保険

小学生の時に習った漢字で「保険」「保健」という表現があります。

同じ漢字を使い同じ読み方の言葉ですが、意味や使い方はまったく違う表現方法になるのでしっかりと覚えておきたいですね。日々の生活でよく活用する言葉なので、成り立ちや使う場面などを見ていきましょう。

そこで「保険」「保健」の違いと使い分け方、そして意味と例文を詳しく解説していきます。

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「保険」「保健」の意味と使い方は?

まず始めに「保険」「保健」の意味と正しい使い方を見ていきましょう。

「保険」「保健」はいずれも「ほけん」と読む二字熟語です。

元来はそれぞれ「険を保つ」、「健を保つ」という漢語的な成り立ちの言葉だといえます。

まず漢字の成り立ちから意味を考えてみます。

両方の言葉に共通する漢字「保」は、にんべんと「呆」という字から構成されています。

にんべんは横から人を見た形で「人」を表し、「呆」は「乳児を人が抱きかかえている」ことを示します。

すなわち「保」は、大人が乳児を大事に抱きかかえているさまを表す字で、「まもる」、「たもつ」、「助ける」、「責任を持つ」といった意味合いを示すようになりました。

次に「保険」の「険」という字は、そもそもは「險」という漢字の略字体です。

この字のこざとへんは「段のついた土山」を示すとされます。

そしてつくりの部分は、蓋の下で二人の人間が口を突き出しているような形を表しています。

すなわち「建物の中で多くの人が口を揃えて言う」さまを示すものですが、この字の場合は「検」に音が通じることから「厳しく取り調べる」といった意味を持ちます。

つまり「険」は「人に緊張を与える山」、転じて「けわしい」、「危ない」といった意味となりました。

そして「健」という字は、にんべんと「建」から成っています。

「建」は元来は「筆を持った人が伸びやかに立つ」ことを示しており、「健」は「人がのびやかである」、「すこやか」、「元気」といった意味合いとなりました。

これらのことから「保険」とは、文字通りには「険しい山を守る」ということになりますが、次項で述べるような由来から、現代では英語の「insurance」の訳語としての「保険制度」や、そこから転じて「失敗した時の保障」を比喩的に表す言葉となっています。

また「保健」はその字の通り「健康を保つこと」という意味を示します。

どちらの言葉も漢語が元ですのでやや堅いイメージですが、現代日本語では非常に幅広く使われる馴染み深い熟語です。

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「保険」「保健」の違いと使い分けは?

AとB

次に「保険」「保健」の違いと使い分け方を見ていきましょう。

「保険」と「保健」はこのように全く違う意味の言葉です。

「保険」は今では「生命保険」、「失業保険」など「突然の事件や事故で経済上の損失を受けた場合に備えて、あらかじめ多数の人からお金を集めてプールしておき、そこから万一の被害を受けた人に補償金を支払う制度」を意味しています。

この制度の比喩で「保険を掛けて休日出勤を二人にした」といった用い方もあります。

「保健」の方は字面からも意味が分かりやすい言葉ですが、かたや「保険」はなぜこうした意味になったのでしょうか。

これはかつて中国や日本で、西洋で発祥した保険制度を訳した経緯にちなんでいます。

十九世紀にドイツ人宣教師が英中(華)辞典を著した際に「insurance」を「保険」と訳しました。

この「保険」は、古代中国の歴史書「魏志」や「隋書」にある「険しい要害の地に立てこもる、要塞を守る」という趣旨の「保険」という一文から採用したものです。

そして明治時代、日本でも欧米の保険制度を紹介する私塾の文書に「中国語で保険という」と使われ、以後一般に広まったとされています。

このように「保険」金銭面や物理的な意味で、いざという事態に備えておくことを示し、「保健」人の健康を維持したり増進したりすることを指します。

ほぼ同じ発音ですが非常に異なった意味合いの二語であり、変換したり書く場合には誤用しないよう注意することが大切です。

「保険」「保健」の例文を教えて?

最後に「保険」「保健」の例文をご紹介します。

「保険」の例文

「保険」の例文には次のようなものがあります。

  • 最近は様々なタイプの医療保険が発売されるようになった。
  • 被害者には事件の直前多額の生命保険が掛けられていたため、保険金殺人ではないかとの疑惑が持ち上がった。

「保健」の例文

「保健」の例文としては次のようなものが挙げられます。

  • 授業中具合が悪くなったので保健室に行った。
  • 一番得意な科目は保健体育です。
  • あの店で食中毒が発生したため、保健所が立ち入り検査したそうだ。

「保険」「保健」の例文をまとめてご紹介しました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「保険」「保健」の違いと使い分け、そして意味と例文を詳しくご紹介しました。

おさらいをすると「保険」は「何かに失敗した時に保障する」ことを比喩した表現になり、「保健」は「健康を保つ」という意味合いがあります。

同音異義語なので、意味や使い方がまったく違うということを理解して相手に誤解のないように使いましょう!