普段、みなさんは「不手際」という言葉を見聞きしたり使ったりしますか?
ビジネスシーンなどでよく使いそうな言葉ですが、意味や使い方をしっかりと理解して相手に誤解のないように利用していきたいものですよね。
そんな本日は「不手際」の詳しい意味と正しい使い方、そして類語や例文、言い換え方を詳しく解説していきたいと思います。
「不手際」の意味と使い方は?
まず最初に「不手際」の意味と正しい使い方について見ていきましょう。
「不手際」は「手際」という言葉を否定した形の名詞です。
「手際」とは、ものごとを行う腕前や手腕、技量のことを指します。
あるいはものごと自体の出来栄え、仕事を処理するやり方、という意味もありますね。
だいたいは「手際がよい」や「手際が悪い」、「さえた手際」といった言い方が一般的です。
これらの逆の意味が「不手際」ですから、「あることのやり方や処理の仕方がまずいこと」、または、「そうした処置の結果、出来栄えが悪いこと」、「行動の結果そのものがよくないこと」も示します。
「行為にたずさわる人の適性が欠けている」、あるいは「習熟度合いが足りない」、「技術が稚拙だった」といった意味合いでも使われることがあります。
まとめると「不手際」は、「ものごとの性質や状態そのものには問題がなくとも、それを扱った人の手順や手続き、あるいはやり方がまずく、結果としては悪い状態に至ってしまった」、という状況に当てはめられる言い方だといえます。
例えば「不手際があった」、「処理が不手際だ」といった表現となります。
「不手際」の類語と例文は?
次に「不手際」の類語と例文を見ていきましょう。
「不手際」の類語には、次のようなものがあります。
◆類語
- 不行き届き
- 不調法
- 手抜かり
- 手落ち
- 遺漏
- 手違い
- 落ち度
- 失態
- 非力
- 稚拙
もっと粗野な、俗な言い方では「下手(を打つ)」や「ヘマ(をする)」といった表現も近いといえるでしょう。
「不手際」は、ビジネスシーンでは欠かせない、おわびの際に使用される重要な表現だといえます。
前述のように「不手際は」、ものごとの出発点では良好だったのに、プロセスの中で手違いや手落ちがあったための失敗や、悪い結果を示します。
このため、自分たちの処理などの非を、直接的に謝罪する文面で使用されることが多い表現です。
例文としては次のようなものが挙げられます。
◆例文
- このたびは、私どもの不手際で納品が大変遅れまして、まことに申し訳ありません
- きょうは司会の不手際で、宴会自体が長引いてしまった
- 当方の度重なる不手際で、お客様にご迷惑をお掛けし、おわびのしようもございません
「不手際」の類語と例文をご紹介しました。
ビジネスシーンなどで活用する際は是非、参考にしてみてくださいね。
「不手際」の言い換え方とは?
最後に「不手際」の言い換え方について見ていきましょう。
前段で述べたように、「不手際」はあくまで、ものごとが進行する過程で、人為的なミスや下手な処理の仕方によって、結果的な出来栄えが悪くなった状態を示します。
このため「原因不明の事故」や、「外部侵入者などによる想定外の事件」、あるいは災害による悪影響などの場合には、あまり使用はふさわしくないといえるでしょう。
こうしたケースでは、誠実に現在判明している状況をありのままに伝え、善処を急いでいることを丁寧に説明することが重要です。
ただしこうした場合でも、事態の復旧に手間取ったり、関係者への連絡や調整に手落ちがあって、事態が悪化したようなケースでは、やはり「不手際」に当たりますので、きちんと謝罪すべきでしょう。
例えば、ビジネスでのおわびの文面などで言い換える場合の表現としては、次のようなものが挙げられます。
◆言い換え方
- 今回は、私どもの落ち度でこのような結果となり、心よりおわびいたします。
- 当方の手続き上にミスがあり、ご迷惑をおかけしました。
- お客様へのご対応や調査に疎漏があり、極めて遺憾です。
といった言い換え方があるので参考にしてみてくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「不手際」の詳しい意味や使い方、類語、例文、言い換え方について詳しくご紹介しました。
普段、あまり積極的には使いたくない言葉だと思いますが、もしビジネスシーンなどで”不手際”が起こってしまった際は参考にしてください。