スーツを着たOLさん

日々の生活の中で「ご賢察(ごけんさつ)」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?

「ご賢察」と聞いてどんな場面で使う言葉なのか、そしてどんな意味が込められた言葉なのか分からない人もいるかと思います。

そんな本日は「ご賢察(ごけんさつ)」の意味と正しい使い方、そして類語や例文を詳しくご紹介したいと思います。

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「ご賢察」の意味は?

まず最初に「ご賢察」の意味について見ていきましょう。

「ご賢察」という言葉は、「賢察」という名詞に、漢語を丁寧な形にする接頭語「ご」を付した形になっています。

読み方は「ごけんさつ」です。

通常は「ご賢察いただく」、「ご賢察くださる」などあとに動詞を補って用います。

「ご賢察」の「賢」という字は、会意文字であり、形声文字です。

「臤」と「貝」という字で構成されています。

「臤」は、左側の「臣」が「しっかり見開いた目」を示し、これは元来は「家来」を意味する字です。

右側は「右手の形」であり、これが合わさることで「神のしもべである人の瞳を傷つけて視力を失わせ、体がかたくなる」ことを示すとされます。

一方「貝」はそもそもは「子安貝」のことで、古代の「貨幣」や「財貨」を意味します。

これらのことから「賢」は「しっかりした財貨」の意味を表し、さらに転じて「かしこい」や「まさる」、「すぐれている」といった内容を表す字となりました。

また「察」は、やはり会意文字であり、形声文字です。

うかんむり「宀」と「祭」で構成されています。

うかんむりは「家屋(屋根)」の形であり、「家」を表します。

「祭」はそもそもは、「いけにえの肉」と「神にいけにえを捧げる台」、及び「右手の形」を指すとされます。

すなわち「いけにえの肉を手で捧げる」ことであり、ここから「まつる」の意味に転じたとされます。

このことから「察」は、元来は「屋内で祭りを行い、神の心をはっきりさせる」という意味合いを表しました。

そして「調べて明らかにする」や「推し量る」といった意味の字になりました。

これらのことから、「賢察」「ある人がものごとを推察すること」を、その人を敬って述べる際に使う、かしこまった言い方だといえます。

それ自体が敬語表現ですから、基本的には「ご賢察」という形で定型的に用いる言葉です。

「ご賢察」の正しい使い方は?

世間ずれしている部下の女性

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次に「ご賢察」の正しい使い方について見ていきましょう。

前述のように、「ご賢察」は相手を敬いたいときに使う、堅い文章語的な、丁寧な言葉です。

一般的には、目上の人や顧客、立場が上位の人について、「物事を推察すること」や「配慮」をする際に、敬語表現として用います。

「ご賢察ください」と依頼の形式で使えば、相手に丁寧に配慮を求める言い方となります。

これは「どうかお察しください」と、同じ意味の言葉といえるでしょう。

上司や目上の人に自分や、自分側の組織の事情を理解してもらいたいときに使用する表現だといえます。

ビジネスシーンや一般の儀式などかしこまった席で用いやすい言葉でもあります。

ビジネスなどでは主には、相手に対してあまり好都合でない状況が生まれたときに、やむを得ない事情を理解してもらい、許してほしいというニュアンスがにじむともいえます。

「ご賢察」は、同音異義語が多いことから、口頭で用いる場合には発音しにくく、先方にとっても聞き取りや理解がやや難しい言葉かもしれません。

このため、書面などで、相手に対して敬意を持って理解や配慮を得たい場合に使用するのが一般的といえる表現でしょう。

「ご賢察」の類語と例文を教えて?

最後に「ご賢察」の類語と例文をご紹介します。

「ご賢察」の類語には次のようなものがあります。

 

◆類語

  • ご理解
  • ご臆度
  • ご推測
  • 見做す
  • ご類推
  • ご推定
  • ご推量
  • ご推察

 

などがあります。

ちなみにここ数年、とりわけ政治の世界で一躍「流行語」のようになっている「忖度(そんたく)」も、「相手の考えを推し量って配慮する」という意味ですので、「ご賢察」の類語といえるでしょう。

 

「ご賢察」の例文としては次のようなものが挙げられます。

 

◆例文

  • 事情をご賢察の上、ご意見を賜りたく、何とぞよろしくお願い申し上げます。
  • ご迷惑をおかけしますが、ご賢察のほど伏してお願いいたします。
  • ご賢察くだされば誠に幸甚に存じます。

 

「ご賢察」の類語と例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「ご賢察」意味と使い方、そして類語と例文について詳しくご紹介しました。

使う相手が目上の人や顧客、立場が上位の人に対して「ある人が物事を推察する」ことを敬語で表現した言葉になりますね。

使う場面や使う相手をしっかりと見極めて、相手に誤解のないように使いたいものです。

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