机の上に本が山積み

「苟も(いやしくも)」という表現方法を見聞きしたり使ったりしますか?

漢字や読み方もとても難しいので意味を理解している人も少ないのではないでしょうか。

さらにどんな場面で活用する表現方法なのかも気になってしまいますよね。

そんな本日は「苟も(いやしくも)」の意味と正しい使い方、そして類語や例文について詳しく解説したいと思います。

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「苟も(いやしくも)」の意味は?

まず最初に「苟も(いやしくも)」の意味について見ていきましょう。

「苟も(いやしくも)」は副詞として、後に続く文を修飾し強調する表現です。

「苟も」の「苟」という漢字は、象形文字で、くさかんむりと「句」という字から成り立っています。

くさかんむりは「並び生えた草」を意味しますが、この場合は人が髪形を特殊な形に整えている様を表すとされます。

そして「句」「折り曲がった鉤(かぎ)の形」を指すとされます。

このことから、「苟」は、「髪を特別な形にして、身体を曲げ、神に祈る人」の姿を示しているとの説があります。

これが転じて「うやまう」、「畏れ多い」といった意味を表す字と考えられます。

ただ「いやしくも」自体は和語であり、古代から使われている言葉です。

このため後世になって、「苟安」(こうあん=一時的な安楽)や「苟且」(こうしょ=一時的にしのぐ)といった漢語を漢文訓読で読み下す際に、後で述べるように、似たような「かりそめにも」といった意味合いである和語の「いやしくも」という読みを、字に当てたものとみられます。

さて、古語の「いやしくも」は「いやし」という形容詞を活用した形の言葉です。

「いやし」は 「卑し」や「賤し」と書きます。

これは現代でも「卑しい身分」といった用例があるように、元来は「身分が低い、地位が低い」という意味です。

また「粗末である」、「みすぼらしい」といった意味や「けちだ」、「さもしい、いじきたない」といった使われ方もされました。

そして「いやしくも」は、この形容詞の「いやし」の連用形に係助詞の「も」を付けたものです。

このため古語における「いやしくも」「身分不相応にも」、「柄でもないが」、「もったいなくも」といった意味を示しました。

またそうした恐縮の感情を込めて「かりそめにも」、「もしも」という意味合いでも使われました。

音便化して「いやしうも」とも言われたようです。

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このように「苟も」も一義的には「身分不相応にも」「もったいなくも」といった意味でした。

しかし、現代では、そのような地位や身分にあることを強く意識するように、相手に提示する気持ちを表すことから、「仮にも」や「かりそめにも」といった意味合いでの使用が一般的になっています。

「苟も(いやしくも)」の正しい使い方は?

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次に「苟も(いやしくも)」の正しい使い方を見ていきましょう。

前述のように「苟も」は、古語に由来しており、かなり堅い文語的表現です。

現代の文章などでは「仮にも」や「もしも、万一」という意味での使用が通例です。

また、あとに打消しの語を伴って「いいかげんに」、「おろそかに」といった意味合いも示します。

元来は「身分不相応にも」や「自分やその人にはもったいないことに」という趣旨の言葉ですので、「苟も」を書面や手紙などの文書で記す場合は、「そのような重要な身分であることをわきまえるべきだ」とか、「大事な問題なので、万一にも軽んじてはいけない」と、諭したり、警告するようなニュアンスがこもる言葉だともいえます。

「苟も(いやしくも)」の類語と例文は?

最後に「苟も(いやしくも)」の類語と例文をご紹介します。

では「苟も」について、その意味合いの違いに従って、類語や例文をご紹介していきましょう。

まず「仮にも」という意味では、類語は「かりそめにも」「例えれば」などとなります。

例文としては「そんなことは、苟も人の上に立つ者のすべきことではない」となります。

 

次に「もしも」という場合の類語は「万一」、「ひょっとして」などです。

例文では「苟もこれが事実なら、早急に対処すべきだ」となります。

さらに「いいかげんに」の場合の類語は「おろそかに」、「ぞんざいに」などで、例文は「一字一句を苟もしてはならない」です。

最後に「不相応」の意味の類語では「柄にもなく」、「恥ずかしいことに」などが挙げられ、例文としては「このほど苟も重職に任ぜられました」などとなります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「苟も(いやしくも)」意味と正しい使い方、そして類語と例文について詳しくご紹介しました。

現代では「仮にも」や「かりそめにも」と言った意味合いで使う場合が多いので頭の中に入れておきましょう。

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