真摯な対応

みなさんは普段の生活の中で「真摯(しんし)」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?

テレビなどで「真摯に受け止める」や「真摯に向き合う」などの表現をしている著名人などを見かけたりしますが、どんな意味合いがあるのでしょうか。

そんな本日は「真摯(しんし)」の意味と正しい使い方、そして目上の人に使う場合の注意点と例文を詳しく解説したいと思います。

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「真摯(しんし)」の意味は?

まず最初に「真摯(しんし)」の意味について見ていきましょう。

読み方は大丈夫だと思いますが、「真摯」という言葉は「しんし」と読みます。

名詞ですが「真摯な」や「真摯に」といった形容動詞的な使われ方が一般的ですね。

「真摯」の漢字の成り立ちをみていくと、まず「真」という字は、「ヒ」や「目」や「六」といった部分からできています。

「ヒ」という字は「変化すること」を示すとされます。

「目」はいわゆる体の目ですが、この字の場合は「仙人が偉業を行うために第一に重要なもの」を意味するとされます。

「六」のような形の字は「乗り物」を表すといわれています。

こうしたことから「真」は、そもそもは「仙人が形を変えて、竜などに乗って天に昇り姿を隠すこと」を表す字だとされます。

あるいは「殉死した者を穴の中にさかさまに埋めるさま」といった、ややおどろおどろしい解釈もあるようです。

いずれにせよ現代では「真」は「本物の」、「正しい」、「混じりけのない」といった意味を示す漢字です。

そして「摯」も「まじめな」や「手厚い」ことを示します。

このため「真摯」は、「まじめでひたむきなさま」、「真剣で熱心なこと」、「真心や誠意がこもっていること」といった意味を表す言葉です。

「真摯(しんし)」の使い方は?

伝える

次に「真摯(しんし)」の正しい使い方について見ていきましょう。

「真摯」「まじめでひたむきなさま」を表しますが、そうした意味に近い言葉には「誠実」、「忠実」といった類語が多くあります。

いずれも、ある人についての性質、態度を示す言い方ですが、使い方に違いはあるのでしょうか。

誠実」とは「真心があって相手の気持ちなどを裏切らない」といったニュアンスを持ちます。

人物そのものを評価する場合にも、人の行動についての形容にも使われます。

「彼は誠実な人だ」、「あの方は誠実に働く」といった用例です。

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一方「真摯」は、「邪念なく一心不乱でまじめなさま」といった意味です。

いわば、一つのことに精進して突き進む、「ピュア」な状態を表す言葉だともいえます。

このため「真摯」は、人の行動については言い表しますが、人そのもの評価ではあまり使われないといえるでしょう。

そして「真摯」はややあらたまった、堅い表現でもあります。

ビジネスシーンや一般のやり取りにおいては、「真摯」は相手に謝罪したり、自分の決意を述べたり、他人の行動を言い表す際に使われることが通例です。

かしこまった言い方のため、主としては公の場、会議など大勢の人々に話しかけるような場面で使用することが多いといえるでしょう。

ある問題に関して「自らの身を律して、まじめにひたむきに取り組む」といった姿勢を丁寧に強調する表現です。

目上の人に「真摯」を使う場合の注意点と例文は?

最後に目上の人に「真摯」を使う場合の注意点と例文をご紹介したいと思います。

このように「真摯」は、「まじめで一生懸命」なさまを相手に伝えるかしこまった言い方ですから、目上の人や立場が上の人についても使用できます。

例文とともに紹介すれば、例えば上司や顧客などに対して謝罪する場合は、「今回のご指摘を真摯に受け止め、全力で改善に努めてまいります」、「今回受けた厳しい処分につきましては、真摯に受け止めております」といった用法となります。

また謝罪以外のケース、例えば役職への就任あいさつなどでは「決して初心を忘れることなく、自らの役割を真摯に受け止め職務にあたる所存です」といった例文です。

相手からの指摘や要望を受けた回答の際には「みなさま方のご指導やご指摘を真摯に受け止め、今後の活動に生かして参ります」などと言えます。

このように目上の人に謝罪や決意表明を行う場合に、「真摯」は大変使いやすい言葉ですが、注意する点があるとすれば、「真摯な態度で、具体的にどうするのか」に言及すべきだということでしょう。

ただ「真摯に受け止めます」だけでは、言い換えれば「まじめにやります」と言っているだけにしか感じられません。

その上で「○○を変えていく」、「○○と改める」など話に具体性を持たせることが、相手への信頼度や説得性を高めるといえます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

「真摯(しんし)」意味と使い方、そして目上の人に使う場合の注意点と例文について詳しくご紹介しました。

「真摯な対応」や「真摯な姿勢」などと使う場合もありますし、真面目さを相手に伝えるための言葉ということが分かったと思います。

ビジネスシーンだけではなくさまざまな場面で使う表現方法なので、意味と使い方をしっかりと頭に入れておきましょう。

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