「旅の心得」、「心得を示す」などと使います。
これを「心得る」と動詞化すれば、「ものごとの事情や筋道を理解する」ということになります。
こうした「心得」を「違っている」と否定するのが「心得違い」ですので、「思い違いや誤解」、あるいはもっと奥深く「道理や人の道に外れた行いや考え方」、「良いとはいえない、間違った行い」という意味になります。
「心得違い」の類語は?
次に「心得違い」の類語を見ていきたいと思います。
「心得違い」の類語には、次のようなものがあります。
◆類語
- 思い違い
- 勘違い
- 混同
- 取り違え
- 考え違い
- 了見違い
- 見当違い
- お門(おかど)違い
- 見込み違い
- 思惑違い
もっと現代的な、平易な言い方を例示するとすれば、「ミス」、「手落ち」、「見落とし」、「うっかり」、「見逃し」、「見誤り」、「読み損ない」などが挙げられるでしょう。
「心得違い」の二つ目の意味である、「人の道理に外れた」という意味合いでは、「不埒」、「不行跡」、「不道徳」、「非行」、「不正」といった表現になりますね。
ビジネスメールでの書き方や例文は?
最後にビジネスメールでの書き方や例文を見ていきましょう!
前述のように、「心得違い」にはかなり開きのある二つの意味があります。
一つは、ある意味単純に「事実と異なった理解をしてしまったこと」です。
「勘違い」や「うっかりミス」に近い語感があり、「相手の真意や言動の深い意味を見誤る」という意味を持つ「誤解」などとも、ややニュアンスが異なるようです。
また「心得違い」の二つ目の意味である「人の道に外れる」の趣旨で使う際には、単純な間違いではなく、「人倫にもとることだ」とむしろ相手の人格を非難する含みを持つといえます。
例えば「そんなに軽く考えているとは、心得違いもはなはだしい」や、「若い娘を一人にして、何か心得違いでもあるといけない」といった言い方です。
ビジネスシーンでのやり取りや、仕事のメールでの表現では、このうち前者の、いわゆる「単純ミス」を、丁重におわびする場合に使うことが一般的だといえるでしょう。
同じ謝罪のメールを送る場合でも、「当方のミスで」、「担当者が見落としてしまい」などと直接的に言及するよりも、上品な大人びた表現ととらえることができます。
例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- こちらの心得違いのため、お客様のご芳名に記載漏れがあり、多大なご迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。
- このたびは私どもの心得違いにより、間違った商品をお届けしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
「心得違い」の例文をご紹介しました。
もし利用する際は是非、参考にしてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「心得違い」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語、ビジネスメールでの書き方、例文を詳しくご紹介しました。
意味や使い方をしっかりと覚えておくと、相手にも誤解のないように伝わると思いますよ。