本を読んでいる女性

普段、生活しているときに「感心する」という言葉をよく使う場面があるかと思います。

誰かの素晴らしい行動を目にしたとき、私たちは褒めるつもりで何気なく「感心する」と表現したりしますよね。でも実はこの「感心する」という言葉、目上の人に対して使うと失礼にあたることをご存じでしたか?

そんな本日は「感心する」の意味や使い方、そして目上の人と話す場合に言い換える必要はあるのかなど調査したいと思います。

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「感心する」の意味と使い方は?

では、まず「感心する」の意味から見ていきましょう。

“感心する”とは、立派な行動や優れた技術・技量に、深く心打たれることを意味します。

心が動くことを表す「感」の字と、自然な気持ちである「心」の字の組み合わせからも、まさに深い感動が伝わってくるようですね。

類語には、「感動する」「感激する」「感銘を受ける」などがあります。

また、他にも「頭が下がる」「舌を巻く」「脱帽する」「目を見張る」「言葉を飲む」など、素晴らしい物事に深く心を打たれた様子を表す言葉がたくさんあります。

さらには「心の琴線に触れる」「目頭が熱くなる」といった表現も、感動の大きさがうかがえる仲間の言葉です。

 

次に、具体的な使い方を例文を用いてご紹介したいと思います。
 

■例文

  1. 彼女は心優しくて友達思いの、感心な少女だ。
  2. 中学生の君が毎日必ず新聞を読んでいることに、とても感心している。
  3. 陰で人を悪く言うのは、あまり感心しないな。
  4. 自宅の周りだけでなく、近隣の道路まで掃除しているとは、なんて感心な行いだろうか。
  5. あなたのお客様への対応には、いつも感心していますよ。

 

上司が部下を、先生が生徒を褒めたりする時に使うのが「感心する」です。

同等の立場、あるいは目下の人に対する表現なのです。

「感心する」という言葉は目上の人や上司に使っても大丈夫?

次に気になるのが「感心する」という言葉を上司や目上の人に使っても大丈夫なのでしょうか?

結論からいうと、目上の人や上司には「感心する」という言葉は使いません。

立派だと相手を褒める、評価する姿勢が含まれていて失礼になってしまうためです。

また、主に深い感動を表す「感心する」ですが、逆説的な使い方として、あきれて驚いていることを意味するときもあります。

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皮肉めいた表現なのですね。

ですから目上の人や会社の上司に「感心した」と言うと、ばかにしていると誤解される恐れさえあるのです。

目上の人の行為に心を動かされたときは、謙虚な姿勢でその感動を伝えて、上から目線の発言だと受け取られないようにしたいものですね。

「感心する」を尊敬語に言い換える場合は?

それでは、目上の人に「感心する」と同じ気持ちを伝えたい時は、どのような言葉を使えばいいのでしょうか?

一例を見ていきましょう。

 

  • 「敬服する」心から素晴らしいと感じ、尊敬していること。例文:「学長の偉大な研究の成果に敬服いたします。」
  • 「感服する」深く感動を覚え、尊敬の念を抱くこと。例文:「誰にでも分けへだてなく接する先輩の優しさに感服しています。」

 
いずれも、相手を敬う気持ちが表れた言葉で、目上の人に対して使います。

また、親しい間柄の先輩や上司に対して、感服や敬服より身近でストレートな表現を使いたいときもあるでしょう。

そのようなときは「お客様に対する部長の熱意に、とても感銘を受けました。」など、深い感動を素直に伝えてはいかがでしょうか。

このように、目上の人に対しては、褒めるという評価をするのではなく、心から尊敬していることや憧れの気持ちを表現するようにしましょう。

あなたのようになりたい、見習いたいと心を寄せていることを先輩や上司に伝えることで、お互いに嬉しくなり、円滑なコミュニケーションが図れるようになりますよ。

誰かの言葉や行動に心が動くことは、感性豊かで素晴らしいことです。

せっかく、感動を相手に伝えたいのに、言葉の使い方を間違えたばかりに不愉快にさせてしまうのは、たいへんもったいないですよね。

日本語はとても繊細で奥の深い言語です。

場面や相手によって上手に使い分けて、身近な人から目上の人まで、温かく気持ちの良い関係をはぐくんでいきたいものですね。

まとめ

どうでしたでしょうか?

「感心する」の意味や正しい使い方、そして目上の人や会社などで上司に使う場合の言い換え方などについて詳しくご紹介しました。

日本で育った人間でも使う言葉の意味や正しい使い方など全てを把握している人はほとんどいないと思います。

自分が正しいと思って使っていても相手からは違った印象に受け取られることもあるので本当に日本語は奥が深いものだなと思います。

言葉を使う側の気持ちと受け取る側の気持ちはまったく別物ですから、意味をしっかり理解して正しく言葉を使いたいものですね。

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