木の積み立て

日常でよく活用する言葉に「いし」という表現があります。

漢字で書くと「意思」「意志」「遺志」と表現しますが、どのような場面で活用する言葉なのでしょうか。「意思」と「意志」のふたつはなんとなく意味と使う場面が分かる気もしますが、「遺志」は一体いつどんな場面で使うのか悩んでしまいます。

そこで「意思・意志・遺志」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しくご紹介したいと思います。

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「意思・意志・遺志」の意味と使い方は?

まず始めに「意思・意志・遺志」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。

「意思・意志・遺志」という二字熟語は、いずれも名詞で「いし」という同じ読み方です。

「いし」と読む日本語には他に「医師」や「石」など色々ありますが、表題の三つの同音異義語はいずれも「人の内なる考え」にまつわる共通点があります。

まずは漢字の成り立ちから違いを考えてみます。

「意思」「意志」の意味

「意思」と「意志」の冒頭にある「意」という漢字は「音」と「心」から構成されており、「音や言葉では表せない心の内」、すなわち「こころ」や「思い」を意味する字です。

「思」という字は「田」と「心」からできています。

「田」はこの場合は「子供の脳」を表しており、「心」と合わせることで、「思」は「脳で考える、思う」ことを示します。

また「志」は、「士」と「心」で成り立っています。

この場合の「士」は「足と出発点を示す横線」を意味しています。

足が一歩を踏み出すということから、「志」は「心が向かう先」や「こころざし」を表すようになりました。

これらのことから「意思」は同じような意味の字の重なりであり、「心の中に思い浮かべる、何かをしようとする考え」のことを指します。

一方「意志」「何かを行いたい、あるいはやりたくないという考え」「目的や計画を実現しようとする気持ち」を意味します。

「遺志」の意味

三番目の「遺志」の「遺」という字は、しんにょうと「貴」という字で構成されています。

しんにょうは「道を行く」という意味を示します。

「貴」は「両手で人に物を渡している様子」と「子安貝(古代の貨幣)」を表し、「贈り物をする」といった意味を指します。

これが転じて「高貴な」や「尊い」といった趣旨にもなったようです。

すなわち「遺」は「物を送り届ける」、さらには「送ってしまって、もうここにはない」、「失う」という意味に転じました。

このことから「遺志」「亡くなった人が、果たすことができずに残したこころざし」を意味する言葉です。

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これらの言葉を使う際には、次の項目でご説明するように、それぞれの意味合いを認識して選択することが重要となります。
  

「意思・意志・遺志」の違いと使い分けは?

AとB

次に「意思・意志・遺志」の違いと使い分け方を見ていきましょう。

三つの言葉のうち「意思」と「意志」は比較的近い意味合いを持ち、「遺志」とはやや隔たりがあります。

前の二語は現在いる人々の生の考えを表すのに対し、「遺志」は「故人が残した思い」という意味だからです。

では「意思」と「意志」の違いや使い分けはどう考えればよいのでしょうか。

「意思」「思い・考え」という似た字の重なりで、「人が考えていること」の内容や中身について示すニュアンスがあります。

一方「意志」は考えの内容というよりも、「それをやりたい、やりたくない」といったその人の意向に重点が置かれています。

いわば「意思」「思い浮かんだ何らかの考え」であるのに対し、「意志」積極的な心の動きを示すといえます。

法律的には「意思」という言葉が一般に用いられています。

何かの行動の原因となる心理作用や犯罪などへの認識のことを、法的には「意思」と呼びます。

一方、強い意向を示す「意志」は哲学や倫理学で用いられることが多く、「欲望」に近い印象があり、反射的に突然行動する「衝動」とは対立する概念としても使われるようです。

ただ「意思」と「意志」は微妙な意味の差でもあるため、話し手、書き手の認識によって両方を使い分ける場合もあり得るといえます。

例えば「意思表示」、「意思疎通」という熟語では通常「意思」を用いますが、「強い意向」という意味合いで使う場合は「意志」を当てはめても、必ずしも誤用とはいえないようです。 

「意思・意志・遺志」の例文を教えて?

最後に「意思・意志・遺志」の例文をご紹介します。

例文

「意思・意志・遺志」の例文をそれぞれ挙げていきましょう。

  • 双方の意思を汲んで落としどころを探ろう。
  • 家族の意思を尊重したい。
  • 彼は本当に意志の強い人だ。
  • そんな意志薄弱なことでどうする。
  • 先生のご遺志を継いで仕事を続けていきたい。
  • この作品を完成することこそ亡き師匠の遺志だと思う。

「意思・意志・遺志」の例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「意思・意志・遺志」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しくご紹介しました。

同じ読み方でもひとつひとつの意味と使い方はまったく違うことが分かりました。

根本的に考えると「意思・意志・遺志」は人の内なる考えを意味する表現方法としては共通するものがありますね。

正しい意味と使い方を理解して間違わないように使うようにしましょう!