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日常生活でよく使う言葉、「異状・異常・以上」という同じ読み方の3つの表現方法があると思います。

「以上」「異常」の2語はよく使う言葉なのでなんとなくの意味や使う場面が分かるけど「異状」はそこまで頻繁に使う言葉ではないのでどんな場面で使うのかいまいちよく分からないと思います。

そこで「異状・異常・以上」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しくご紹介したいと思います。

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「異状・異常・以上」の意味と使い方は?

まず始めに「異状・異常・以上」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。

「異状・異常・以上」はいずれも二字漢字の名詞で、「いじょう」と読みます。

「異状」と「異常」の意味

まず「異状・異常」の「異」という漢字をみてみましょう。

これは元来は「人が鬼を追い払うための怖い顔のお面をつけた状態」を示すといわれます。

「お面によって恐ろしい別人になる」ということから、「異」は「ことなる」、「違う」、「普通ではない」といった意味になりました。

次に「状」という字は「爿」と「犬」という部分から成り立っています。

この扁の部首は元来「寝台を立てて横から見た」形を示しますが、この字では「しょう」という音が「像」と同じため「姿」を意味します。

つまり「犬のさまざまな姿」を示すとされ、ここから「姿、形」、「状態」を表すようになりました。

このことから「異状」「普通とは違う状態」を意味する言葉だといえます。

また「常」という字は「尚」と「巾」からできています。

「尚」は本来は「屋内で祈る」さまを示しますが、この字では「長」と音が共通するため「長い」という意味を示します。

「巾」は「頭に巻く布にひもを付けて帯に差し込む」ことを表し、このことから「常」は「長い布」という意味が語源とされます。

ここから「長く変わらない」、「いつも」といった意味合いに転じたようです。

このように「異常」「いつもとは異なっている状態」を示す言葉だといえます。

「以上」の意味

一方、「以上」は前の二つの語とは全く字の構成が違います。

「以」という漢字は農具の「すき」のことで、元来は「すきを用いて耕す」ことを意味しました。

これが転じて「用いる」や「~によって、~をもって」といった意味になったほか、「~より、~から」という区切りを示すようにもなりました。

「以上」はこの区切りを示す用法の一つで、基本的には「数量、程度、優劣などがそれより上」を意味するといえます。

さらに現代日本語では「それまで述べたこと」を一括して指したり、「合計」、「終わり」といった「締め」的なニュアンスで用いることもあります。

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「概要は以上の通りです」や「以上、二十三名です」、「話は以上だ」といった用例です。

接続助詞のように「~したからには」という意味で使われることもあります。
 

「異状・異常・以上」の違いと使い分けは?

AとB

次に「異状・異常・以上」の違いと使い分けを見ていきましょう。

前述のように字の成り立ちを調べると、「異状・異常」は大変微妙な意味の差だといえます。

使い分けにも悩むことが多い言葉の一種ですが、おおまかには次のように考えること分かりやすいのではないでしょうか。

「異状」は「普通ではない状態」であり、「通常、正しい状態にあるべき物事が、好ましくない悪い状態に変わっている」ことを示すといえます。

一方「異常」「いつものような、常にあるような状態ではない」ことを表しています。

すなわち、「普段とは違っている」、「かなり、甚だしく異なる」というだけで、そこに良い・悪いの価値判断はあまりないといえます。

言い換えるならば、「異状」は主として物事が悪化した場合に用いるのに対し、「異常」は良いこと悪いこと両方に用いることができるわけです。

一方の「以上」は前の二語とは成り立ちも意味も全く異なりますので、文章で使用する際には迷うことはないと考えられますが、「いじょう」という同音異義語は他にも「委譲」、「移乗」など多いため、パソコンなどでの変換には注意が必要です。

なお口頭での発音では、「異状・異常」は全体に平板な「いじょう」ですが、「以上」は「い」にアクセントを置くという違いがあります。

「異状・異常・以上」の例文を教えて?

最後に「異状・異常・以上」の例文をご紹介します。

例文

「異状・異常・以上」の例文を順に挙げていくと、次の通りとなります。

  • データにこれといって異状は認められない。
  • この前『西部戦線異状なし』という小説を読んだ。
  • 今日は彼は異常にテンションが高いが、何かあったのかな。
  • 今年は異常な猛暑ですね。
  • 以上の通りで相違ありません。
  • 期待以上の大活躍だった。
  • 決定した以上変更はしない。

「異状・異常・以上」の例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「異状・異常・以上」の違いと使い分け方、そして意味や例文を詳しくご紹介しました。

同じ読み方でもひとつひとつの意味はまったく違うので、間違って使ってしまうと相手に誤解を与えてしまいそうです。

外国人が日本語を勉強するときに漢字は難しいと声を合わせて言うのは、日本には同音異義語がたくさんあるからだと思います。

日本人だって難しいと感じるわけですから、海外の人が日本語を勉強するときはさらに難しいと思います。

日本語って本当に奥が深いですね。