「みなさま、本日はお足元の悪い中ご来館いただき、誠にありがとうございます。」
百貨店やイベント会場などでよく耳にする「お足元の悪い中」という表現にはどんな意味合いが込められているのでしょうか?そして正しい使い方やビジネスシーンで使う場合の例文も気になってしまいますよね。
そんな本日は「お足元の悪い中」の意味と正しい使い方、そしてビジネスシーンで使う場合の例文などを詳しくご紹介したいと思います。
「お足元の悪い中」の意味は?
まずは、「お足元の悪い中」の意味について説明していきましょう!
読み方はそのまま訓読みで【おあしもとのわるいなか】と読みます。これについてはわざわざ説明しなくても大丈夫でしたね(笑)
それでは意味について見ていきましょう!
「足元」は、立っている足が地についている所や、その周辺の身近な範囲を意味します。
「お足元の悪い中」で言う「足元」とは、地面のことを表しています。
そのため「足元が悪い」とは地面の状態が良くないことを示しています。
雨風や雪といった天候の影響で、地面がぬかるんだりして歩きづらい様子が想像できますね。
意味としましては雨風が強く、地面がぬかるんだり、雨に濡れたり、そんな悪状況の中、わざわざ足を運んで頂きありがとうございますという感謝の念がこもっていると思います。
「お足元にご注意ください」と言われることがありますが、この「足元」も同様の意味で使われています。
現在は、アスファルトなど天候に関わらず比較的安定した地面が増えてきましたが、以前は土の道路など「足元が悪い」状態になりやすい場所は今より多かったことでしょう。
「足元の悪い中」の類語には、「あいにくの天気」「あいにくの空模様」「天気が悪い」「雨空」「雨天」などの言葉があります。
また「お足元が滑りやすい」という表現もあり、同じく雨や雪などの気象条件において使われます。
「お足元の悪い中」の正しい使い方は?
具体的に「お足元の悪い中」の使い方を見ていきましょう。
いくつか例文を交えてご紹介しますね。
■例文
- お足元の悪い中お運びいただき、たいへんおそれ入ります。
- 本日はお足元の悪い中、当イベントにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
- この度はお足元の悪い中、遠方からご参加いただき、心よりお礼申し上げます。
- お足元の悪い中お呼び立てして、誠に申し訳ございません。
店舗アナウンスやイベントの冒頭の挨拶、ビジネスでは、来社の打合せなどで多く用いられる表現です。
悪天候で地面の状態が良くないという客観的な事実に加えて、そのような不便な状況にも関わらず訪問してくれたことへの感謝を示したのが「お足元の悪い中~」という表現なのです。
ビジネスシーンで使う場合の例文と言い換え方は?
「お足元の悪い中」の意味と正しい使い方が理解できたと思うので続いてはビジネスシーンで使う場合の例文と言い換え方を見ていきましょう!
ところで「足元が悪い」という言葉は、本来、身体の足そのものが悪いという意味は持っていません。
しかし、差別を感じさせる言葉として、あまり良い印象を受けない方もいらっしゃるようです。
それでは、どのように言い換えたら自然な表現になるのか例文を交えてご紹介しますね。
■例文
- あいにくの天気の中、ご足労いただき、心より感謝申し上げます。
- 本日は悪天候にも関わらずご来場いただき、ありがとうございます。
- 雨がたいへん強く降る中ご来社いただき、誠におそれ入ります。
- 雪が降り続いて寒い中お買い物に来てくださって、誠にありがとうございます。
「足元が悪い」を類語に言い換えて「あいにくの天気の中」「雨風が強い中」「寒さの厳しい中」など、天候条件が良くないことを具体的に示します。
そうすることで、とてもストレートな表現になりますね。
これならば、どのような場面でも差別的だとは受け止められず、本来言いたかった感謝の気持ちを伝えることができそうです。
言葉の基本は、自分中心でなく受け取る相手側への配慮です。
決まった表現にこだわらず、その場の状況や相手に応じて言い換える工夫が、コミュニケーション上手と言えそうです。
特にビジネスの場など目上の人に接する場合は、より適切な表現で意思を伝えられるよう、言葉を学び言葉に親しんでいきたいものですね。
※「足」に関する表現方法をまとめた人気記事!
・「ご足労いただき」の意味や使い方は?目上の人には使えるの?
・「足を運ぶ」の意味と使い方は?敬語や類語・言い換え方を調査!
・「足が重い」の意味と使い方は?類語や例文を教えて?
まとめ
どうでしたでしょうか?
「足元が悪い」という言葉の意味や正しい使い方、そして例文や言い換え方などについて詳しくご紹介しました。
ビジネスシーンなどで「足元が悪い」という言葉を使うことに少し抵抗がある場合はストレートに言い換えればいいと思います。
でも昔ほど「足元が悪い」という言葉に過敏に反応する人も少なくなって来ていると思うのでビジネスシーンで使っても問題はないと思いますけどね。
詳しい意味と正しい使い方が分かったところで是非、活用してみてください。