日々、生活している中で「不案内」という言葉を耳にする機会はありますか?
「案内」という言葉はよく使うけど「不案内」という言葉は使ったことも聞いたこともないという人もいるかと思います。
確かに「案内」という言葉は普段からよく使いますが「不案内」という言葉はあまり使わないかもしれませんね。
そんな本日は「不案内」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や敬語、例文について詳しく解説したいと思います。
「不案内」の意味と使い方は?
まず最初に「不案内」の意味と使い方について見ていきましょう。
読み方は大丈夫だと思いますが念のために「不案内」と書いて【ふあんない】と読みます。
【ぶあんない】と読んでしまいそうですが、ここは【ふあんない】と読むので注意してください。
「不案内」という言葉は、「案内」に否定の接頭語「不」を付けたものです。
「案内」の「案」という漢字は、「安」の下に「木」という形で成り立っています。
「木」が字の形を、「安」が音を表しますね。
「安」には元来「落ち着く」という意味があり、「案」はもともと「安定した木の道具」を指したようです。
食卓や体をもたせかかる机などを表したとされます。
そこから「おさえる」、「考える」、「したごしらえ」といった意味に転じました。
また「内」は外から内に入ることを示す字です。
「腹の中」、「あるものの中」や、「入れる」、「納める」といった意味を表します。
こうしたことから「案内」は、「道や場所を知らない人にそれを教えたり、そこに連れて行ったりすること」という意味を示します。
また名詞として「手引き」や「通知」、「みちびき、みちしるべ」という意味での使い方もされます。
ビジネスシーンなどでは「皆様ご案内のように~」と、すでによくご存じであることを表す場合もありますね。
この「案内」を打ち消す「不案内」は、「ものごとをよく知らない」ことを表しますが、具体的には大きく二つの意味合いに分かれます。
ひとつには、「全く経験がなくて、ものごとの内容や勝手が分からないこと」や「経験が足りないため、細かい様子や事情まではよく分からないこと。またその様子」を表します。
例えば、周辺の地理に詳しくない場合に、「この辺の土地には不案内なもので」と言うのがこの事例です。
二つ目には「あることに関して、その方面の知識や知見があまりなく疎いこと。またその様子」という意味もあります。
いわば、特定の学問や芸術、事象などの分野について、無学である場合の表現です。
例えば「経済の問題は、私はまるで不案内です」という言い方になりますね。
「不案内」の類語や同義語は?
続いては「不案内」の類語や同義語について見ていきましょう。
「不案内」の類語や同義語には、次のようなものがあります。
「細かいことまでは知らない」という意味合いで似ている言葉は、、
- 不詳
- 詳しくない
- 経験不足
- 不明
- あずかり知らず
などがあります。
「その分野自体に疎い」という意味合いで似ている言葉は、、
- 無知
- 無学
- 不見識
- 未知
- 未体験
- 浅学
- 無教養
- 明るくない
などがありますね。
「不案内」の敬語や例文が気になる!
最後に「不案内」の敬語や例文について見ていきましょう。
ビジネスの場面や一般的なやり取りでは、「不案内」という言葉は、相手に対して自分の不見識や無知を恥じることを、へりくだって申し添える場合に使われることが多いようです。
このため、相手に対して「不案内」を使用すると失礼に当たりますので、通常は用いません。
「不案内」の敬語表現は「不案内です」、「不案内でございます」などとなります。
例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- 私どもが不案内なせいでお手数をおかけしてしまい、心よりおわびします。
- 実のところ、当方は仮想通貨や株式などにはまったく不案内でございます。アドバイス等を申し上げるのは控えさせていただきます。
- 御用向きの方面には、私はあいにく不案内でございます。この分野に詳しい別の担当者をご紹介させていただきます。
「不案内」の例文は上記のようになります。
ちなみに「不案内」は、前述のように「疎い、知らない」といった意味であり、「不十分な案内」を示す言葉ではありません。
相手への説明や誘導が不足していたことをわびる際に、「このたびは不案内な内容をお伝えし、ご迷惑をおかけしました」と表現するのは間違いとなりますので、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「不案内」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や敬語、例文について詳しくご紹介しました。
「ものごとをあまり理解していない」「知らない」など無学なことを表す場合に「不案内」という表現方法を使うといいですね。
もし、私生活で活用するシーンが訪れたら是非、参考にしてください。