普段、みなさんは「ご指摘」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?
「ご指摘」という表現方法はビジネスシーンなどで頻繁に使われそうなイメージがありますが実際はどうなのでしょうか。
そんな本日は「ご指摘」の詳しい意味や使い方、そして言い換え方や類語、敬語、例文をご紹介したいと思います。
「ご指摘」の意味や使い方は?
まず最初に「ご指摘」の詳しい意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「ご指摘」は「指摘」という名詞に敬語の接頭辞「ご」を付けた、丁寧な言葉です。
「指摘」の「指」は、文字通りには手先の指のことですが、漢字の成り立ちをみると、てへんに旨という字から成り立っています。
旨は「スープが旨い(うまい)」といった語句からも分かる通り、「おいしい食べ物」という意味があります。
このため「指」は元来は手においしい食べ物を持つことを示し、転じて「指さす」ことを表すようになりました。
一方「摘」はてへんに「啇」というつくりになっています。
「啇」にはそもそも「多い」という意味があり、元来は果実をたくさん拾い集めることを示したとされます。
ここから「摘」は、「つかみ取る」、「選び取る」こと、さらには「要点をまとめる」、「他人の秘密を発表する」といった意味にも広がりました。
こうしたことから、「指摘」は「全体の中から大事なこと、注意すべきことなどを具体的に取り出して、はっきり示すこと」という意味になります。
単に指し示すだけでなく、とりわけ「多くの中からあやまりを指し示し、暴き出すこと」という意味合いを強く持ちます。
また「指でつかみ取る、摘み取る」という動き自体を示すこともあります。
この丁寧な形が「ご指摘」ですから、主にはビジネスシーンなどで、「こちら側の間違いなどを指し示していただく」という趣旨で使われることが多い言葉だといえます。
「ご指摘」の言い換え方は?
次に「ご指摘」の言い換え方について見ていきましょう。
「ご指摘」を言い換える言葉をまとめておきますね。
◆言い換え方
「ご指摘」の言い換え方をご紹介しましたが、ここに例示したそれぞれの語句が、「ご指摘」と全く同じ意味で、どれを言い換えに使用しても不都合がないかというと、そうではありません。
やはりおのおのにニュアンスが異なりますので、使用する際には注意が必要です。
例えば「ご教示」は「教えていただく」という意味になります。
「やり方についてご教示願います」などと使います。
また「ご教授」では、表面的な操作法というよりも、ものごとの中身や意義、技術そのものを深く、長期間教わるというイメージがあります。
一方「ご鞭撻」は「努力するよう励ますこと」という意味ですので、一般にはビジネスの挨拶文などで「今後ともご指導、ご鞭撻たまわりますよう、よろしくお願いします」などと、定型的に使うことが普通です。
「ご指摘」は前述したように、「全体の中から誤りを見つけて、指し示す」といった意味合いがあります。
基本的には悪い点をあぶり出す、取り出すという用例が一般的です。
このため、言い換える場合としては「当方の誤りをご教示くださり、誠に恐れ入ります」や、「ご意見をいただいた点につきましては、早急に善処いたします」といった言い方が適切となるでしょう。
「ご指摘」の類語や敬語・例文を教えて!
最後に「ご指摘」の類語や敬語、例文を見ていきましょう。
「指摘する」の類語には次のようなものがあります。
◆類語
- 要望する
- 指示する
- 名指しする
- 示す
- 指さす
- 指名する
- 指定する
- もの申す
- 異議を唱える
- 摘発する
敬語表現の「ご指摘」の類語としては、「ご要望」、「ご教示」、「ご意見」、「お示し」、「ご指定」、「ご指名」などとなります。
「ご指摘」の例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- 先般ご指摘いただいたとおり、早速修正させていただきます。
- 当方の手落ちにつきまして、ご指摘くださりまことにありがとうございました。
- 契約書の案文を作成いたしましたので、ご一読の上、訂正箇所等がございましたら、ご指摘のほどをお願い申し上げます。
「ご指摘」の類語や例文をまとめてご紹介しました。
類語や例文を知ることでその言葉に対してより一層、理解が深まると思うので是非、参考にしてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「ご指摘」の詳しい意味や正しい使い方、そして言い換え方や類語、例文について詳しくご紹介しました。
同じような言葉でも使うシーンによってはしっかりと選ばないといけませんし、正しい認識で相手に伝える為には意味もしっかり理解しておかないといけませんね。