本に映ったハートの影

みなさんは普段、「存じ上げております」という言葉を見聞きしたりしますか?

「存じ上げております」「存じております」「存じます」どれも似ている言葉だと思いますが、違いや使い分け方が難しいと思います。

正しい使い方があるようですが、とても紛らわしいですよね。

そこで今回は「存じ上げております」の意味と正しい使い方、さらに謙譲語や尊敬語について調べてみたのでご紹介したいと思います。

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「存じ上げております」の意味は?

まずは、「存じ上げております」の詳しい意味について見ていきましょう。

「存じ上げております」「知っています」や「思っています」の敬語表現です。

「存じ上げる」は文化庁による敬語の指針によると「知っている」の謙譲語Ⅰです。

そして「存じ上げる」の「上げる」は「申し上げる」の「上げる」と同じく動詞に付く謙譲表現です。

つまりは、まず「知っている」の謙譲語「存じる」に謙譲語「おる」と丁寧語「ます」をつけて「存じております」にします。

そして「存じております」にさらに謙譲表現「上げる」をつけたものが「存じ上げております」です。

つまり「存じ上げております」はすでに敬語表現である「存じております」をさらに丁寧にしたものですね。

少し分かりずらい部分もあると思いますが、次の項目で例文などを交えて正しい使い方をご紹介したいと思います。

「存じ上げております」の正しい使い方は?

続いては「存じ上げております」の正しい使い方を解説していきますね。

一般的に「上げる」を使うときは「人」を敬うために使うものとされています。

つまり「A氏を存じ上げております」は良くて「商品Bを存じ上げております」と、モノに対してまで敬うのはやりすぎだという考えです。

物を対象にする場合は「商品Bを存じております」と言います。

また、対象が人であっても、社外の人に「開発者である弊社の社員Cのことは私も存じ上げておりますが」と言うと社内の人間を敬うことになってしまいますね。

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あるいは上司との会話で「新人のDのことは存じ上げております」と言うと目下のC君を敬うことになり、好ましくないということになりますね。

こういった場合は、物を対象とする場合と同じように「存じております」を使うべきということでしょう。

 
「存じ上げる」を使った例文を3つ紹介します。

 

■例文

  1. お名前は存じ上げております。
  2. 佐藤様のことは存じ上げておりません。
  3. あなた様のご高名はかねてより存じ上げております。

 

「存じております」を使った例文を3つ紹介します。

 
■例文

  1. その件は存じております。
  2. 開催場所は存じております。
  3. デザインが変更になることは存じております。

 

また「存じております」とそれに似た言葉「存じます」の使い方は「存じております」が「知っている」で「存じます」が「思っている」というニュアンスが強いようです。

ただし、通常会話するときに「ご多忙かとは存じますが」とは言わないでしょう。

「お忙しいところ申し訳ございませんが」などと言いますよね。

「存じます」は主にかしこまった文章を書くときに使う言葉でしょう。

「存じ上げる」は謙譲語なの?それとも尊敬語?

最後に「存じ上げる」という表現は謙譲語なのかそれとも尊敬語なのかについて見ていきたいと思います。

「存じ上げる」という表現は「知っている」「思っている」の謙譲語になります。

つまり「社長はこの方を存じ上げていらっしゃいますか?」などとは使いません。

これはたとえば「どちらへお出かけですか?」「ご覧になりますか?」というべきところを、それぞれ「どちらへ参られますか?」「拝見なさいますか?」と言っているようなものです。

「知っていますか?」の敬語は「ご存じですか?」です。

また「思っていますか?」の敬語は「思われますか?」ですね。

まとめ

いかがでしたか?

「存じ上げております」意味や正しい使い方、そして謙譲語や尊敬語について詳しくご紹介しました。

「存じ上げていらっしゃる」は、おかしな表現ですね。

また、「存じております」、「存じます」との区別ができるようになっていただけたことでしょう。

普段、利用することがあったら是非、この記事を参考に正しい敬語を使いこなしてくださいね!

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