普段、私生活の中で「際立つ」という言葉を見聞きしたりしますか?
私達は普段、「際立つ」という言葉を使う場合に正しい認識で使っているのでしょうか。
そんな本日は「際立つ」の類語や詳しい意味、そして「引き立つ」との違いや言い換え方について詳しく解説していきます。
「際立つ」の類語や同義語は?
まず、最初に「際立つ」の類語や同義語について見ていきましょう!
「際立つ」は、後ほど述べるように、他より優れていることを強調する表現です。
類語や同義語には次のようなものがあります。
◆類語
- 引き立つ
- 光る
- 輝く
- 光彩を放つ
- 突出する
- 傑出する
- 抜きんでている
- 並外れる
- 群を抜く
- 卓越する
- ずば抜ける
- 頭角を現す
「際立つ」の動詞としては以上の言葉が挙げられます。
名詞の前に付ける場合の「際だった~」という言い方の類語では、次のような言葉が挙げられるでしょう。
◆類語
- 比類ない
- たぐいまれな
- 右に出る者がいない
- 他者の追随を許さない
- 抜群な
- 極上の
「際立つ」の意味と使い方は?
次に「際立つ」の意味と正しい使い方について見ていきましょう!
「際立つ」は「際」という名詞に、「立つ」という動詞が連なった語句です。
「際」という漢字は、こざとへんに祭という字で成り立っています。
「祭」には元来、「こする」とか「合わせ目」といった意味があり、「際」はもともとは集落にある土壁の合わせ目を指したとされています。
そこから転じて、何かの境目や淵を示すようになりました。
さらには「際」は他のもののすぐそばのこと、あるものにごく近いところを指す言葉でもあります。
例えば「山際」、「窓際」、「壁際」といった言い方です。
また状態を表す表現として「何かをしようとする、ちょうどその時」という意味合いも持ちます。
「帰り際」や「いまわの際」という用法です。
これに「立つ」が連なっているのが「際立つ」ですから、文字通りには「すぐそばで立つ」ということになります。
これが転じて、「周りのものよりもはるかに目立つ」、あるいは「他との差がはっきりしていて目立つ」、「他との違いが極めて明瞭である」といった意味になりました。
また「目覚ましい働きをする」といった、人のすぐれた行動についても表現することがあります。
このように「際立つ」は基本的に、よいこと、ほめるべきことに使う表現です。
「非常に悪い、ダメな」という場合の表現としては、語句の成り立ちからしてふさわしくないといえるでしょう。
「~が際立つ」とも言いますが、「際だった成績」などのように形容詞的に使う例も多いようです。
「引き立つ」との違いや言い換え方は?
最後に「際立つ」と「引き立つ」の違いと言い換え方について見ていきましょう。
「引き立つ」も「際立つ」の同義語の一つであり、同じように「周りのもの、他のものに比べて、特に目立ってよいものに見える」という意味を示します。
ある物事を目立つように計らう「引き立てる」という他動詞がありますが、対象それ自身のことを表す言葉が「引き立つ」だといえるでしょう。
また「引き立つ」には、精神的に奮い立つ、元気になる、といった意味合いもあります。
「気持ちが引き立つ」といった言い方です。
「際立つ」との違いは、「素晴らしさの程度、度合い」の差だといえるでしょう。
どちらも「他のものより優れている」ことを示す言葉ですが、「引き立つ」には「よいように思える」、「多少優れている気がする」といったように、若干、表現者の主観が含まれているニュアンスがあります。
例えば「成人式で晴れ着の女性がたくさんいる中でも、うちの娘は引き立って見えた」のような言い方です。
あるいは「火で少しあぶると、より香りが引き立つ」、「松の緑が、城壁の白さを一層引き立てている」のように、自分はそう思う、比較的には優れている、といった印象を受けます。
これに対し「際立つ」は、語源からも分かる通り「あきらかに他とは素晴らしさが違う」という強い語感があります。
「誰が見てもはるかにすごい」、「明確に、ものすごく立派である」というイメージです。
このため言い換え方としては、冒頭に挙げた類語の中でも、「際立つ」の場合は、優秀さをとりわけ強調する言葉を選ぶとよいでしょう。
一方、「引き立つ」では、「映える」、「冴える」、「そそる」など、より主観的な表現がにじむ語句の選択が適切だといえます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「際立つ」の類語と意味、そして「引き立つ」との違いや言い換え方について詳しくご紹介しました。
日々の生活の中で「際立つ」という言葉を使う機会がありましたら是非、当ページを参考にしてみてくださいね。