「世間ずれ」している人とお聞きになられたら、どんな人をイメージされますか?
「世間の常識からからはずれた、個性的な人」をイメージされますでしょうか?「世間ずれ」は勘違いされやすい言葉の一つです。
そこで今回は「世間ずれ」の正しい意味や類語、そして例文について調査致しました。
「世間ずれ」の意味は?
では「世間ずれ」の正しい意味についてお話します。
「世間ずれ」の「ずれ」を漢字で表記すると分かりやすいでしょう。
もしも「世間ずれ」の「ずれ」が「ずれている」という意味でしたら漢字では書けませんが「世間ずれ」の「ずれ」は「ずれている」という意味ではありません。
「世間ずれ」を漢字で表記しますと「世間擦れ」と書きます。
つまり「世間ずれ」の「ずれ」は「すれる」という意味で、「世間ずれ」するという言葉は「世間にもまれ、ずる賢くなる」という意味です。
平成16年度の「世間ずれ」についての調査結果は、文化庁によると若い世代になるごとに「世間ずれ」を誤解している割合が多くなっています。
当時の60歳以上の6割は「世間ずれ」を「ずる賢い」と答えたのに対し、16~19歳の6割は反対に「世間からずれている」と回答しています。
また、年代と回答の割合をグラフにしますと、きれいに直線状のグラフになっています。
そのため「世間ずれ」が「世間からずれている」という意味で使用される割合が増えていくかもしれないというコメントをしています。
「世間ずれ」が「世間からずれている」とも「ずる賢い」ともとらえる事ができる文章をやり取りしたときは、お互いがどういった意味でとらえているか確認する必要がありますね。
「世間ずれ」の類語や反対語を教えて?
では次に「世間ずれ」の類語についての調査結果をお伝えします。
■類語
- 世慣れる
- すれっからし
- 老獪
- 海千山千
主に「すれっからし」は若い女性「老獪」は年配者に使います。
また「世間ずれ」「すれっからし」「老獪」「海千山千」は「悪賢い」と、良くないイメージです。
「世慣れ」は悪いイメージ限定ではありません。
ちなみに「世間ずれ」の反対語は「世間知らず」です。
「世間ずれ」の使い方や例文は?
さて「世間ずれ」についてさらに理解を深めていただくため、「世間ずれ」の使い方や例文を紹介します。
まず「世間ずれ」の使い方についてお話します。
「世間ずれ」の意味は「賢くなった」ではなく「ずる賢くなった」と悪いイメージですので、決して褒め言葉ではありません。
そのため「経験豊かで賢い」と褒めるつもりで使われましても、相手は皮肉だと思ってしまう可能性がありますので注意が必要です。
経験豊かなことを褒めたいときに使える言葉は「百戦錬磨」「玄人」「ベテラン」「プロ」などでしょう。
また「世間ずれ」していない人というのは「純粋」というイメージがあり「素直」と言いかえることができます。
では実際に「世間ずれ」を使った例文を5つ紹介します。
■例文
- あなたは「世間ずれ」していないから「世間ずれ」している人にだまされないか私は心配しています。
- あいつは「世間ずれ」しているから、きっとこの仕事を成功させてくれると期待しているよ。
- あの子はまだ考え方が幼すぎる。もっと「世間ずれ」しないと世の中うまく渡っていけない。
- 入社当時はあんなに純粋だった彼も、今ではすっかり「世間ずれ」してしまってかなりのやり手になっている。
- あのころは自分も若かった。すっかり「世間ずれ」した今の自分からは考えられないほど純粋だった。
“世間ずれ”の例文をご紹介しましたがどうでしょうか。
例文を交えてご紹介するとより一層、意味や正しい使い方が分かりやすいかと思います。
まとめ
以上「世間ずれ」の正しい意味や類語、反対語、そして意味と例文についての調査結果をお伝え致しましたが、いかがですか?
「世間ずれ」は使い方を勘違いされやすい言葉であり、注意が必要だとおわかりいただけたことでしょう。
間違った意味を覚えていたり使い方を間違ってしまうと恥をかくのは自分自身です。これを機会に「世間ずれ」に対する正しい知識を頭に入れておきましょう!
「世間ずれ」という言葉をやりとりするときは、お互いの認識が「ずれ」ていないか確認してくださいね。