友達や親族の結婚式に呼ばれた際に「忌み言葉」を使わないように気をつけるのは大人のマナーとしては当たり前ですよね。
ですが、「忌み言葉」と一言でいわれてもどんな言葉があるのか分からないと思います。
そこで本日は結婚式で使うことが出来ない「忌み言葉」のNG表現一覧と言い換え方、そして例文について詳しくご紹介したいと思います。
「忌み言葉」とは?
まず最初に「忌み言葉」について見ていきましょう。
「忌み言葉」という語句は、「忌む」という動詞の連体形「忌み」で「言葉」を修飾しています。
「忌む」の「忌」という漢字は、「己」と「心」という字から成り立っています。
「己」とは元来は、「押さえつけられていた物が起き上がって、はっきりした形をとるさま」を表すとされます。
すなわち心が起き上がって形を表すわけですから、「心が外に現れた状態」、「嫌な物を憎む心」、あるいは「恐れる心」を示します。
「忌む」も「不吉なもの、嫌なものを避ける」という意味になります。
このように「忌み言葉」は、「宗教上の理由や縁起を担ぐためなどに、忌みはばかって使用することを避けるべき言葉」といった意味合いになります。
「忌み言葉」は「忌み詞」あるいは「忌詞」という字が当てられる場合もあります。
「忌み言葉」は現代では慶弔などさまざまな場面で耳にしますが、そもそもは、宮中と関連する祭祀から始まったという説があります。
皇室と所縁が深い伊勢神宮で、天皇の即位ごとに選ばれて赴き、祭祀を司った未婚の内親王や女王を「斎宮」と呼びました。
この伊勢の斎宮が、仏語や不浄な語を避けるため、お経を「染め紙」、死を「直り物」、僧を「髪長 (かみなが) 」などと言い換えたしきたりがあったそうです。
こうした慣習が民間にも伝わったのが忌み言葉の由来ともされています。
加えて、「言霊」といった言葉に宿る不思議な力を信じ、言葉にして口から発することで現実になると考える、日本古来の文化や思想も、忌み言葉が現代まで綿々と続いている背景にあるといえるかもしれません。
結婚式で使えない「忌み言葉」一覧を教えて?
次に結婚式で使うことができない「忌み言葉」一覧をご紹介したいと思います。
現代で、一般的に使うことを避けるべきだとされている忌み言葉を、具体的にみてみましょう。
一家のおめでたいイベントとして最も身近ともいえる結婚式を例にとってみます。
まずはざっと、結婚式NGワードの主な例を一覧で列挙します。
A:夫婦関係の解消に関する表現
- 切れる
- 分かれる
- 離れる
- 終わる
- 破れる
- 流れる
- 散る
B:夫婦の別離を想起させる表現
- 去る
- 帰る
- 出る
- 戻る
C:婚姻が度重なる印象の表現
- 重ね重ね
- たびたび
- 再三
- しばしば
D:不吉な事を想起させる発音語
- 四(=死)
- 九(=苦)
「忌み言葉」の慣習は、縁起を担いで、今の幸せがなくなることなく未来永劫続くようにとの祈りを込めたものです。
このため結婚式では夫婦関係の破綻や離婚、再婚などを想起させる言葉を避けるべきだとされます。
また、他の祝賀儀式と同じように、「死」や「苦」などを連想させる数字もなるべく避けようとする傾向があります。
「忌み言葉」の言い換え方を教えて?
最後に「忌み言葉」の言い換え方について見ていきましょう。
それでは結婚式で、これらの忌み言葉を避け、言い換えるとすればどのように使うとよいのでしょうか。
例えば「宴たけなわではございますが、この辺で終わりにいたします」と言いたい場合には、「終わり」と部分を「~お開きとさせていただきます」とし、「開く」というあえて前向きな印象の言葉に代えます。
式の最中に「○○さんは所用で先に帰られました」と述べるような場合でも、「~中座されました」に代えます。
あいさつなどで「二人は今新たなスタートを切りました」という表現では、「~今新たなスタートラインに立ちました」となどと言い換えます。
「月日の流れは速いもので」と言いたい場合は、「早いもので、気がつけばもう今年は○○年です」などと言うことが適切でしょう。
また、数字の「4」や「9」をどうしても使わねばならない場合には、それぞれ「よん」、「ここのつ」などと口にする際の発音を変えることもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
結婚式で使うことが出来ない「忌み言葉」NG表現一覧と言い換え方、そして例文について詳しくご紹介しました。
結婚式というのはおめでたい席なわけですから、その時に使う言葉というのはいつもより気を遣ってしまうのは仕方がないことです。
大人のマナーや作法として頭に入れておくといざという時に役に立ちますのでチェックしておきましょう!